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TRIPLANE

non no発売記念企画!TRIPORTERSオフィシャルインタビュー 「武田和也(Bass)」

2015.02.13

「『俺の味』を。それが弾けないと俺である意味がない。」
――インタビュー前の視聴会ではベースを中心に聴いてみたのですが、以前より、ベースが細かく動いているところが多い印象を受けました。
 やっぱりアルバムをずっと作って来ていて、最近は細かくというか、16ビートっていうか、本当にリズムが細かくなってきているから。確かにその意見は合ってるかもしれない。
 
――以前は違ったのですか。
 ここ2、3年かなぁ。こういうのが増えてきたねぇ。
 
――そもそもベースラインってどうやって考えるのですか。例えば、1曲目の「羽根」の、兵衛さんの歌が入るところとか。
 あれはね~ほぼノリでやってるんだよね。♪タッ、ツ、タッタッタ、ッ、タララ、タッ、ツ、タッタッタ
♪っていうのが基本ね。その合間に入れているものが「おかず」と言われているもので。フレーズのことを「おかず」って言うんだけど、そういうのはもうノリでやっていて、羽根に関しては2番は変えてるんだよね。2番はスラップにしてるんだけど、そこは本当にその場のノリで、「何か変えたいよね」っていう話になって、「ちょっとスラップでも入れてみてくんない?」っていう。
 
――そういうことは誰が仰るのですか。
 それは兵衛であったり、ディレクターであったり。A-JARIというバンドの元ベーシストの方がディレクターに入ってくださってるんだけど、その方が元ベーシストだから結構色々アドバイスをくださって「ちょっとそこ、はじいてみれば?」みたいになって、「マジっすか!?」みたいな感じでやったらあぁいう感じになったっていう。フレーズはね~、最近は基本的に本当にその場でっていう感じだね。何でかと言うと、最近は、事前に決めて、とかではなくて、レコーディングに行って、その場で演奏するというのが多いから。
 
――事前に決めていないのですか。そもそも、曲作りの最初はどこから入るのですか。
 今回は、曲はまず兵衛がデモ、簡単に言えば「こういう感じで」っていう大枠を持ってきて、それをその場で聴いて演奏するという感じだったのね。例えば「蕾」とかは、メンバーでリハーサルスタジオに入って、その場で皆で作ったりとかいうこともあったんだけど、今回は、全部兵衛がデモを作ってきて、それを自分で取り入れて、弾いてみて、その場でこう、何か自分で出てくるものを形にしたって感じだね。
 
――兵衛さんがデモを持って来られたら、そのあとは皆一斉にやるのですか。
 今回は別々でやったね。
 
――別々でやって、タンさんとケインさんがどう考えていらっしゃるかはわからなくないのですか。
 俺はそこはあまり気にしてないんだよね。例えば、「ケインがここに何か入れてくるから、自分はここは・・・」という感覚はそこまで無いんだよね。まず、最初、曲が上がってきた時点で、兵衛の作り方的に、歌と歌詞っていうのは絶対無いんだよね。オケだけなんだよ。だからもう、どういう歌が来てとか、どういうメロディが来てとか無いから。
 
――題名も無いのですか。
 無い!だから、デモを聴いて、その世界観だけで自分で表現しているから、「誰がここでこう来る」とか「ドラムがこう」とかはあんまり考えてないね。けど、ドラムから録るから、タンのフレーズはもう入っているから、「ここはドラムが暴れているから合わせてみようか」とか、そこはもう、自然だね。たま~に「ここはタンが暴れてるからこうやってみて」っていうオーダーが兵衛から来ることはあるけど。録る順番は、最初は大体タンで、リズム隊ということで、2番目が俺で、3番目はケインだったり兵衛だったり。
 
