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【DJ BLUEって何者?!】懐かしのJ-POPが新時代のカルチャーに!DJ BLUE × DJ KOO「青春J-POP」プロジェクト スペシャル対談。

2019.12.11
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インタビュー


今30代、40代以上の方は、「J-POP」という言葉を聞くと何を思い浮かべますか? 90年代、2000年代のヒット曲のフレーズが出てきたり、そこから自動的に当時いた場所、仲がよかった人、通っていた学校や職場……などを思い浮かべるかもしれません。そういった楽曲を集めてコンピレーションCDを制作したり、イベントを開催したりする「青春J-POP」というプロジェクトが立ち上がっています。これはどんなもので、何を目指しているんでしょう? プロジェクトのリーダーであるDJ BLUEさんと、トップ・アンバサダーのDJ KOOさんにお話を伺いました!



──まずDJ BLUEさん、「青春J-POPプロジェクト」というのは何なんでしょう?

DJ BLUE そもそも「青春J-POP」とは何かというと、人によって、年齢によって違うとは思いますが、今の大人世代が、80年代、90年代、2000年代、学生時代とか青春時代に聴いていた音楽を、街で何気なくかかって「あっ、懐かしいな!」と感じた瞬間にその頃の自分のこと、友達のこと、好きな人のことだったりを思い出したりしますよね。それは誰にでもあるものですが、青春時代に聴いていた音楽には力があるんだなと。それを「青春J-POP」と呼んでるんですが、多くの人にとっては年に1回とか2回聴けばいいという感じだと思うんです。でも、そんな人生の宝物を堀り起こす魔法の音楽みたいな素敵なものなんだったら、もっと多くの機会に生活動線上で青春J-POPを味わえるように、イベントをやったりCDを出したりしようと。イベントにしてもディスコでやったりクラブでやったりショッピングセンターやスーパー銭湯でやったりと、いろんな大人の生活動線の中にそういうものを体感させていこうと。それが「青春J-POPプロジェクト」で、自分がそのリーダーということなんです。

──なるほど。


DJ BLUE 「DJ BLUE」というのはこういうアイコンのキャラクターです。実際に言葉にして伝えていく役目は、私が「DJ BLUE 01」と名乗って活動しております。私はもともとJ-POPの仕事をいろいろとやってきておりまして、TRFさんやDJ KOOさん周りの仕事もずっとやっていたし、見てもいたんです。また、いつもTRFさんやDJ KOOさんがイベントやライブで90年代の自分たちの曲をやるのをずっと見ていて、それにすごく刺激を受けて今に至るという感じです。
 


DJ KOO DJ BLUEさんはこれから「青春J-POP」という新しいシーンを作っていくDJ、という存在ですよね。

──このプロジェクトを立ち上げたきっかけというのは?

DJ BLUE もともと自分も次々と出てくる新しいJ-POPの仕事をしながらも、実際のプライベートでは基本的に自分が青春時代に通ってきた80年代、90年代のJ-POPを聴くのが大好きで、学生時の友達が集まれば、毎度そういう曲を皆で聴いたり、歌ったりしながら、学生時代のいろんなことを思い出して盛り上がったりしてたんですね。また、そういう音楽が流れるようなお店も大好きでよく行ってたりもしてきた中で、青春時代に聴いた音楽の強さをいつも感じていたんですよね。で更に背中を押してくれたのは、TRFさんやDJ KOOさんの仕事をするようになって、たくさん現場を見てきた中で感じたことが強く。TRFさんのイベントライブでやる曲は「EZ DO DANCE」しかり「survival dAnce ~no no cry more~」しかり、デビューされた頃の90年代の曲が多く、オンタイムでは40代~50代くらいの方達の聴いていた音楽だと思いますが、例えば企業のパーティーイベントなんかでも、そこの20代の新入社員から60代の社長さんまで、年齢性別関係なく、その企業が一体になって盛り上がるんですよ。僕もスタッフとしてそこにいながら、自分も毎回歌って踊って楽しむというのが続いていまして、やっぱり力のある音楽というのは、それを青春時代に聴いていた人たちはもちろん、時代を超えてもっと幅広い人たちにとっても素晴らしいものなんだなと。なのでそんなことも含めて、その時代の音楽をもう一回広げていこうと思ったのがきっかけですね。


