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【FAKY AKINA】自身の失恋を歌った「Stupid, Careless, Dumb」、初のオール日本語詞「FUTURE」2作連続リリースの制作背景に迫る

FAKY AKINA

【FAKY AKINA】自身の失恋を歌った「Stupid, Careless, Dumb」、初のオール日本語詞「FUTURE」2作連続リリースの制作背景に迫る

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FAKYのメンバーとして知られるAKINAが、2つの新曲「Stupid, Careless, Dumb」と「FUTURE」を立て続けにリリースした。「自分がバカだった」という赤裸々なタイトルが付けられた「Stupid, Careless, Dumb」はAKINA自身による作詞作曲で、プロデュースはiriやAwesome City Clubなどを手掛ける%C(TOSHIKI HAYASHI)が担当。もうひとつの「FUTURE」は、LUCKY TAPESのKai Takahashi(高橋海)が作詞作曲プロデュースを手掛けた、やさしさにつつまれるようなソフトミドルナンバーとなった。
2020年11月にShuraの代表曲をカバーした「Touch」をリリース。続く12月にオリジナル曲「Gravity」を発表してから約1年、FAKYが精力的な活動を続けるなか、彼女はどのようにソロ活動を進めてきたのか。「Stupid, Careless, Dumb」でテーマにした恋愛経験など、2曲の制作背景や、今後のソロ活動に向けた思いをたっぷり語ってもらった。

青春時代のピュアな恋愛をテーマにした「Stupid, Careless, Dumb」

――2021年の上半期、FAKYは怒濤のリリースラッシュでした。その中で今回のリリースに向けて、どのように動いていたんですか?
 
AKINA FAKYの活動と並行して、自分でソロ用のデモをいろいろと作っていたんです。タイミングが合えばすぐ出せるように、ずっとI‘m Ready状態というか。だから、今は結構ストックもあります。

――2作連続リリースとなりましたが、もともとそういうプランで制作が始まったんですか?
 
AKINA 実はしっかりとしたプランがあった訳ではなく、たまたまです(笑)。「Stupid, Careless, Dumb」は結構前から自分で作詞作曲して準備していた曲なんです。もう1つの「FUTURE」は、スタッフさんと話しながらKai Takahashiさんと一緒にやれたらいいね、という話になって、そこから進んでいきました。で、制作をしてみたら自信を持って出せる曲が2曲できました。それで、今のサブスクが主流の音楽シーンの中で印象を残すために、2曲を一気に出しちゃおう!と考えたんです。
 

――「Stupid, Careless, Dumb」は、どのように作っていったんですか?
 
AKINA まずはGarage Bandを使ってシンプルなトラックを作って、その上にピアノを弾いてメロディーをつけていきました。その時点で歌詞も全部書いていて、それをスタッフさんに送ったんです。
 
――「Stupid, Careless, Dumb」のプロデュースを%Cさんにお願いした理由は?
 
AKINA %Cさんはスタッフさんから紹介してもらいました。%Cさんの作るトラックは本当に聴きやすくて、ずっと流していても気持ちいいサウンドを作る方なので、とても好きです。この曲はデモを作ったときから、チルでちょっと切ないローファイサウンドにしたいと思っていたんです。ただ、もともと私が作っていたトラックが結構暗い感じだったし、自分のことを”バカ”って繰り返してる歌詞なので、トラックはダークすぎないサウンドにしたくて%Cさんにお願いしました。歌詞のヤバさとトラックの聴きやすさがすごく良いバランスになったんじゃないかなって思ってます。
 
――歌詞はどのようなテーマで書いたんですか?
 
AKINA 青春時代のピュアな恋愛をテーマにしました。当時は良さに気付いてなくて、今になってもっと大事にしておけば良かったっていう後悔を書いたんです。あのとき気付いてなくて「マジでバカだった、私」っていう曲なんです。
 
――FAKYの「Sayonara My Ex」も、メンバーが体験した過去の失恋をテーマにしていました。そこでもAKINAのパートは高校時代の恋愛をテーマにしていましたが、ひょっとして同一人物ですか?

AKINA 実はそうなんです(笑)。書いたのは「Stupid, Careless, Dumb」の方が早いですね。「Sayonara My Ex」は当時の恋愛の良い思い出だけを抽出して歌詞にしてるんです。上手く行かなかったけど、いい思い出しかないよね?っていう歌詞にしたくて。「Stupid, Careless, Dumb」は、自分の気持ちをもっとストレートに書きました。
 
――当時の自分は幼かったという感じ?
 