――その場で考えて、よく思いつきますね。出てくるままにという感じなのですか。
そうそう。だから、1回聴いて、「ここどうしようかな」というのはあまりないね。昔はあったんだけど、ある時からそういうのが無くなって。何でかと言うと、その場で渡されて、ということが多くなってきたからね。昔はすっごい準備期間とかあったわけよ。だからある程度自分ですごく練りこんでレコーディングに臨むっていうスタイルが多かったんだけど、最近はスピーディーで。「Reset」とかさ、あのへんはすごかったよ、もう、すっごい時間あって(笑)。最近そういうの無いんだよね。だからやっぱり、考えてないからこそ、生々しいものだったりとか、ちょっと変わったことみたいなのが出てきたりするんだけど、そうすると兵衛が結構喜ぶから!例えば一般的に考えられている王道じゃないものが出てきたときに、それが要は「俺の味」なんだけど、そういうのが出てきたときに兵衛が喜ぶから(笑)。だから、なるべく俺もそのときのコンディションとかにもよるかもしれないけれど、何か、こう、「らしい」ものを。それを弾けないとやっぱり俺である意味がないというか。
 
――確かに、それはそうですよね。今日視聴会でベースに注目して聴いていて改めて思ったのですが、ベースによって、雰囲気ってかなり変わりますよね。曲によっても変わるし、ひとつの曲の中でも曲の展開がかなり変わるなという印象があります。
うん、「君に咲くうた」のプロデューサーの笹路さんに、ベースは、ボーカルの次に大事な楽器なんだと言われたことがあって。メロディーの次、つまり、バンドでいうと2番目に大事だって言われたんだよね。それを言われてから意識が変わったかなって。まさにさっき言ってくれたとおりなんだけど、ベースひとつで変わるっていう。それはなぜかっていうと、例えば音の長さが少し違うだけでもすごく変わってくるんだよね。あとは弾いていないところの空白とか。そういうのが、すごい大事になってくるんだよね。そういうことに気付いたのは、皆のスキルが上がってきてからなんだけど。最初はそんなこと知らなかったんだけどさ、俺も。俺はバンドを始めると同時にベースを始めたから、最初は気付かなかったんだけど、そういうことも大事だよなぁっていう。
 
――最初はどう思ってたんですか。
 最初はもう、わかんなかったよ(笑)
 
――最初は誰かが考えてくれていたのですか。
 いや、最初から自分で考えていたんだけど、最初はベースがそんなに大事だということを自覚していなかったというか。「君に咲くうた」のアルバムのときに、「お前、そんな・・・ベースはメロディーの次に大事なんだから!」って言われたわけよ。
 
――確かに、普段、音楽を何気なくボーっと聴いているときは、そんなにベースの存在って意識しないかもしれないですね。でも、ライブで聴くと、ベースって実はバンドの中で一番主役なんじゃないかって思ったりすることもあるし。ベースの音を聴くとライブのワクワク感が増したりもしますしね。
 
「スラップを取り入れて幅が広がった」
 俺は昔、ピック弾きと指弾きだけだったんだけど、最近スラップっていうのを取り入れているのね。それを入れることによって色々変わったかなぁっていうのはあるね。
 
――何をきっかけにスラップを取り入れようと思ったのですか。
 去年の頭くらいに兵衛からデモが来た時に、いきなりそれが入っていて、「入れてくれ」と。打ち込みの機械の音でスラップみたいな音が入っていて、「もしかしてこれスラップ?」って聞いたら「入れてくんねぇか?」って。そっから始まったんだけど(笑)。
 
――じゃあそこから練習したのですか。
 そうそう(笑)、俺が入れたいって言ったわけじゃなくて(笑)。もともと遊び程度ではやってたんだけど、ライブでもそんなにやったことなかったし、作品に入れようとは思っていなかったんだけど、急にそういう風になったもんだから・・・。
 
――何でそうなったのですかね。
 そこはわからない(笑)。何だろうね、いきなり欲しくなったんじゃない?スラップはリズムがすごく出るんでよね。パーカッシブな要素というか、それが急に欲しくなったんじゃないかな。派手さとか、その音が多分欲しくなったんだろうけど。突然に現れたっていう(笑)。ファンの方もあるとき突然、「あれ、和也さん、スラップし始めたな」って思った時があったと思うんだ。
 