 

DJ KOO TRFも今年で27年目になるんですが、僕個人としてはかれこれ40年ほどDJとして活動しています。その中で日本のダンスミュージックが「J-POP」という言葉で認識されるようになったのもTRFをはじめとした小室サウンドがきっかけだし、僕もいまだにそれをフロアやイベントでかけてるんですが、やっぱりいつになっても色あせないんですよ。すごくスタンダードになってきてるし、40年間DJをやってきている中で、もっと踊れるJ-POPってあったんですよ。いろんなものが一緒くたにされがちな中で、そういうものをもっと前面に出していきたいなと。そこには僕らの90年代の曲もいっぱいあるし、globeであるとか、SPEEDとか、いろんなグループがあるじゃないですか。また最近で言うと西城秀樹さんだとか荻野目洋子さんだとかの昔の曲でみんなが踊ってるっていうシーンが、いろんなところにあるんですよ。僕はその全部のシーンをリアルタイムで経験してきているので、それをDJとして選曲して、お客さんたちに楽しんでもらう、もっと新しい世代の人たちにそれを広げていく、そういう形でこのプロジェクトのアンバサダーという役割を引き受けさせていただくことになりました。

──実際にいろんな曲でいろんな世代の人たちが盛り上がるのを目の当たりにしてきたわけですよね。

DJ KOO そうですね。どうしてもDJっていうと洋楽が主体なんですが、そのダンスシーンの中でプレイされてきたJ-POPサウンドはやっぱり、万人受けするんですよ。だからクラブやディスコに行ってる人たちだけではなく、本当にそういう場所に縁がなかったという人にとっても、気持ちが踊る楽曲なんです。それを僕は知ってるんですよ。なのでこのプロジェクトでは、改めて選曲だったりイベントだったりという部分は僕がやらなきゃダメだなという気持ちですね。

DJ BLUE ディスコイベントの中でも、なんやかんやで一番盛り上がるのって、やっぱりオドレルJ-POPですもんね。またKOOさんがJ-POPをかける、そのタイミングが、イベント全体の山になるんですよね。J-POPってやっぱりすごいし、みんな知ってるし、みんな歌えるし。私は今、DJ BLUEは今 大江戸温泉物語でDJイベントをやっていて、子供から学生さん、お父さんお母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そして外国から来た方達もたくさんいるあの場でオドレル青春J-POPは圧倒的に強いです。それだけの力があるんですよ。そう思ってるDJやアーティストやメディアの方達は全国にたくさんいるのですが、点在していて、そこにプロジェクトという形で、賛同するみんなが集まり、一緒になって盛り上げていくということが大切で、更にそのトップにKOOさんが立ってくださったら、「懐かしいんだけど新しい」というシーンが、そしてカルチャーが出来上がるだろうと思って、ぜひお願いしますと依頼させていただきました。

──となると、このプロジェクトのターゲットは基本は30代40代50代くらいの大人層だけど、広義においては、その前後の幅広い年代層も含めてということになるわけですね。

DJ KOO そうですね。最近はいろんなバラエティ番組なんかにも出させてもらってるんですが、その現場に行くとディレクターなんかに「いやあ、僕、モロに世代なんですよ!」と言われることがすごく多いんです。そういう方たちが今エネルギーを持っているし、逆に彼らのアウトプットによって初めて聴く若い世代もいる。その全てをターゲットにできるだけの威力があると思うんですよ。あと個人的には、海外も視野に入ってますね。
僕はここ数年、J-POPで盆踊りをするDJもやってるんですよ。J-POPに盆踊りの振り付けをすると、外国人の方がすごく喜んでくれるんですね。それで「J-POP BON DANCE」という形で台湾でやったり、フランスのJAPAN EXPOに行ったり、あとアフリカでもやったりしてるんです。

DJ KOO × 孝藤右近(Ukon Takafuji)- UKOON 伝統と革新の軌跡「Tokyo Bon Dance Fest ~ Electric Samurai Revolution」


──アフリカ!

