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Q'ulle(キュール)ツアーファイナルまで完走! 2019年のテーマは「完全なる飛躍」「頂点」「赤道」? ニューアルバム発売直前インタビュー

2019.01.09
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ニコニコ動画から「踊ってみた」というムーブメントを生み出した5人のロックダンスユニット・Q'ulle(キュール)。力強いボーカルにラップにデスボイスが入り乱れ、時に激しく、時に繊細なダンスを見せつける5人のステージはデビュー以来熱狂的なファンを増やしてきた。
2018年の後半は年明けのセカンドアルバム『我夢者羅』発売を控えたツアーを敢行。そして12月30日にツアーファイナル川崎CLUB CITTA’公演が開催された。この公演は以前よりソールドアウトを目標としており、メンバーたちの熱い気持ちに応えようとファンも会場に駆けつけた。まずはそのライブレポートをお届けしよう。



開演直前の川崎CLUB CITTA’内には、ツアーTシャツ姿の臨戦態勢のファンがぎっしり。暗転してオープニングSEがかかるとともに、これから闘いに挑むかのような昂ぶった歓声があがる。激しいギター前奏とともに始まった1曲目は「EMOTION」、今回のツアーを通して歌ってきたJ-ROCKチューンだ。



いきなり会場の空気をピークにブチ上げるパフォーマンスに加え、ゆずきが「チッタ! 悔い残すなよ!」とフロアに激を飛ばす。
そのまま「Pain」「Unite As One」と会場の熱を上げるナンバーから、ニューアルバム収録の「Our Days」へ。ポップなロックンロールに載せた振り付けはメンバーのまなこによるもので、右に左にと会場全体を移動させる動きはこれまでのQ'ulleにはない楽しさ。
MCではやっこの「CLUB CITTA’来たらやらなきゃいけないことあるでしょ! チッタに来“チッタ”ー!!」というダジャレも飛び出しつつ、2018年ラストライブを最高の一日にすることを誓う5人。ゆずきのデスボイスが炸裂する「DRY AI」「Take Off」では、あらためて生バンドの重厚なリズム隊やギターの速弾きといった演奏がより一層曲のエッジを際立たせる。



その燃え盛るテンションに燃料を注ぐように「ツアーファイナルという大切な日に特別な方に来ていただきました!」のマイクから登場したのは、シークレットゲスト・Brand New Vibe敬太郎。曲はもちろん彼が手がけた「Survival」! スケールの大きなサウンドと会場を一体にさせるシンガロングは今回のツアーでもたちまち大人気。5人+敬太郎での同曲ではラップパートで掛け合いするなど、メンバーも観客もギアを一段上に上げさせるパフォーマンス。
さらにもう1曲、敬太郎とのコラボ披露となったのが、この日初披露となるアルバム収録曲「HOME」。自身がずっとやってきたバンドのメンバーと離れた経験から「音楽には寿命はないけど、アーティストには寿命があります。限られた時間の中で夢を叶えられるか、叶えられないか。その寿命を1ヶ月でも1年でも長くすることができるのは皆さんしかいない」とファンに語りかける。
「このヤベえ5人がいれば、夢により近いステージで楽曲を放つことができる。ここが家だ。帰ってくるHOME。そんな思いを込めてHOMEってタイトルをつけたんだ」の言葉から始まった「HOME」は、「Survival」同様踊らせるロックでありながら絡みつく切ないピアノの旋律が印象的で、今後のQ'ulleにとって大切な曲になりそうだ。



そこから「ALIVE」を挟み、まなこのアコースティックギター演奏が加わっての「OVER」、そして「素晴らしい出会いもあったけどたくさんのお別れも経験してきました。孤独を感じるときもあると思いますが、その時はこの曲を思い出してください」とバラード曲「ひとり」をしっとりと歌い上げた。



そこからガラッと雰囲気を変えてファンキーなラップ曲「SO☆RE☆NA」、そしてタオルのプロペラにサークルモッシュの「ナツシルベ」と年末と思えない真夏のフェス状態へと一気に駆け抜ける。



「邪魔しないで」「PARTY ROCK!!!!」「One Way Dream」と終盤に向け疾走感あるサウンドで畳み込む5人。そして「Q'ulleがQ'ulleであるために…あの日からずっと変わらない。わたしたちの夢は武道館に立つこと! 絶対に!」の言葉から本編ラストの曲に選んだのは、彼女たちの原点ともいえるデビューシングル「mic check one two」。スタートラインから疾走してきた自分たちの成長を確認するかのようなステージだった。