――そこからまた幅が広がったということですね。
 幅が広がったね。ライブアレンジとかもスラップを入れることが多くなってきてるよね。「パラダイス」とか、「Greendays」とかもそうだよね。もともと俺はスラッパーではないけれど、やればやったで面白いし、ドラムとの兼ね合いとかも変わってきたりしていて。リズムがすごく出るから、それによって色々と発見もあったし、最初に言ってた細かいっていうのもそうだけど、自分がより細かく体感していないと弾けないから、そういう緊張感は出てきたよね。今回のアルバムだと「let us」に入れてるんだよね。
 
――「HUTCH」では予測不能な動きをしているように思えるのですが。
 「HUTCH」はリズムが変わってるんだよね。小節を跨ぐようなフレーズになっているから、それが予測不能に聴こえるのではないかと。2番では、急に動き出してるんだけど、あれは、デモを聴いたときにその場で出てきたものをやっていて。「HUTCH」はね、複雑な曲だから事前に2回くらい皆でリハーサルに入ったのかな、確か。その時にパッと出てきたものをそのままレコーディングしてるかな、フレーズはね。あれはすごく難しい曲なんだよね。
 
――今回のアルバムは色々な曲が盛りだくさんですよね。「Running Star」のような爽快感溢れる曲もあり、「EZO」はまたほかの曲とは全然違う世界観ですし、「ノンノ」は映画のような曲で。「ノンノ」はTRIPLANEの良さが最高に引き出されている曲のひとつだなと感じたのですが。
 「ノンノ」はTRIPLANEの王道だよね、そんなに変化球もなく、最後に転調しているくらいで。「ノンノ」は歌詞に小説家の小路先生が加わったりしていて。俺も「東京バンドワゴン」ファンだからすごく嬉しいんだよね。
 
――小路先生との出会いは何だったのですか。
 前に動画配信をやっていたときに、その中の企画で同郷ということで小路先生とコラボ企画をやっていたことがあるんだよね。俺はそこから小路先生の小説にどっぷりハマっちゃったんだよね(笑)。かなり読んだよ。
 
「一人でも多くの人に、TRIPLANEの花を咲かせたい。」
――今回のアルバムへの想いを教えてください。
 もうレコーディングが終わってしまったら、もう俺たちはどうすることもできないわけよ、それを伝えるしかないから、あとはもう聴いてくれる皆の思い出になってくれれば良いなって。あとは聴いてくれる人の解釈だからさ、俺らは伝えるだけなので。いつも思うのは、やっぱり、一人でも多くの人に伝われば良いなと。あとは、アルバムっていうくらいだから、その一つ一つの作品は、今の俺たちが投影されているものだからさ、今の俺たちならではの演奏力だったり、表現を感じ取ってもらって、あわよくば気に入ってもらえたら良いなっていう気持ちかな。やっぱり、今じゃなかったら出てこないものとかさ、そういったものが詰まっていると思うから。多分去年だったらできていないと思うし。ファンの人もそういう風に聴いてるかな、と思うけど、どうなんだろう?
 
――はい、先程の視聴会の時にほかのファンの方とも話していたのですが、今回のアルバムは、前回の「Design」のバージョンアップ的な要素もあり、昔からのTRIPLANEの良さみたいな部分もあり、「この部分だけ」というのではなくて、色々な要素が詰まっている作品だなと感じています。
 そうだね。何がTRIPLANEっぽいかっていうのはわからないんだけど、「ノンノ」がTRIPLANEっぽいって言われるように、やっぱりそういうのは残しつつ、新しいことに挑戦したりとか、進化していかなければいけないものだからさ、そういうのを感じ取ってもらえれば良いなと思うんだけど。あとはやっぱり楽しんでもらえないとね、音楽だからさ。俺って、他のアーティストの音楽を聴くときに、歌詞とかももちろん聴くんだけど、リズムが面白いとかさ、演奏が面白いっていうのも俺には結構重要なポイントで、むしろ、俺にとっては9割そうだから、そういうのも感じてもらえると嬉しいなと思うね。
 