DJ KOO アフリカの人たちもすぐに受け入れてくれて、すごく盛り上がってくれたんですよ! 僕たちが愛してきたJ-POPを、言葉が分からなくても受け入れてくれる。僕ら音楽をやってる者にとっては、海外というのはずっとコンプレックスだったんです。どうやって海外に進出するかで、ずっと頭を悩ませてきました。でもこの青春J-POP、そして特にオドレルJ-POPだったら、どこの国でもすごくウェルカムで盛り上がってくれるというのを目の当たりにしてきたので、そういう部分でも日本に留まらず、これから世界に広がっていけるんじゃないかなと思ってます。

──日本で生まれたJ-POPでアフリカの人たちが踊るというのは、感慨もひとしおですよね。

DJ KOO はい。日本人が大好きなメロディやリズムで、20年、30年と聴かれ続けてるものというのは、アメリカで言うモータウンだったりフィラデルフィア・サウンドみたいな、スタンダードになってるわけですよね。そこには自信を持って、「あ、これは受け入れてもらえるんだ」というのを実感しましたね。

DJ BLUE リアルタイムでの受け入れられ方とは、またかなり変わってきてますよね。

DJ KOO そうなんですよ。あの頃の日本の音楽、特にダンスミュージックって、海外中心でしたからね。TRFにしてもUKのものをモチーフにしてきましたが、今やそれがスタンダードになって、海外に逆発信している気がします。そこが面白いですよね。



「オドレルJ-POP」をキーワードに、レジェンドも集結!?

 

DJ BLUE 「J-POP」という概念はすごく広くて、その中に「青春J-POP」があって、さらにその中でも今KOOさんと話しているのは、「オドレルJ-POP」というカテゴリーもあるなと。先ほども出た「EZ DO DANCE」や「survival dAnce ~no no cry more~」といった曲で、それこそどこのディスコやクラブでも「♪EZ DO DANCE Whoo!」って、「どこで覚えたんだろう?」ってぐらいにみんな同じ盛り上がり方をするんですよね。あと西城秀樹さんの「ヤングマン」も、何でこんなに大人から子供までみんな知ってるんだろうってぐらいにみんな踊れるんですね。もともとは「ヤングマン」にしても洋楽のカバーですけど、「歌って踊れる曲」というのは日本国民はみんな大好きなんだなと。それこそピンクレディーさんや山本リンダさんなんかも含めて、僕は小学生の時にそれを体感しました。KOOさんはラガーマンからDJになって、僕はそれをディスコのお客さんとして見ていたんですね。そのうちそれが仕事になったんですが、今だってDA PUMPさんの「USA」を大人から子供までが踊っていたり、今年も「パプリカ」が大人気になりましたよね。そういうのを見ても、やっぱり「オドレルJ-POP」というのが、日本の中でも海外に向けても、力を持ってるなと思うんですよ。そこにスポットライトを当てることで、このプロジェクト自体が強力に進んでいくんじゃないかなと思います。

DJ KOO その中で90年代が日本のダンスミュージックの幕開けとして、そこから始まったものも多いですよね。そしてそれ以前を見ても、YMOであったり山下達郎さんであったり、ダンスミュージックの基盤になったものが多くあって、そこもまた面白いんですよね。あと今回のプロジェクトでは、僕はDJという形で先頭に立っていますが、「ダンスミュージック」という言葉にこだわっているんです。それはなぜかというと、クラブやフェスで踊ることというのは、TVで見たり部屋で聴くということとは大きく違って、そのお客さんが主役なんです。DJの選曲ももちろん大事なんですが、それによって歌ったり踊ったりするという体感が大事で、だから海外に行っても海外のお客さんが主役になると。そこで歌って踊って盛り上がれるということが、やっぱりすごく大事なんだなと思いましたね。

