COLUMNコラム

アイドル
渡辺淳之介

“BiS”再結成!“BiSH”はどうなる!? 日本エンタメ界のエスぺランサ“BiSH”プロデューサー渡辺淳之介にインタビュー!

2016.10.05
アイドル
アーティスト
インタビュー
10/5にメジャーファーストアルバム『KiLLER BiSH』をリリースする BiSHのマネージャー兼プロデューサーの渡辺淳之介さんにインタビューを行いました。
 
ちなみに、僕はシングル「DEADMAN」リリースの際にも書いたのですが
渡辺さんの下でスタッフをやっていたので、舎弟感満載でインタビューを行わせていただきました。
 
【ガールズユニット界の破壊女王、楽器を持たないパンクバンド“BiSH”爆勝宣言
http://avexnet.jp/column_detail.php?id=1000096


タイトルもすごい太鼓持ってるなって思ったあなたは正解です!(笑)


『KiLLER BiSH』制作にあたって…



-『KiLLER BiSH』聞かせてもらいました。久しぶりにすごく渡辺さんらしさをアルバムにおとし込んで来たなって感じでとってもよかったです。そういう渡辺淳之介らしさみたいなのって今回意識したんですか?
 
渡辺)そうだね、今まで歌詞とかって割とどうでもよくて、本人が書いたやつを俺が譜割直せばいいかなくらいに思ってたんだけど、シングルじゃないから色んなものが出たほうがいいかなって思ったんだよね。
確かに今回すごい時間かかってて、メンバーも歌詞を1曲につき2つとか書いてくれて、20曲くらい歌詞書いてた子とかもいたりして、全部で歌詞だけで70曲くらい集まってたんだけど、それらを使わないで俺が書いたのも多かった。
 
 
-今回、歌詞のクレジットに渡辺さんの名前多いですもんね。歌詞だけじゃなくて音も、渡辺さんが好きなバンドからインスパイアされたものって多いですよね。
BiSの2ndアルバム以降って割と世間での流行りを意識して楽曲発注してたと思ってるんですけど、今回のアルバムはそういう意味でも“BiSの1stアルバムに近いなって思いました。なにかそこに至るまでの理由ってあるんですか?
 
渡辺)“THE YELLOW MONKEY”の復活ライヴの初日に行って、「プライマル。」が流れた瞬間に号泣しちゃって。「俺のためにやってる」くらい思えて、あの時にもう1回初心に戻らなきゃだめだなって。一回坊主にしようかと思ったくらい。でも、そんな体育会系みたいなことしてもしょうがないからやめたんだけど。
そこからかな、また“THE YELLOW MONKEY”聞きなおしたりとか、自分が昔好きだった“NIRVANA”とか、“THE BLUE HEARTS”とか、“忌野清志郎”とか聞いてたら、世に出すには恥ずかしくないものださないと駄目だなぁって(笑)
今まで「なるようになるだろう」って思って制作に結構時間をかけてなかったんだけど、今回はすっごい制作に時間かかったね。
曲ができてからすぐに歌詞の作業やってたんだけども、前日にできたのもあれば、レコーディングの1時間前にできたのもあったりして。今回は結構大変だった。


【「KiLLER BiSH」商品情報】
http://www.bish.tokyo/discography/


-なるほど。あと他に、今回から変えたこととかってありますか?
 
渡辺)今までだとアルバム作るってなったらアルバムの曲数しか作ってこなかったんだけど、今回は「DEADMAN」をリリースしたときからアルバムの制作を始めてて。だから実はいま“BiSH”だけでストックが20数曲あって、その中から選んだ曲が今回のアルバムになったんだよね。
 
 


-実は今回のアルバムを聴いて特に聞きたかったところがあるんですけど、まず、「オーケストラ」のMVを見て随分売れ線狙ってきたなぁって思ったんですよ。“BiS”も始まったことだし、BiSHはわかりやすい売れ線を狙って行くのかな?って。
 
渡辺)そう? 全然そんなことないでしょ。


-だからアルバムを聴いたら全然そんなことなくて好み出してきたなあって思って、わからなくなったんですよ
 
渡辺)でもさ、よくよく考えてみたら“椎名林檎”が出てきたときって衝撃的だったじゃん? ギターもうるさいし、耳も痛くなるし。でも、売れたじゃん? あんまり関係ないんじゃないかな?
もちろん売れ線は売れ線で作るんだけど、最近のフェスに出てるバンドってシングルだけわかりやすくしてるバンドって結構いるじゃない? あれでいいんじゃないかなって思ってる。


-「オーケストラ」はそうかも知れないですけど、「DEADMAN」はハードコアパンクのオマージュだし分かりづらいですよ(笑)
 
渡辺)あれはとんとん拍子でメジャーデビューしちゃったから変なほうがいいのかなって思って(笑)


-そういえば「DEADMAN」が出たときに、avexのディレクターがアルバムのリード曲はすごくいい曲用意してるからって言ってたんですけど、その時にはもう「オーケストラ」はできてたんですか?
 