――先程、デモの時点で歌詞はないと仰っていましたが、歌詞はいつ入るのですか。
 歌を入れるときじゃない?わからない、俺はその辺はもうノータッチだから(笑)。
 
――じゃあ、本当に歌詞も歌もわからない状態でレコーディングしているのですか。
 うん、全く。だから、どんな歌詞が載ってくるとか、どんなメロディが乗ってくるとか、知らないんだよ(笑)。だからこそ自由だし、難しい反面、それが俺らにとっては当たり前になってるし。自分が出してきたフレーズにどういう風にメロディが絡んでくるんだろうっていう楽しみはあるわけ、逆にね。だから作品が出来上がった時に聴いてみて「こう来たんだ!なるほどね」っていう驚きはあるよね、レコーディングの時点では無いわけだから。だから、俺が録っているときにディスカッションをすごくしているんだけど、その時に兵衛の中である程度あるんだろうね、わからないけど。あまり変なことをすると、違うって言われることもやっぱりあるし。多分あるんだろうけど、その場では形にはなってないからわからないんだよね。
 
――それはTRIPLANE独特のことなのですか。
うん、ほかのアーティストに言ったら「歌詞やメロディが無いなんてあり得ない!」って言われるんだけどね。俺らはそれが当たり前になってるから。逆に創造力とか、曲を聴いたときにキャッチする能力とか、そういうのはもしかしたら、それで培われているのかもしれないね。デモも、1番、2番しかなくて、あとはその場で兵衛がキーボードで作って、それをその場でやるってパターンもあるし。だから全部が無いっていうパターンもあるわけよ。
 
――アルバムのタイトルが「nonno」というタイトルですが、このアルバムを聴いた人の心に、どんなノンノ(花)を咲かせたいですか。
 やっぱり、俺たちの当初掲げた目標には到底今至っていないわけであって、この作品はある意味やっぱり勝負の武器だから、これを聴いた人の心にTRIPLANEが咲かなきゃ意味ないよなっていうのはあるよね。昔から、それこそ10年前から言っている根拠の無い自信っていうのがTRIPLANEにはあるんだけど、やっぱり聴いてもらったら好きになってくれるんじゃないかとか、ライブに来たら気に入ってもらえるんじゃないかっていう、本当に根拠の無い自信があるわけ。それを未だに忘れずに10年間やっているわけであって、だからやっぱり聴いてもらいたいなっていうのはあるよね。でも人それぞれ好き嫌いはあるから、100人が100人というわけではないけど、それでもやっぱり、気に入ってくれる人たちは世の中にまだまだ眠っているんじゃないかなっていう希望は持っているから、一人でも多くの人に、TRIPLANEの花が咲けば良いなという願いはあるよね。
 
――「俺たちの当時掲げた目標」とは?
 昔は何もわからなくて、勢いだけでこの世界に飛び込んだんだけど、やっぱり大きなところでライブをやりたいとかさ、トップアーティストと言われる人たちと肩を並べて「TRIPLANEと言えばこうだよね」って言われるくらい、皆が知っているような大きなバンドになりたいなっていうのが目標だったから。そこにはまだ到底至ってないからさ。
 
――「ここでライブをしたい!」というところはあるのですか。
 それこそ大きなことを言えばドームだけど、武道館とかもまだ全然できてないし。10年目にして夢ごと言っているのもどうかと思うんだけど、そこはやっぱり、その意識が無くなっちゃったら、回遊魚じゃないけど、止まったら終わりだからね。
 
――このアルバムの中でこだわっているところはありますか。
 もちろん全曲こだわっているんだけど、音の長さだとか。最近は数えながら弾いているってこともあるわけよ。そういう風にしないと見失っちゃうくらい細かくなってきていたりするから。数えられるということは体感しているということだから。昔はそういうことを考えていなかったんだけど、曲が難しくなってきて、レベルアップしてきたから、そういうことが自然に身についてきたというか。自分で口で歌えなかったらもちろん弾けないから、リズムをとって自分でまず歌えるかとか、そういうのを細かくチェックしていることが最近は多いかな。さっき言った「HUTCH」とかも、一瞬でも見失うと訳わかんなくなっちゃうから。「let us」とかもそうだね、細かいから。あとは、音を発音して、切れぎわもこだわっているし、弾いていない空白の長さとかもすごく大事なわけ。そういうところにこだわっている。こだわっているというか、こだわらざるを得なくなったというか。でもそれは多分、ベースを意識して聴いていない人にも、体感で伝わっているものだと思うから。そういうのがすごく大事になってきてると思うんだよね。そういう風に「ここで止めてるんだ」とか「伸ばしてるんだ」とか聴くとまた面白いと思うよ。切れぎわとか長さっていうのも、その人の個性につながってくるんじゃないかと思うし。「アングル」のAメロとかも、そういう風に聴いたらきっと面白いと思うよ。本当に、ビックリするくらい変わるから。切れぎわとか長さで。今度は切れぎわとか長さに注意して聴いてみて!そうしたらより細かく色々なものが見えてくるから!
 
