集英社とエイベックスのコラボによって生まれた、新たなメディアミックスコンテンツ、「Arcanamusica」(アルカナムジカ)。
2022年2月22日22:22に始動し、Music Video、音声、ボイスコミック(音声付きマンガムービー)、ソーシャルメディアコンテンツ等が多次元的に創出されていくこのコンテンツには、どんな要素があってどんな楽しみ方があるのか?その全体像とリリースされた楽曲の情報を中心に、魅力を探ってみました!
「Arcanamusica」の世界とは?
ごく平凡な生活を送っている彼らのスマホに入っていた
見覚えのない配信アプリ≪アルカナムジカ≫。
新規ダウンロード報酬として二曲の音楽がもらえることに。
それはまさしく自分の想いを体現したかのような曲で……。
導かれるように彼らはその曲を歌い、アプリ上で配信。
すると、瞬く間に人気を得た。
ある時、運営からメッセージが届く。
ディスティニーゲームへの招待状
2月22日22時×××にお集まりください。
ゲームの優勝者には特別な新曲をプレゼント!
指定された場所へ行くと……。
彼らは深層(ひみつ)へ誘(いざな)われる──
誰にでもある二つの顔。社会と自分を繋げるための「表の顔」と絶対に人には知られたくない「裏の顔」。人間の二面性を描いたのがこのアルカナムジカ。
タロットカードのアルカナをモチーフにして作られた音楽……。
突然現れたアプリによって歌い手となった5人。誘われるまま配信してみると、瞬く間にスターとなった。一体このアプリは? 彼らはこれからどうなっていくのか?
タロットカードの正位置と逆位置になぞらえ、1人2曲の「正位置」と「逆位置」の曲が与えられるという今までにない設定。「一体どんな曲なんだろう?」と聞いてみると、確かに曲調も歌詞も違う。歌詞だけでキャラクターを考察していくだけでも楽しい。
『My role』と『My song』に隠された秘密……?
まずは最初にリリースされた「RiZ」こと川和静。職業はプログラマー。先に発表された音声コメントを聞くと、ちょっと日々の生活にお疲れのよう。
そんな彼の「正位置」の曲『My role』を聴いてみると、普段は押し付けられる仕事に辟易しつつも、黙々とやりこなしていく静かなイメージ。対して「逆位置」の『My song』を聴くと、とても爽やかでキラキラした夜の街で気持ちよく歌う彼を知ることができる。どちらも歌っているのはRiZ。もしかしたら正位置が川和静、逆位置がRiZということ…?
そしてRiZのプロフィールにあるタロットカードの「吊るされた男」。これは普段の仕事がカードの意味でもある忍耐や奉仕、修行、妥協など、社畜的な彼の普段を意味しているのかも。
対して逆位置の意味は自暴自棄や徒労、欲望へ忠実などこちらもマイナスな意味がありつつも、普段のストレスを歌うことで昇華しているようにも見える。特に『My song』を歌っているときの伸びやかで清々しい声、カードでのRiZもマイクを持って解放感満載。
正位置の社畜感満載の疲れた顔や、『My role』のどこか卑屈で溜め込んでいる雰囲気も大好きだけど……。ああ選べない……。
と聴き込んでいるうちに気がつきました!
『My role』も『My song』も全く同じ曲だということに!!
1度聴いただけでは印象が違いすぎて分からなかったけど、どちらも同じ曲。それがアレンジでこんなに変わるなんて! キャラだけでなく、曲も二面性があるんだ。今までにない発想に驚き、アルカナムジカの世界観にグイグイ引き込まれてしまいます。
それが分かると当然他のキャラも気になる!
禍々しい美しさの裏に隠された刹那
次にリリースされたのは見た目からもクセのある「闇殿《ダークパレス》」こと苺宮楽ノ進。大人っぽい見た目だけど、実は最年少というから驚き。職業は動画配信者。全身のタトゥー、ボディピアス、快楽主義者のような見た目そのままの正位置楽曲『その魔王殿は危なげな程に刹那的─。』はタイトル通り刹那的でちょっぴりエロティック。美しい闇殿《ダークパレス》様にふさわしい曲に仕上がっています。甘い歌声がこの曲の世界観にピッタリ。ああ魔王殿に誘われる……私も一緒に堕落の底へ堕ちていきたい!