渡辺)うん、もう出来てた。
 
 
-なるほど。じゃあもう、「オーケストラ」を軸に進めていくってのは決めてたんですね。
 
渡辺)まあ、J-POPみたいなものも俺は好きだからね。
 
 
-「DEADMAN」みたいな曲をメジャーデビューシングルにしてるのに!
 
渡辺)そう、だから「オーケストラ」を用意したんじゃん。いい曲でしょ、あれ。
 

-順番逆ですよ(笑)普通だったらシングルで「オーケストラ」みたいな曲用意しますよ!! やっぱり渡辺さんが考えることは変ですよ!
 
渡辺)違うのよ。アルバムは通して聴いたほうがいいじゃん。本当のセオリーでいったら、確実に3カ月ごとにシングルを切っていったほうが話題も作れるし本当はいいってことはもちろんわかってるんだよ。でも“BiSH”は逆行していてこの1年半でアルバムを3枚も出しちゃったしね。
 
 
-アルバムのリリースペースが普通のグループの3倍くらい早いですよね。(笑)
 
渡辺)そうそう、実はシングルの方が少ない(笑)
 
 

-渡辺さん、楽曲制作するの好きですもんね。
 
渡辺)好きなんだよね。なんでかって、曲はやっぱり古くなっていくし、いっぱい曲があった方がどれがいいかなって選べるじゃない。こないだのiTunes storeで300円で売ったのもそうだし、いっぱいの曲を聴いてほしいよね。
一曲だけで判断してほしくないってのもあるし。
 

-300円で売ったときってどのくらいダウンロードされたんですか?
 
渡辺)すごかったよ。大赤字だよ(キッパリ)予想より5倍くらい多くてびっくりしちゃったよ。
 

-ランキング的には独占だったんでしたっけ?
 
渡辺)1位と3位と4位だったかな。今もヒットしてる映画の主題歌が2位で。悔しかったなあ。旧譜も結構よくて、普通だったらそのくらいでも1位らしいんだけどね。ワンツースリーフィニッシュのはずだったのに。
 
 
-そういう不運から、エモいって言われるドラマが本当によく生まれますよね。
 
渡辺)でも勝てないって思ってたから勝ててよかったよ。次の週に広告も出てたからすごいよね。がんばって「オーケストラ」作った甲斐があったよ。
 
 
-がんばってって、そんなに苦労したんですか
 
渡辺)「オーケストラ」は自分のやってきた方程式で作ったわけではないから 俺の中で不安でしかない。


-今までの話題づくり先行のMVの作り方からしたらそうなってしまいますよね
 
渡辺)歌詞も売れてるバンドすっごい研究して書いたからね。1人でイヤホンでずっと聴きながら「なるほど、ストーリーだな」とか呟きながら歌詞書いてたから。
 
 
-めちゃくちゃ面白いエピソードじゃないですか!
 
渡辺)駅の改札とかは使ってるから坂道にしようみたいなね。

一同)爆笑
 
渡辺)だってさ、嫌じゃない?(笑)
俺がさ、『やっぱみんなに感じて欲しくて、マジで俺…書きました。あれ全部俺の気持ちっす…』とか言ってたらさ。


-渡辺さんはそうやっていつも照れ隠ししますよね(笑)
 
渡辺)まあだからいいんだよ!1曲そういう曲があればいいんだよ。


“BiSを再始動させるに当たって“BiSH"の比重は!?



-みんな一番気になってる話だと思うんですけども、今後と言えば“BiSを再始動させるに当たって比重とかどう考えてるんですか?
 
渡辺)どうなのかね…うーん…まあ…面白いかなっ!くらいだよね。面白いことできたらなぁってのは思ってるんだけど、明確に“BiS”と“BiSH”でやりたいことっての違いがなくて。“BiS”を今始めた理由の一つとして、モーニング娘。化するっていう。
だって、20年くらいモーニング娘。で食ってる人達っていっぱいいるじゃん?そうなりたいよね。
 

-じゃあもう、メンバーも常に入れ替えてみたいな?
 
渡辺)そうそう。“BiSH”の後継ユニット、“BiSHSH”とかあってもいいわけじゃん?ほかにもあそこって沢山ユニットがあるじゃない。
 
 
-それが所謂、WACKが手掛けるアーティスト達を一括りする上で使われる、『道玄坂系』ってのになっていくわけですね。
 
渡辺)そうそうそう。ハ○プロじゃなくて、渡辺プロ。みたいな。
 
 
-またどっかで聞いた時あるような・・・
 
渡辺)最近もう言われてるからね。WACK系とかって。今、もう既に渡辺ファンみたいなの意外といるからね。お前、どこ行ってもいるな!? みたいな奴が(笑)
 