──だからこそ、「青春J-POP」プロジェクトはCDをリリースするだけではなく、イベントも含めたものになっているんですね。

DJ KOO そうですね。そこを体感してもらうのは大事だと思います。2次元的な音楽体験が、3次元的なものになりますから。それで言うと、アニソンのクラブイベント、音ゲーのフェスといったところでも3次元体験はすでにすごく盛り上がってるじゃないですか。そういった意味でも、J-POP、ダンスミュージックの3次元体験をお客さんが主役となってやれたら面白いなと思ってます。

DJ BLUE 今は僕が大江戸温泉物語やマハラジャでDJイベントをやっていますが、来年からは「オドレルJ-POP」をもっと加速させようと思っていて、KOOさんにはその頂点に立っていただく予定です。KOOさんをトップにしたDJフェスだったり、そこにアーティストがゲストで入ってくるようなイベントを、今KOOさんとお話しさせていただきながら計画させていただいてます。その前段にはそれと紐付くようなCDもあって、そこからイベントという世界観を作っていければなと。家や車の中ではCDで聴いて、イベントでそれを体感する、それを全部セットにして、やっていきたいなと思ってます。



DJ KOO そいうイベントでは、レジェンドの人たちにサプライズ的にDJで登場してもらえればと思ってるんですよ。例えば小林克也さんであったり、YMOの細野晴臣さんだったり。

DJ BLUE いいですねえ~!

DJ KOO ミュージシャンとして実績のある方々がブースでDJをやる。これ、カッコよくないですか?

──それはぜひ見てみたいです!

DJ KOO 中田ヤスタカ君にPerfumeをかけてもらってもいいし。DJプレイをやってみたいという興味を持っている人もたくさんいるし、そういう人たちにも向けていろんな人をシーンに巻き込んでいければなと思いますね。

──そうなるとJ-POPのみならず、日本の音楽シーンそのものを俯瞰するような形になりますね。

DJ KOO そうなんですよ! お客さんが主役なんだけど、そこにサプライズDJみたいな形で日本の音楽シーンで活躍してきた人たちにDJを一緒にやってもらうというのは、僕自身すごく楽しみですね。

DJ BLUE その方たちがバッと並んで写真を撮ったら、すごくいい画になりますよね! KOOさんが真ん中にいて、小林克也さん、細野晴臣さん、中田ヤスタカさん……その端っこにDJ BLUEもいさせてもらえたら、このプロジェクトを立ち上げた甲斐もあったかなと(笑)。それはともかく、誰かがこういうことを模索していかないと、あるようでないシーンだし、同じようなことを考えている人を集めていくことが大事なのかなと。



「踊り継がれる」べきJ-POPの曲たちで、様々な人々と盛り上がりたい!


──単に「懐メロ」と思われるだけでなく、そんなことはない、これだけのパワーがあるんだ、ということを改めて示すということでもありますよね。

DJ KOO その通りですね。実際に僕がDJで体験してきて、懐古的な懐メロ・シーンじゃないなと。これからどんどん大きくなってハッピーになっていく、一つのシーンだなと実感してますから。「懐メロ」になると酒を飲みながらとか、「聴く」ということが主眼になってくるかと思うんですけど、今回の「青春J-POP」は「踊って盛り上がる」という感覚ですから。もう新しいフェス・イベントですよね。

DJ BLUE しかも、歌えますからね。洋楽にも歌える曲はありますが、J-POPはみんな歌って踊れますから。90年代にカラオケボックスが流行して以来、今やカラオケは一大カルチャーになってますが、J-POPの原盤をDJがプレイして大勢に聴かせるというのは、カラオケとはまた違う楽しみに絶対なるなと思うんですよ。カラオケがカルチャーなりシーンになるにもいろんな経緯があったと思いますが、オドレルJ-POPもある程度の時間をかけて、日本のみんなが楽しめるようなカルチャーにしていきたいなと思っています。

DJ KOO 僕自身、J-POPのプレイヤーでもありますが、たくさんの人がJ-POPで盛り上がっているシーンにすごく刺激を受けていますからね。特に新宿二丁目がすごいんですよ!

