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「神戸」の魅力を再発見する「KOBE Re:Public Art Project」
岡田利規による作・演出の演劇「あなたが彼女にしてあげられることは何もない」の上演が決定
― 俳優の片桐はいりを迎え、2月24日から神戸市内の喫茶店で実施 ―

2023.02.09



神戸市経済観光局が主催する「KOBE Re:Public Art Project」は、喫茶店を活用した岡田利規による作・演出の演劇「あなたが彼女にしてあげられることは何もない」の上演を、2月24日から行います。映画やテレビドラマ、舞台などで幅広く活躍する俳優の片桐はいりを迎え、神戸市内の様々な喫茶店が舞台となります。

今回の上演は『神戸の多様な“風景”、“場所”、“建物”がアートとなりうる』という考えのもと、昨年11月~12月に神戸市内で実施した、様々な分野で活動するアーティストが、独自の視点やアプローチで、新たな神戸の魅力(周遊観光資源)を発掘するリサーチ活動を踏まえたもので、2015年初演のチェルフィッチュ『あなたが彼女にしてあげられることは何もない』を、神戸を代表するカルチャーである、元町や南京町、居留地の喫茶店を舞台に、俳優の片桐はいりとともにリクリエーションします。

︎ 上演概要
営業中のカフェの一席で、天地創造や地球の歴史を巡る物語をひとり言のようにつぶやきつづける女を、窓越しに観劇する喫茶店演劇。都市の一部として気に留めていなかった情景や隣人、自分自身さえも明日には誰かを脅かす存在になり得るかもしれないという都市と現代社会か孕む危うさを縮図のように提示する作品です。

『あなたが彼女にしてあげられることは何もない』
作・演出:岡田利規
出演:片桐はいり
舞台監督・映像・音響 :須藤崇規
喫茶店監修:喫茶ポエム(山崎俊一)

︎ 日程・場所
2月24日(金)17:30~ @ 喫茶しゅみ(※1)
中華街である南京町で営む、創業46年の喫茶店
〒650-0023 兵庫県神戸市中央区栄町通2丁目9−7(https://onl.bz/5a9z67d

2月25日(土)10:30~ @ 元町サントス
萩原珈琲が運営する、創業60年を迎えた元町商店街の喫茶店
〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通2丁目3−12(https://onl.bz/ShR2NwN

2月26日(日)15:30~ @ 喫茶アルファ
昭和35年創業の、元町商店街にある純喫茶
〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通6丁目5−12(https://onl.bz/ShR2NwN

3月4日(土)、5日(日)各回15:30~ @ SO TABLE(※1)
ポートタワー前のコンテナハウスが印象的な喫茶カフェ
〒650-0042 兵庫県神戸市中央区波止場町5−5(https://onl.bz/Pr43Gkg

※雨天中止となります
※上映時間は30分を予定しています
※無料でご覧いただくことが可能です(予約不要/立ち見となります)
※公演スケジュールに関しては、特設ページをご覧ください(https://koberepublic-artproject.com/

アーティストコメント
岡田利規:
実際の喫茶店を会場にして行われる演劇作品を数年ぶりに、喫茶店文化の根付いた都市・神戸で再演します。人がひとりで喫茶店で過ごす時間の中に潜んでいるかもしれない切実な不穏さに、この上演を楽しむことを介して思いを至らせてもらえたら、そして現代の社会、現代という時代に生きることが孕むあれやこれやの前に立ち竦んでいただけたら、本望です。

片桐はいり:
震災の前後のころに、よく神戸でお芝居をしていました。山のほう、海のほう、いろんな街を歩きました。そこここで出くわすすてきな喫茶店で、よくお茶飲んで過ごしました。今回は劇場を出て、喫茶店のひとすみでお芝居します。おかしくて禍々しい、けったいなお芝居です。しかも観覧無料…けったいです。もし出くわしたら、足をとめてみてください。最後までたちあっていただけたら、なお幸せです。