 
-そうですよね(笑)渡辺さんが手掛けるところって渡辺さんが手掛けるグループのTシャツを着ている奴が沢山いますもんね。
 
渡辺)そうそう。最近それで面白かったのが、ツイッタ―でエゴサーチしていて見たんだけども、『“BiSH”のライブに行くと渡辺さんみたいな人が沢山いて面白い』ってツイート見かけて面白かった(笑)
 

-もうそんな人までいるんですね。黒ぶち眼鏡にキャップの奴ですね。確かに多いですよね(笑)そういう界隈の中で一大派閥みたいな感じになってきていますよね。
 
渡辺)そういう感じはあるなって。だから折角だからそれを細胞分裂させまくっていったら面白いかなってのは思ってるよね。
あ!あと“BiS”と“BiSH”で明確に違うってところだとBiSHはもうメジャーだから、世間の目とかあるからあまり大それたことはできないけども、“BiS”はまだできるからちょっと警察に捕まっても大丈夫かも知れない。
 
 
-それは言いすぎですけども(笑)じゃあインディーズの頃の“BiS”のような動きを“BiS”はやっていくんですね
 
渡辺)“BiSH”は初っ端からメジャーレーベルが何社も来て一気に売れちゃったから派手な動きできなかった、というか。
会社立ち上げて2年くらいだったからとりあえず置きにいったところもあるよね。やっぱ、人に嫌われるようなことしちゃいけないよ!

プロデューサーから“BiSH”のメンバー紹介



-…そ、そうですね。じゃあBiSHを知らない人のためにメンバーの紹介してもらっていいですか。
 
渡辺)やべえよ、それ一番俺が困るやつじゃん。
 
 
-じゃあ、アイナ・ジ・エンドさんから
 
渡辺)喉がやばいね。
 
 
-は、はあ・・・
 
渡辺)枯れてるね。がんばりやさん。
 
 
 
-じゃあ、セント・チヒロ・チッチさんを・・・
           
渡辺)うん。がんばりやさん。
 
 
-リンリンさんは・・・
 
渡辺)頑張ってる。
 
 
-がんばりやさんじゃなくて頑張ってるんですね・・・
 
渡辺)すげー頑張ってる。
 
 
-は、はい・・・モモコ・グミ・カンパニーさんは
 
渡辺)ひょうひょうとしている。彼女は意外と一番見た目を気にしている。
 

 
-ハシヤスメ・アツコさんは
 
渡辺)アツコはね、最初、あんまり好きじゃなかったんだけども、最近好きになってきた。
 
 
-(笑)
 
渡辺)アツコはね、俺と一緒でやな奴だなって思ってたんだけどもね、突っ込めるようになってから好きになってきた。「だからお前そんなんじゃ駄目なんだ。」って怒れるようになってきてから好きになってきたね。
 

 
-じゃあ、最後、アユニ・Dさん
 
渡辺)かわいい。若い。


-な、なるほど…この感じだと終われないので、avex portalコラムとして、グループのプロデューサーに話を聞くってのがあまりないので、プロデューサー目線から見た初めてこの『KiLLER BiSH』を聴く人達にメッセージをもらえますか。
 
渡辺)今って、音楽の聴き方って変わってきちゃって、アルバムを300円で売ったのにも関わらずなぜか250円で単曲で買ってる人ってのが何十人もいて、自分が気に入った曲しか買わない人っての多いんだなあって。
アルバム買っちゃうと自分のスマートフォンの容量を圧迫したくないのかなとか色々理由を考えてみたんだけど、できれば音楽制作者としては、アルバムを通して聴いてほしいですね。
昔みたいにCD屋に行って、視聴して買って、家に帰ってCDプレイヤーに入れるってのは今はないと思うんですけど、やっぱりワクワクしながら聴いて欲しいなあって思いながら曲順にもこだわって作ったんで。
 
 
-本当にアルバムの流れ、良かったですよ。
 
渡辺)久しぶりに名盤できたなあって思ってるよ。
 

-いや、本当に良いアルバムだと思ってます。やっぱ渡辺さんはすごいっすよ。
今日はありがとうございました。
 
----
 
最後、やっぱり舎弟らしい終わり方になってしまいましたが、本当に今回のアルバムは色んな音楽を好きな人達に聴いてほしい作品になっています。
 
個人的にはアルバムのラストを飾る「生きててよかったらというなら」が人前で見せることのない渡辺さんの一面がとても表れててすごく気に入ってます。
是非、みなさんもアルバムの流れと、メンバーと渡辺さんが作詞したときの心情を考えながら聴いてほしいって思います。
 
今も聞いてますけど、ほんと名盤ですわ…。
 
 撮影・名鹿祥史
【BiSH OFFICIAL WEBSITE】
http://www.bish.tokyo/
 
【BiSH 公式Twitter】
https://twitter.com/BiSHidol
 
【渡辺淳之介 公式Twitter】
https://twitter.com/jxsxk
 


 
北谷 祥大
WRITTEN BY北谷 祥大
みなさまのおかげでなんとか生きながらえることができています。
もどる