対して逆位置の曲『その魔王殿は悲しい程にルルルルル―。』は聴き込むほどに切なくなる。冒頭から「少年が受けた母性は見知らぬ顔の付与だった」という衝撃的な歌詞。
正位置の『その魔王殿は危なげな程に刹那的─。』の冒頭「疑う余地もない自由この顔は財宝だった」とのギャップもさることながら、手術台、メスなどの画と歌詞から「もしかして母親に無理矢理整形させられて与えられた美しい顔をピアスやタトゥーで変えて抗っている?」と考え込んでしまった。
逆位置のカードには注射、手術、口紅、お金の怪しいアイテムがあるのに、闇殿《ダークパレス》の姿は、耳に多少のピアスが施されてはいるものの、お顔のピアスはなく、タトゥーも服で隠され中世的な美しい男性がいる。これが彼の本当の姿、苺宮楽ノ進なのか?
彼のタロットカード「悪魔」の意味は正位置で裏切り、拘束、堕落、破天荒、嗜虐的など、刹那な意味が含まれている。対して逆位置の意味は覚醒、リセット、生真面目、転生など。出自も含めて気になる苺宮楽ノ進くん。彼の真の姿は……?
大人の魅力を醸し出す教師の裏の顔
3番目にリリースされたのが最年長、社会科教師のいっくんこと五十島慈。
彼のカードは「司祭」。別名:教皇などと言われるカードで正位置の意味は慈悲、協調性、信頼、優しさ、人徳など教師らしい言葉が並ぶ。
対して逆位置は束縛、不信感、逃避、虚栄などダークな意味合い。
正位置カードの絵も大きく書かれた「学」という緑の文字が目立ち、規律正しくもオシャレで大人の魅力や優しさが感じられる。対して逆位置のカードは胸をはだけて大人の色香がむんむん。注目すべきは背後にある時計。正位置の時間はお昼過ぎに対して逆位置は放課後と思われる時間。そして大きく書かれていた「学」の文字がなく「遊」という文字が踏まれている。
これだけでも彼の抱えている闇を感じてしまうのだけど……。
先にリリースされた正位置曲『フィルム越しのモノクローム』は切なくも優しい歌声が心に響く。逆位置曲の『翡翠色のロゼアモール』はモダンで激しい楽曲で男らしさを感じる。
ここで困ったことに今までは1人の中にある2つの顔を描いていた楽曲ばかりだった。もちろん、いっくんの楽曲も二面性があるのだけど、どちらも生徒である女の子との関係を歌っているように感じる。正位置は彼女への思いを抑えて教師として接しようとしている彼、そして逆位置では自分の思いに忠実になろうとしている彼なのだろうか…?
特に『フィルム越しのモノクローム』で歌う「体温伝わらなくていいの」と『翡翠色のロゼアモール』で歌う「体温伝わるように」という真逆の歌詞に思わずゾクリとしてしまった。
どちらがいっくんでどちらが五十島慈なのか? 実はどちらも闇が深いのではないか?
早く彼のストーリーが知りたい!
誰もを明るく照らす太陽の裏側では……
4番目にリリースされたのはお笑い芸人のシブキチこと渋吉陸玖。タロットカードは太陽。
太陽の意味は正位置で幸福、勝利、純粋、祝福など文字通り明るい言葉が並ぶ。
その言葉通り、彼の正位置カードに描かれたものはライオンを思わせる顔が猫の太陽。芸人ということでマイク、シブキチ自身なのか二頭身のかわいいキャラとその友だちと思われるかわいい動物たち(ライオンもいる)。
そして正位置の曲『You are my friend!』も「出会った人はみんな友だち!」と言わんばかりに「my friend!」を連呼している。始終超ウルトラ・リア充と思わせる前向きな言葉が踊り、お祭りのようににぎやかな曲である。
対してタロットカード太陽の逆位置は暗黒、絶望、衰退などダークなものばかり。
逆位置の曲『Are you my friend…?』も同様に切ない歌詞が並んでいる。同じ「マイフレンド」という言葉なのに、こちらでは全て疑問系。「本当に友だちなの?」「友だちと思っていいの?」という不安が溢れている。
この逆位置の曲『Are you my friend…?』を聞くことで、正位置の曲『You are my friend!』の解釈も変わってくる。
・馬のぬいぐるみと兎のぬいぐるみがまるで漫才のようにセンターマイクを挟んでいること。
・シブキチの右手人差し指にある赤い指輪のようなもの。
・運命の赤い糸という言葉があるけれど、右手人差し指にある赤い糸は「近すぎて気づけないが共に歩むパートナーと繋がっている」ものとされている。
上記のことから、前は相方がいた漫才師だったのでは?と推測してみたり……。
なんらかの事情でコンビを解消してからというもの、シブキチは自分に自信がなく、フェイクスマイルで生きているのでは……。シブキチの過去がとても気になってしまう……。
法を司る男のどちらが「本当の自分」なのか?