間もなく溢れるアンコールの声に応えて帰ってきた5人は全員ツアーTシャツ姿。「DON’T STOP」のパフォーマンスからメンバーそれぞれ感想を語った後、いくらがツアー前から目標としていた「ツアーファイナルのソールドアウト」が達成できなかったことを、悔しさをにじませた口調で発表した。
「今言えるのは、わたしはQ'ulleとみんな含めてQ'ulle。みんなと一緒に人生をともにしたいし、まだまだQ'ulleが必要なんです。もうひとつ残る約束、アルバムのソールドアウトは絶対に守ってみせます。その先のやらなきゃいけないことがたくさんある。繋いで絆を深めていって、その先の夢へとみんなと走っていきたい。まだまだQ'ulleと一緒に走ってくださいお願いします!」



そして本当のラスト曲となったのが「TASUKI」。Q'ulle にとって2018年最後のライブが終わる。この日、Q'ulleメンバーやファンの間で生れた新たな絆を、2019年に繋いでいくにふさわしい1曲だった。


悔しさ、楽しさを凝縮して伝えることができたツアーファイナル

年が明けて1月5日、初の『我夢者羅』リリースイベントの前にあらためてツアーファイナルの感想とセカンドアルバムについてうかがいました。



まなこ 今回のツアーは2ヶ月と短くて、10月からあっという間だったんですけど、その間が濃すぎて! 同時にアルバムも制作して、振りも覚えてという中でドラマが生まれたので、ライブ中は泣かないって言ってたんですよ、映像も撮られてるし(笑)。楽屋戻った瞬間、悔しいのか嬉しいのか達成感なのかわからないですけど涙が出ました。
 
いくら 2018年最後のライブなのもあって、1年で感じたありがとうの気持ちだけでなくごめんねの気持ち、もう少し頑張れたんじゃないかって気持ち、凝縮して伝えることができたんじゃないかと思います。今年につなげられるライブでしたね。
 
やっこ 「Q'ulleを知らない人巻き込んで連れてくね」って言ってくれるファンが多くて、本当に友達や恋人や家族、同僚とか連れてきてくれたおかげでQ'ulleのライブ初めて見に来る方も多かった気がしますね。そんな人たちも置いてけぼりにしたくないなと思ってたんですけど、感想聞いたら「すごく楽しかった」って言ってくれたので、2019年もっと広がっていけるようなQ'ulleでありたいなと思えるライブでした。
 
まあむ 今回やる前から楽しみだったのが、きんぐ(ゆずきの通称)がゲストの敬太郎さんと「Suvival」で掛け合いするところがあって、前やった時も「うわあ、すごい!」って思ったんで、また生で見れる!って本当楽しみでした。

ゆずき 普段ひとりなんで掛け合いするのはすごい楽しいです。「負けられない!」って気持ちになりますね。てか負けてないです! 
 
──この2ヶ月を通して成長したところってありますか?
 
やっこ わたしはツアーの途中で「ラップで人を感動させるようになりたい」って言ってたんですよ。それでツアー終えてみて、できたかな、ってのがすごく気になってたんですけど、みんなが「良かったよ、感動した」って言ってくれて。格好いいだけじゃなくて、心を動かせるかが自分の中のテーマだったんで、皆の心に入り込めてたらいいな。
 
いくら わたしは…ステージにお立ち台があるんですけど、わりと登れるようになりました。
 
全員 アハハハ!
 
いくら 前はびびってたんですけど(笑)。あと最前のファンの方の顔を見るのに今までは照れがあって、目と目を見つめ合うとか苦手だったんですけど、今回のツアーを通して触れ合えるようになった気がします。
 
やっこ 寄り目にして?
 
いくら 寄り目はしない(笑)。手をつないだ瞬間とか。今までそんなことできなかったですね。
 
ゆずき わたしは緊張感を今回テーマにしてて、今までのライブは勢いでガーッと行くタイプだったんですけど、けっこう今回のツアーは集中していけることが多くて客観視してライブできたなと思うんです。あとファイナルではその2つとも違って、リラックスして臨めたんですね。どれがいいかは会場によって違う感じもするので、そこを整理して2019年につなげたいですね。
 
──それ以外にツアー中の思い出ってありますか?