 

──えっ、そうなんですか?

DJ KOO 二丁目ではしょっちゅうDJイベントが行われていて、「小室縛り」だったり「●●縛り」という形でやってるんですね。僕も数年前までは毎年クリスマスには二丁目でDJイベントをやってましたし、地域的にすごく音楽好きで、僕自身がすごく影響を受けました。

──KOOさんの場合、ご自身がアーティストとしてステージに立たれていて、その楽曲をDJとして、また新たな世代も含め楽しんでいるところを見られているわけですが、それはどんな気持ちですか?

DJ KOO それはもう、新しいシーンで新鮮な感覚ですよ。DJのいいところって、自分の曲じゃなくても、自分で演奏してなくても、いろんな人の曲をチョイスしてかけられるところなんですよね。楽曲のよさも改めて分かるし、かけていても気持ちいいし、例えば「紅白歌合戦」はいろんな人が出てきて歌うわけですけど、DJの場合は自分一人の選曲によって「紅白歌合戦」みたいなことができるわけですよ。そこが面白いんですよ! 「最初はTRFで始めて、次はglobeに行って……途中にEAST END × YURIが入ってヒップホップになって、『ガッツだぜ!』でいきなり盛り上げよう」とか選曲していったら、楽しくてしょうがないんですよ!

──まさにいろんな方向に広がっていきそうですね。

DJ BLUE 今はスタートしたばかりですからね。ここからプロジェクト全体がどんな風に広がっていくかという点で、KOOさんにトップ・アンバサダーとして引っ張っていただいて。それから例えば先ほど話に出た二丁目だって、ずーっとJ-POPをやってきたDJたちがたっくさんいるんです。そういう人たちが点在していて、でもあまり知られていなかったりするので、KOOさんをトップにそういう世に出ていないDJたちをたくさん集めてやっていくと、必然的にシーンが広がって盛り上がっていくかなと。今はプロジェクトのオフィシャルサイトを立ち上げて、アンバサダーとサポーターという存在がいてですね、このプロジェクトの話をした時に「一緒に盛り上げたいよね」って言ってくれた人は全員入っていただいてるんですよ。それがこれからどんどん広がっていくはずで、DJだったりアーティストだったりメディアだったり企業だったりがさらに加わってくれると思います。そうやってプロジェクト自体が大きくなっていくといいなというところですね。

DJ KOO そうなってくると、DJの一ジャンルからカルチャーになっていきますよね。Jーカルチャーですよ。アニメだって、最初はそんなムーブメントではなかったのが、今や立派な文化になってますよね。それと似たような展開になってくると思うんですよね。アニメの作品や音ゲーと同じように数はたくさんあるし、クォリティもあるわけだし、それぞれのジャンル、それぞれの時代で愛され続けているものがある。その部分の整合性って、そういったシーンに似たところはありますよね。

──さらにKOOさんの場合は実際に作ってこられた方でもあるわけで、そういう方がトップにいるというのはまた面白いですね。

DJ KOO そうなんです。この前も「THE IDOLM@STER」っていうゲームのイベントで、ナゴヤドームでDJをやったんですね。ゲームという2次元の世界で演じている声優さんたちがライブをやるんですが、それに2日間で9万人とか動員して客席が埋まるわけですよ。そこに実際にTRFがいるわけじゃないけど、僕がDJをすることで3次元的な楽しみも存分にできるわけです。そういう意味でも、3次元で楽しめる要素はいっぱいありますよ。