――ライブで弾いていて楽しい時はどんな時ですか。
 俺一人で弾いているわけじゃないから、皆の意志がまとまって、TRIPANEがひとつの塊になっている時が一番楽しいかな。楽しいというか、やっぱり熱が入るというか。皆の気持ちが合っている時っていうのは、音圧や迫力も多分違うと思うんだよね。それはやっぱり機械ではなく人間にしかできないことなのだろうけど。俺は割と分かり易い人間なんだけど、バンドが良い状態じゃないと自分もテンション上がらないし、お客さんも多分つまらないと思うし。やっぱり皆が良い状態の時にライブって成功するんじゃないかなって思うし。あとは複雑なところが成功した時に「よっしゃ!」っていうのはあるよね(笑)。
 
――ライブの時に「ここを聴いてほしい!」というところはありますか。
 ライブでもほぼCDどおりに弾いてるんだけど、ライブアレンジしてるところもあるわけ、もう既に。発売日前なんだけど。そういうのも「ライブではこういうことやるんだなぁ」って聴いて欲しいね。あと、こだわりがあって、普通ベースは座って録るものであって、俺も座って録るんだけど、ライブでは立つからもっと下の位置で弾いているわけ。で、この差っていうのがものすごいデカいわけよ。教則本とかには必ず座った位置でそのまま立てっていうことが書いてあって、最近の若い子たちは皆位置が高いと思うんだけど、俺は何か高いのが嫌で。何か「見た目」的にね、ただそれだけなんだけど、そこのこだわりが強いんだよね。だからそれによって障害が半端ないんだけど。さっき言ったスラップとかも、座ってるときは手を上に向けてやってるんだけど、ライブの時は下に向けてやっているから、ライブで見たら、「あ!」って思うと思うよ。変えてるんだよね。全然違うよ。兵衛には「曲ももう難しくなってきてるから、お前もう上げた方がいいんじゃない?」って言われたんだけど、敢えて挑戦してるって感じだね、低い位置で。「難しいからって上げねーぞ!」っていうこだわりね。そういう風に見たら面白いと思うよ!座ってやるアコースティックのときと弾き方がまた違うから。これは俺のこだわり。この弾き方を変えるために、すごい鍛錬したね。かなり大変だった。
 
――ライブアレンジしているところはどこなのですか。
 例えば、「アングル」の2番のAメロとかは確か、オートワウを使ってやってるんだけど、ライブではそこはスラップになってるから。そっちの方がね、やって面白かったんだよね、タンとの兼ね合いが。
 
――じゃあ何でレコーディングのときはそうしなかったのですか。
 実はレコーディングのときもやっていて、どっちも録って兵衛に「選んで」って言ったらオートワウの方になってたんだけど。「これはライブだったらこっちだべ!」ってことでスラップにしちゃったんだよね。そしたらドラムとの兼ね合いというか絡みが結構面白くて、まだライブでは1回しかやってないんだけどね、「ニューアルバム、聴かせまSHOW」の時しかやってないんだけど、そこは変えているかな。これからもしかしたら変わってくるところもあるかもしれないけど。そういうのもライブならではだよね。良く聴いてくれてる人だったら「ここスラップになってる~!」とか、そういう発見もあるし。そういうのも楽しんでもらえれば。
 
「10年間の全部が思い出。生死を彷徨ったことも!」
――ライブ前に必ずやることは?
 決まってやることは特にない。必ずベースに触れてるくらいかな。
 
――ライブ前にどのようなことを考えているのですか?
 そんなに深く気難しくは考えてないなー。「ここはこういう風に決めよう」とか、そういうのはライブ前に事前にチェックするから。そのくらいかも。
 
――緊張を和らげる方法は?
 深呼吸する(笑)。
 
――ストレス解消法は?
 「これやったらスカっとするー!」っていうのはないかなぁ。空き時間とか移動時間とかに、常にゲームはやってるけど、もしかしたら、それが解消法なのかもしれない。それがきっかけでこの前テレビに出られて、実を結んでるわけだから、有難いっちゃ有難いね。
 
――カレー好きで知られる和也さんですが、何カレーが好きですか?
 旨ければ何でも好き!
 