そして最後に弁護士のレッジェこと獣条一希。タロットのカードは正義。正義カードの意味合いは平等、公平、誠意、慈善など。こちらもいかにも弁護士らしい。
タロットカード正義の中に描かれている女神は剣と天秤を持っているが、レッジェの職業・弁護士のバッジはひまわりの中に天秤が描かれており、関係性を思わせる。正位置のカードでは弁護士らしく裁判官の木槌や六法全書らしき本を持つ自信満々なレッジェが描かれている。
しかし不思議なのが正位置と思われる曲『テノヒラダンサー』に登場するのが剣の変わりにペン。これは「ペンは剣より強し」という言葉と関係性があるのか?
またレッジェの正位置カードに描かれている花束のようなもの(レッジェの足の下にある花)があるが、この『テノヒラダンサー』ではそれが逆さになったようなシルエットが何度も登場する。これは何を意味しているのか?
対して逆位置のカードは弁護士というよりは裁判官を連想させる法服のような上着にサッシュのような黄色のマフラー、4本の剣と手錠、そして苦悩に満ちた表情のレッジェが立つのは証言台。正位置にあった花束はなく、イバラの棘が全体を覆っている。
逆位置の曲『ストレイアンサー』は直訳すると「迷った(戸惑う?)答え」。『テノヒラダンサー』での自信溢れる歌声とは正反対に弱弱しく、自信のなさを感じる。
注目したいのが正逆どちらにも登場する「IMPOSTER」という言葉。詐欺師という意味を持つこの言葉が、正位置では争う相手を、逆位置では自分を指している。
過去に救えなかった人がいてそのことを罪だと思っているのか? それとも……。
現時点では謎の多いレッジェ。彼の過去は? そして彼はどんな人物なのか?
今をときめくボカロPが続々参加!
キャラクターはもちろん要の楽曲を作ったボカロPにも注目!
RiZの楽曲提供者はオシャレなのに中毒性があるメロディを作る栗山夕璃。闇殿《ダークパレス》の楽曲提供は何度も引退しては復活する不死鳥PのSLAVE.V-V-R。いっくんの楽曲提供はミステリアスな曲調が魅力的なSomari。シブキチの曲提供はボカロPであり自身でイラストもMVも作ってしまうキラキラハッピーソングファンタジスタ・キノシタ。そしてラストのレッジェは重厚な曲から繊細な曲まで多彩な音を紡ぎ、人の琴線に触れる歌詞を書く夏山よつぎと今をときめくボカロPばかり。なにせ1つの曲を作詞とアレンジで2つの曲に仕上げていくという前代未聞の挑戦をしている。正直なところ、一度聴いただけでは「同じ曲」だと気付かない素晴らしい曲が続いている。
またいまだCVも明らかになっていないキャラクター。歌い手なのか? 声優なのか? それとも別のアーティストなのか?
嗚呼、気付けばズブズブとハマっていく沼アルカナムジカ。
公式では「集英社とエイベックスによる、Music Video、音声、ボイスコミック、ソーシャルメディアコンテンツ等を中長期的に複数の次元での展開を「多次元」として創出していくメディアミックスプロジェクト。タロットカードのアルカナ(arcana)をモチーフに、インプレッシヴなサウンドをはじめとした「音楽」(music)、ストーリーや世界観には「秘密」をテーマに展開していく」とある。
既に公開されているMusic Videoだけでなく、彼らの持つ「秘密」を知るべく、今後の展開を期待したい。
【Arcanamusica (アルカナムジカ)OFFICIAL WEBSITE】
https://arcanamusica.jp/
【Arcanamusica (アルカナムジカ)Twitter】
https://twitter.com/ArcanamusicaPR
【Arcanamusica (アルカナムジカ)YouTube】
https://www.youtube.com/c/ArcanamusicaPR
【Arcanamusica (アルカナムジカ)Instagram】
https://www.instagram.com/arcanamusicapr/
【Arcanamusica (アルカナムジカ)Tiktok】
https://www.tiktok.com/@arcanamusicapr
ライター
くさがわりえ
初老直前になって二次元&バーチャル男性アイドルに目覚める。ビールとアニメと特撮とプロレスがあればだいたい幸せ。