──時代も空間もクロスオーバーするわけですね。それがどう展開されるのかが興味深いところです。

DJ BLUE そこをまさにKOOさんと話していて、来年の春に向けて「オドレルJ-POP」を主役にしたCDとイベントをまず計画しています。2020年はこれをどこまで広げられるか、形にできるか。そこに、先ほどKOOさんが言われていたようなレジェンドDJがどこまで参加してくれるか、また若いDJもどこまで入ってきてくれるか。CDに収録する楽曲にしても、各レーベルがどこまで賛同して協力してくれるか。チャレンジではあるんですけど、ちゃんとみんなでコミュニケーションを取って話していくと、いろんな人が「そういうシーンを作りたいよね」って言ってくれるような場になりそうだという気はしています。その中でKOOさんは「DJ KOO」であり「TRFのリーダー」であり、なおかつ「青春J-POP P rojectのトップアンバサダー」であるという三重にも強い要素をお持ちなので、KOOさんを中心にいろんな方が入ってきて曲も揃っていくと、すごく面白くなるんじゃないかなと思ってますね。

DJ KOO さらにね、90年代にJ-POPを聴いて青春時代を送っていた人たちが、今は親になって、子供たちに聴かせたりしているわけですよ。それがまた面白いんですよ! 僕がクラブの現場に行くと、若い子が「すみません、一緒に写真撮ってください」って来るんですよ。一緒に撮ったら、「お母さんに送ります。喜びます!」って(笑)。そんな現象が当たり前にたくさんあるんですが、それって何かいいですよね!

DJ BLUE 確かに!

DJ KOO 当時はTKサウンドとかダンスミュージックって「新しいもの」というイメージでしたけど、それが今はお母さんが子供と一緒に楽しめるものになっているということで、親子のコミュニケーションとしてもいいきっかけじゃないですか。しかも、子供の代が聴いても古臭いとは感じないっていう。そこが日本のモータウンみたいな感じなんじゃないですかね。ダイアナ・ロスとかマーヴィン・ゲイといった人たちのサウンドはいまだにスタンダードとして歌い継がれてますよね。そういう部分では90年代のサウンドが踊り継がれていくのはいいんじゃないかと思いますね。

 

──「踊り継がれる」というのはいい言葉ですね! イベントなどで、こういうことを実現したい!というものはありますか?

DJ KOO 「ULTRA Japan」とか、そういうフェスが今、盛り上がってるじゃないですか。そういったイベントにはいろんなエリアがあると思うんですけど、その中に「J-POPエリア」ができて盛り上がれるようになるといいですよね。そこに海外のお客さんも来てくれるみたいな。

DJ BLUE 「青春J-POP」ということで80年代、90年代って言ってますけど、かたや洋楽ではディスコ・クラシックスだったり、ユーロビートやハイエナジーといったジャンルが今また盛り上がってるんですよね。最終的にはそこも織り交ぜて、80年代、90年代という括りでもっと大きなイベントをやるとか、いろんなものとくっつけることによってまた大きく広がっていけるんじゃないかなと。そういうイメージを持ちながら、今は「青春J-POP」で固めていくという段階ですね。

DJ KOO あと夢レベルで言うと、“聖地”になるようなディスコが一つあると面白いですよね。アニメだったら秋葉原が聖地じゃないですか。昔だったらヴェルファーレやジュリアナという聖地がありましたけど、そういう聖地ができたらいいですよね。

DJ BLUE それはいいですね!


──それは想像するだけでも楽しそうですね!

DJ KOO 今回の「青春J-POP」プロジェクトは、令和という新しい時代の新しいJーカルチャーとして、みんなが楽しめる、皆さんが主役の楽しい音楽プロジェクトでありイベントですからね。ぜひとも一緒に楽しみましょう! そして健康第一ですから!



大ヒット曲から隠れた名曲までを収めた「センチメンタルデイズ」


『センチメンタルデイズ ~アノ頃、夕暮れ、帰り道~』 mixed by DJ BLUE
2019.12.04 RELEASE  AQCD-77437  ¥2,200(tax in)
──さて、ここからはDJ BLUEさんに「青春J-POP」プロジェクトの最新CDである「センチメンタルデイズ」と12月17日のイベントについてお聞きしたいと思います。

DJ BLUE 今、90年代、2000年代のJ-POPコンピレーションアルバムは軒並み好調で、各社からリリースされているんです。その中で今回は「センチメンタル」というキーワードで、ミディアムバラード中心に選曲しています。また、この頃の曲の中には、数字的にはそこまで大ヒットというわけではなくても、本当に根強い人気がある「名曲」というのがけっこうあるんですよ。そういう曲も、この中には入っています。

センチメンタルデイズ ~アノ頃、夕暮れ、帰り道~


──例えばどういった曲ですか?