――好きな映画は?
 「ショーシャンクの空に」。これ、観た方が良いよ。めちゃくちゃ面白いから。脱獄の話なんだけど、これはねー、名作だと思うよ。観た方が良い。
 
――好きな本は?
 小路先生の本はもちろん好きだし、マンガとかもたくさん好きだからね。「バガボンド」とか「はじめの一歩」とか、好きなのはたくさんある。
 
――影響を受けたアーティストや尊敬する先輩は?
 尊敬している人は、亀田誠治さんかな。あの方はやっぱりすごいよね。
 
――10年やってきた中で1番の思い出や印象に残っていることは?
 えー!10年で1番の思い出って特に無いな~。全部が思い出じゃない!?最近で言えば、モンハンでテレビに出られたことはインパクトはあるけどね。
 
――今だから言える○○な話を教えてください。
 「アイコトバ」か何かの撮影の前々日に俺が飲み過ぎて、救急車で運ばれたっていう事件があって(笑)。怪我したんだよね。で、頭を縫ったっていう事件があって(笑)。居酒屋でバイトをしてたんだけど、バイト終わりに皆で飲んでて、気付いたらベッドの上だったっていう。そのお店、更衣室が地下にあって、その坂がすごく急だったのね。で、酔っぱらって記憶も飛び飛びだったんだけど、ジャンケン一気みたいな感じで勝負をしていて、途中で意識が飛んで、何となく一瞬、更衣室に行く坂で落下したときのことは覚えてるんだけど、その後もう記憶は無くて、意識不明だったっていう。生死を彷徨ったっていうことがあったんだよね。本当に意識レベルが低くなって、これ以上下がったらヤバいってところまで行ったんだよ。それで撮影を飛ばしちゃってめちゃくちゃ怒られたっていう(笑)。撮影は俺が回復するまで待ってたからね、しばらく入院したから。起きたら髪の毛が血で全部立ってたんだよね。なかなかないよね、意識不明になったっていう体験は。
 
――最後に応援しているファンへのメッセージをお願いします。
 10年間応援してくれている人もいるし、最近になってから応援してくれている人もいると思うけど、俺たちは突き進んで行くんで、応援の程よろしくお願いします。皆が楽しんでもらえるようなことを色々と考えていくから!
 
 
★インタビューを終えて★
 いつもファンへのサービス精神旺盛の和也さん☆インタビューの時も、一つ一つの質問に、とても誠実に答えてくださり、和也さんの温かいお人柄を改めて垣間見ることができました。
今後もより一層和也さんの「俺の味」に注目していきたいと思います。そして、音の長さや切れぎわ、CDとライブとの違い、また、アコースティックライブの時の弾き方の違いなどにも注目していきたいです。
それにしても、生死を彷徨っていたなんて…。本当に、くれぐれもお体を大切になさってくださいね。
「TRIPLANEらしさ」を残しつつ、進化し続ける「今」のTRIPLANEを感じることができるこの作品。本当に、TRIPLANEの魅力がギュっと詰まったこの作品を手に入れる日がとても楽しみでたまりません。視聴会とインタビューを通してこの想いがより一層強いものになりました。この企画を考え、貴重な機会を与えてくださったメンバーの皆さま・スタッフの皆さま、そして、この記事を読んでくださっている皆さま、そしてそして・・・私の拙いインタビューにも、とても優しく、分かり易く答えてくださった和也さん!本当にありがとうございました。
「nonno」という作品が、たくさんの人の手に届き、そして一人でも多くの人の心にTRIPLANEの花が咲きますように。
 
 
【インタビュー】
会員番号422 新井 智子さん
 
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