まなこ わたしの印象に強かったのが、海外のファンの方も来てくださるんですけど、「ひとり」ってバラード曲やった時に初めて聞かれてぼろぼろに泣いてたんですね。その時、こんなに音楽って通じるんだなって思いました。わたしは音楽で1曲のストーリーを表現することが好きで、「ひとり」は失恋ソングなんで、わたしの数少ない経験を絞り出して(笑)表現したんです。自分の声や表情、仕草で通じたんだなと思うと、すごくうれしかったです。
 
いくら 涙ってやっぱり印象的で、だいたいツアーは「Survival」で終わってたんですけど、セミファイナルのさいたまの時、Q'ulle初期の「COLORS」って曲で終わったんですよ。今だからこそカラーズ最後に歌おうよ、って気持ちで。それは状況も相まってお客さんで涙してる人も多かったですね。
 
ゆずき 長野の公演がまあむの誕生日だったんですよね。ファンの勢いが激アツで。横断幕まで作ってあって。
 
まあむ わたしの誕生日イベントだっけ?って思った(笑)。愛を感じましたね。
 
──ツアーの内容自体は成功だったようですが、残念ながら目標としていた「ツアーファイナルソールドアウト」は叶えることができませんでした。

まなこ 心の中でダメだった時のことを考えて行動するとか、そういうことは絶対しないって決めてたので、叶わなかった時のことは考えないようにしてたんですけど…悔しいです。わたしたちはちょっとスロースターターなところがあるので(苦笑)、そこがQ'ulleの課題かな。
 
いくら 次はスタートダッシュ決めていきたいね。まずは今日から!
 
まなこ ソールドアウトした時の会場って熱量が違うんですよね。わたしたちもお客さんも一つ上のモチベーションになるので、これからもどこでもソールドアウトを目指せるグループになりたいし、あのライブの感覚を味わいたいです。
 

ニューアルバムは自分たちの声が生きた一枚

──アルバム『我夢者羅』の話を聞きたいんですが、これまでのQ'ulleの熱さはそのままに楽曲がバラエティに飛んでて、メンバーの成長を感じさせる1枚です。
 
いくら 今回は本当にいろんな曲があるから、最初は不安だったんですよ。ひとつのアルバムとしてQ'ulleらしくまとまるのかな?って。でも1曲1曲にQ'ulleらしさがあって。
 
やっこ あと今回のアルバムって、今までよりもわたしたちメンバー自身が深く関わらせてもらってるんです。作詞や振り付けから、曲の内容や特典に至るまで、自分たちの声が生きてる。
 
──では難しい質問かもしれませんが、ひとりずつおすすめ曲を…。
 
いくら 難しい質問だー!
 
やっこ ぜんぶ!
 
──まあそうなりますよね(笑)。制作期間に印象的だった曲をあげてもらえますか?



やっこ いっぱいあるな~。わたしといくらとまあむ三人でやらせてもらった「SO☆RE☆NA」はアルバムだからできるアホな曲をやろうとして作ったんですけど、自分たちが思ってた以上にカッコつかなくって、ほんとにヤバイ!ってなって、プロデューサーとかすごい手伝ってくれて意見もらって組み立て直して出来上がった1曲です。自分ら的には感動の1曲なんだけど、ライブだとアホな曲なんで(笑)、ライブで楽しんでくれたらいいな!
 
いくら 「HOME」はこのツアー最後に披露した曲で、まだ一回しかお客さんの前で歌ってないんですけど、刺さるものがあったんじゃないかなと思っていて。曲書いてくれた敬太郎さんって、今のQ'ulleをすごく上手に切り取ってくれるんです。メンバーだけでなくスタッフ、見に来てくれてる人も皆ひっくるめて家族だと思ってるので、何かあってもぶつかりあったりしても帰ってくるのはここだよねって曲。最後に歌えてよかったなって思います。Q'ulle知らない人にも刺さると思う。



ゆずき 「Take Off」はメタル要素あるんで、主役はわたしだと思われてるんですけど4人がめっちゃ頑張ってるんで。初の英詞だし、あのリズムの中で歌うの初めてだと思うので、本当4人頑張ったなって思います。わたしは大したことしてない。
まあむ いやいや、きんぐクリーンパートなくってすごいよ!
 
──曲もですが、今回詞の世界も広がったんじゃないですか。
 
いくら そうですね。「邪魔しないで」はまなこが初の作詞した曲なんですけど、まなこらしさ全開でスカッとする!
 
まなこ 1週間くらいかかると思ってたんですけど、実質2日くらいで書けました。書くことに不安はなかったんですけど、「わたしらしさを出した方がいい」ってアドバイスされて、それでそれまで考えてた流れをペッと捨てて。それでやり直したらスラスラ書けたんです。
 
──自分の書いた歌詞で歌うのは、気持ち的に違いますか。
 
まなこ これこれ~!って感じ(笑)。他の人が書いてくれた歌詞は、わたしたちではできない表現をしてくれるし、こういうふうに見てくれてるんだって気づきもありますね。ただ自分の歌詞だとどこか気分が軽いんですよ。
まあむ 歌詞で言えば 「ひとり」が失恋の歌なんですけど、初披露してからファンレターで失恋の話が増えたんですよ(笑)。みんなつらい失恋をしてるんだな…って思いましたね。皆のことを背負って歌ってます(笑)。
 
──では最後に、Q'ulleは2018年のテーマが「攻め」でしたけど、2019年のそれぞれのテーマを教えてください!