DJ BLUE キリンジさんの「エイリアンズ」なんかは、2000年のリリース当時には一般的な大ヒットはしてないんですけど、業界では本当に評判がよくて、FMでかかりまくってたんですよ。今聴いてもすごくいい曲ですからね。玉置浩二さんの「メロディー」も大ヒットした「田園」の影に隠れて、タイミング的な部分で大ヒットにはならなかったんですけど、これもメチャクチャいい曲で。そういった曲にスポットを当てて選曲をした部分はありますね。

──アルバムのサブタイトルが「アノ頃、夕暮れ、帰り道」となっていますね。

DJ BLUE 青春時代、夕暮れに学校から一人ポツンと帰った経験って誰でもあると思うんですよ。そういう時に頭の中で鳴ってた音楽というイメージですね。情景が浮かぶようなサブタイトルで、「あー、そういうことあったよな……」と共感して聴いてもらえれば。そこに田中みな実さんの「泣き」のジャケットが加わって、いい組み合わせにできたかなと思っています。

──で、12月17日には「歌謡曲DISCO × 青春J-POP DISCO」というイベントが開催されますね。

DJ BLUE マハラジャという、80年代バブル時代を象徴するディスコの聖地があったんですが、これが9年前に六本木に復活していまして。実はそこで、「歌謡曲DISCO」というのが今年の夏から行われていたんですね。そちらは基本的に昭和の歌謡曲なんですけど、そこに90年代、2000年代のJ-POPを加えて一緒にやれば広がるんじゃないかということで実現したイベントです。DJ Jannyさん、DJ ZU-KAさんというのはマハラジャのDJで、そこに僕と、ゆけむりDJsという、さっきの話でも出た二丁目からずっとJ-POP押しでやってきているDJチームが加わってコラボレーションしてやってみたら楽しいかな、というチャレンジですね。

──チャレンジですか。

DJ BLUE 火曜の夜ということもあって、「やってみて楽しかったら広げようよ」という部分もあります。広がっていけば、金曜の夜開催を次の目標にして。歌謡曲DISCOはみんなサイリウムの代わりにマイクを借りて、それを持って踊るんですよ。青春J-POPはサイリウムですけどね。

──イベントによってアイテムの違いもあるわけですね。

DJ BLUE 僕がやっている大江戸温泉物語のイベントはウチワですからね。J-POPのアーティストやアイドルのライブの感じで、みんなでウチワを振るんです。すごく盛り上がるんですよ! もともと洋楽のディスコでは何も持たずにただ体を動かして踊りますけど、何かのアイテムを使って盛り上がり方が分かると、慣れない人でも恥ずかしくないし、一体感が感じられていいんですよ。

──なるほど(笑)。

DJ BLUE マハラジャでは今年9周年イベントがあって、そこにKOOさんもゲストで出演されてたんですけど、やっぱりKOOさんがJ-POPをかけると一番盛り上がるんですよ! 昔、マハラジャが六本木に移った頃は洋楽が中心で「J-POPで踊るのはちょっと恥ずかしい」という時代もあったんですが、そんな青春期を過ごしてきた大人達は今、洋楽もJ-POPもどっちも通過して、両方好きという人が多いですから。そこの盛り上がりを作っていって、来年あたりにはマハラジャでもKOOさん中心のイベントが組めたらなと思っています。


 
 
撮影 長谷英史

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☆イベント情報
12/17(火)「歌謡曲DISCO」×「青春J-POP DISCO」コラボイベント
マハラジャ六本木 19:00~

12/29(日)「青春J-POP PARTY organized by DJBLUE」
大江戸温泉物語(東京お台場) 14:00~ / 17:00~
高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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