出演者プロフィール
岡田利規
演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰。
2007年にチェルフィッチュ『三月の5日間』で海外進出を果たして以降、独特な言葉と身体の関係性による方法論や、現代社会への批評的な眼差しが評価され、世界90都市以上で作品を発表。2016年以降、欧州の劇場レパートリー作品の作・演出も継続的に手がける。ダンサー、ミュージシャン、美術家、ラッパーなど、様々な分野のアーティストとの協働も多数。近年は活動の幅をさらに広げ、能のフォーマットを用いた作品として『NŌ THEATER』(2017年)、『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』(2021年)を発表。歌劇『夕鶴』(2021年)でオペラの演出を、木ノ下歌舞伎『桜姫東文章』で歌舞伎演目の脚本・演出を初めて手がける。小説家としては2007年にデビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を発表し、翌2008年第二回大江健三郎賞受賞。2022年『ブロッコリー・レボリューション』が第35回三島由紀夫賞、第64回熊日文学賞を受賞。
https://chelfitsch.net

片桐はいり
1963年生まれ、東京都出身。大学在学中に映画館のもぎりのアルバイトをしながら、劇団で舞台デビュー。
その後、CM、映画、テレビドラマと幅広く活躍。主な出演作品は『野外劇 嵐が丘』(22年/演出:小野寺修二)、
『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』(21年/作・演出:岡田利規)、あの大鴉、さえも』(16年/作:竹内銃一郎 演出: 小野寺修二)、『キレイ~神様と待ち合わせした女』(05年/演出・脚本:松尾 スズキ)、『オイル』(03年/演出・脚本:野田秀樹)、舞台&映画『小野寺の弟、小野寺の姉』(13、14年)、映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』(21年)、『私をくいとめて』(20年)、『かもめ食堂』(06年)、ドラマ『ちむどんどん』(22年)、『あまちゃん』(13年)、『すいか』(03年)ほか多数。
執筆も行っており、著書『わたしのマトカ』『グアテマラの弟』(幻冬舎)。映画愛に溢れたエッセイ『もぎりよ今夜も有難う』(キネマ旬報社)は、第82回キネマ旬報ベスト・テン読者賞を受賞。

「KOBE Re:Public Art Project」について
メインキュレーターに森山未來を迎え、これまでの枠組みに捉われない、新しい形のパブリックアートを創出する試みとして、2022年9月にスタートしました。
様々な分野で活動するアーティストが、神戸市内のアーティスト・イン・レジデンスに一定期間滞在し、テーマである『人新世』に基づいて散策(リサーチ)しながら、アーティストによる視点やアプローチから、地域に新しい価値を生み出し、新たな神戸の魅力(周遊観光資源)を発掘することを目的としています。

リサーチ活動について
2022年11月から12月にかけて実施した、アーティスト・イン・レジデンスの仕組みを活用したリサーチ活動では、現代美術作家をはじめ、建築家、音楽家、写真家、ダンサー、料理人、演出家など、様々な分野で活動するアーティストが、神戸各地に滞在し、地元をよく知るコーディネーターとの散策や、地域の魅力や課題について対話などを行うことで、神戸にひそむ魅力的な資源(ヒト、モノ、コト、バショ)の数々に、アーティストの新たな視点を掛け合わせ、新たな神戸の魅力(周遊観光資源)を発掘する貴重な機会となりました。

︎ エイベックスについて
エイベックスは、音楽、アニメ・映像、デジタル・プラットフォームの3つの主要事業を展開する日本最大級のエンタテインメント・カンパニーです。東京、北京、シンガポール、ロサンゼルスなどに拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。企業理念である「エンタテインメントの可能性に挑みつづける。人が持つ無限のクリエイティビティを信じ、多様な才能とともに世界に感動を届ける。そして、豊かな未来を創造する」のもと「Really! Mad+Pure」をタグラインに掲げ、多様な地域・分野で“愛される”IPの発掘・育成を目指しています。
なお、本プロジェクトは、エイベックス・エンタテインメント株式会社が神戸市より受託した、パブリックアートによる観光誘客事業「KOBE Re:Public Art Project」となります。
 
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