いくら わたしは「完全なる飛躍!」。Zeppやチッタでソールドアウトできてないので、まずは完売させるようになりたい。まずは豪華盤のスタートダッシュにかかってる。今年はQ'ulle5周年でもあるので、ただの飛躍じゃなくて「完全なる飛躍」を狙いたいです!
 
ゆずき 飛んだ上できちんと着地したいよね(笑)。わたしは自分ともうちょっと見つめ合いたいな。自分をどうQ'ulleで表現して見せて、今後5人でどうやるか考えていきたいです。
 
やっこ 2019年というか、自分の音楽活動でのテーマが「強くなる」なんです。自分が憧れる人は皆強さがあって、見た目やパフォーマンスだけでなく芯の強さが見えたときに心が動くんです。自分はまだまだですし、わたしが強くなることがQ'ulleの飛躍につながると思うんで。
 
──でもこれまで4年の経験で強くなったところもあるんじゃないですか?
 
やっこ メンタルですかね。すべってもへこたれない!
 
いくら 今すべってたから…。
 
やっこ 強くなります! あとウケたいです!(笑)
 
──じゃあまなこさんのテーマは。
 
まなこ わたしは「頂点」です! 2番目が嫌いで、Q'ulleの中でもファンが私以外のメンバー好きって言ったら「なんでわたしじゃないの?」って思っちゃうんですよ(笑)。Q'ulleの中でもナンバーワンがいいし、振り付けとか作詞も「この程度だよね」って妥協されるのもむかつく! 歌とかダンスで私たちよりうまい人いるけど、その中でどれだけ上にいけるか…ナンバーワンだけを考えてやっていきます。
 
──では最後にまあむさんの今年のテーマを。



まあむ テーマは…「赤道の国」!
 
全員 (ざわっ)
 
ゆずき どうした?(笑)
 
まあむ 熱い感じを出していきたいです!
 
──そんなアメリカ丸出しの格好なのに(笑)。
 
まあむ たしかに! 今年はもっと南というか、人として熱い感じになりたいです。メラメラ系の!
 
いくら ええっと、赤道で締めて大丈夫ですか?(笑)
 
4年間積み上げたスキルを活かし、バラエティに富んだ楽曲と詞に振り付けにとメンバー参加でより心のこもった内容となったニューアルバム『我夢者羅』。Q'ulleの2019年はここから一気にブチ上がります!


『我夢者羅』
2019/1/16リリース




【豪華盤】 CD+DVD+ムービーカード
数量&期間限定生産盤 mu-moショップ/イベント会場盤
RZC1-86730/B~C
 \\12,000(税抜)
 
【LIVE盤】 CD+ムービーカード
RZC1-86731/B
期間限定生産盤 mu-moショップ/イベント会場盤
\\6,000(税抜)
 
【通常盤】 CD
RZCD-86729
\\3,000(税抜)
 
【イベント会場/mu-moショップ限定盤A】CD
RZC1-86732
\\2,000(税抜)
 
【イベント会場/mu-moショップ限定盤B】CD
RZC1-86732
\\2,000(税抜)
 

【Q’ulle公式サイト】 http://qulle.net/
【Q’ulle 公式Twitter】(@Qulle_official)https://twitter.com/Qulle_official 
【メンバーtwitterアカウント】
いとくとら(@ikr828) https://twitter.com/ikr828
まなこ(@xxxskri) https://twitter.com/xxxskri
まぁむ(@maam_twi) https://twitter.com/maam_twi
ゆずき(@yuzukingdam) https://twitter.com/yuzukingdam
やっこ(@yakko928) https://twitter.com/yakko928
 
ライブ撮影 長谷 英史
インタビュー撮影 木川 将史

 
大坪 ケムタ(オオツボ ケムタ)
WRITTEN BY大坪 ケムタ(オオツボ ケムタ)
アイドル・プロレス・B級グルメから大人方面と一見幅広いようで狭いジャンルを手がけるフリーライター。著作にゆるめるモ!田家大知Pとの共著「ゼロからでも始められるアイドル運営」(コア新書)、「SKE48裏ヒストリーファン公式教本」(白夜書房)など。
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