AKINA そう。「Wanted to grow out of puppy love」というフレーズが歌詞によく出てくるんです。
 
――訳すと「子どものような恋愛から抜け出したかった」みたいな。
 
AKINA もっと大人っぽい恋愛をしたくて、ダメになっちゃったんですよね。早くGlow Upしたかったけど、実はそのままゆっくりと関係を進めていけば良かったのにっていう。
 
――当時求めていた大人の恋愛ってどういうものだったんですか?

AKINA 「Sayonara My Ex」では、“Two high school kids in the love”って歌ってるけど、校内とか放課後に一緒に遊んでるような感じだったんです。デートするのも楽しいけど、私は次のフェーズにいきたかったんですよね。これからの2人の人生とか、もっと深い話をしたかったんだけど、そういうふうになれなくて。

――そこで相手のペースに合わせようとはしなかったの?
 

 
AKINA 相手に合わせることができなかったんですよね。当時の私は恋愛に対してめっちゃプライドが高かったんだと思います(笑)。なんで私に合わせてくれないんだろう?って思って、勝手に全部彼のせいにしちゃって。曲のサビでも歌ってますけど、彼は本当に良い人で何にも間違ってなかったのに……。もう反省というより、後悔ですね。あの感じだったら絶対に別れるってわかってたから、もうちょっと良い方法があったと思うし、全部私のせいだったっていう。だから、今になっていろいろ気付いて、やっぱり私がバカだったって歌ったんです。

――「Stupid, Careless, Dumb」というタイトルは誰がつけたんですか?
 
AKINA 私がつけました。英語ネイティブな人から見ると「これ、やばくない?」って思うくらいストレートな言葉なんです。歌詞の内容もそうだから、見ただけでパッとわかるようなタイトルにしたかったんです。
 
――レコーディングではどんなところにポイントを置きましたか?
 
AKINA 歌詞に沿った歌い方にしたかったので、そこまでテンションを上げず、力を抜いて結構ダルい感じで歌いました。最初はずっとフラットな感じでいいかなと思ってたんですけど、実際に歌ってみたら徐々に気持ちが高まっていく感じにしたいなと思って。部分部分で違う色が出せるよう、パートごとに歌い分けていきました。
 
――歌声でどんな感情曲線を描きたかったんですか? 
 
AKINA 歌が進むにつれて、自分のしたことに気付いて、どんどん後悔が強くなっていく感じ。今からやり直せないし、取り戻せないし、何もできないからただ後悔するだけっていう。そういうフィーリングを歌で表現したかったんです。
 
――日本語で言うと”喪失感”かもしれないですね。最初に聴いたとき、暗い部屋の隅でAKINAが膝を抱えてぼっち座りしてる絵が浮かびましたから。
 
AKINA ありがとうございます。私もそういうイメージで歌ってました。
 

――「Stupid, Careless, Dumb」のDance Movieは自身で振付されていますが、どのようなイメージで考えたんですか?
 
AKINA 歌詞に合わせた動きになっていて、自分で「バカ!」って感じで頭を叩いたり、後悔しているっていう感情をベースにして振り付けました。私は自分で振付をするとき、リリカルな方向にいっちゃうクセがあるんです。この曲は歌詞に合わせて振り付けてるんですけど、それだけだと結構スムーズになっちゃうと思って。そうなると歌詞のリアルさが伝わらないと思ったので、ビートをきっちり取って、シャープな動きやヒットする動きも入れたんです。
 
――「この動画、カメラワークが良いなぁ」と思って欄外のクレジットを見たら、Lil‘ Fangが撮影してて、微笑ましい気持ちになりました。
 
AKINA リハーサルをしているときにLilが「教えてくれれば全然撮るよ」って言ってくれて。撮影の日が決まったら、本当にLilが来てくれたんです。
 
――さすがメンバー同士のコンビネーションだなと思いました。演者とカメラマンの息が合ってるのが映像を通して伝わってきた。
 
AKINA 私もそれはめちゃくちゃ思いました。あの動画は、私が撮って欲しいポイントを1つだけ言って、それ以外は全部Lilのテイストなんです。
 
――自分で撮って欲しかったポイントというのは?
 
AKINA サムネイルになっているところです(笑)。グッと寄ってから急に引いていくカット。そこだけお願いして、あとはLilがいい感じに撮ってくれました。本当ありがたかったです。

ソロとして初めて明るい曲になった(笑)「FUTURE」!


――続いては「FUTURE」の話を聞かせてください。こちらはKai Takahashiさんが作詞作曲プロデュースを担当していますが、どのように作っていったんですか?
 
AKINA Kai Takahashiさんとは、以前からいつか曲を作ってみたいなと思っていたんです。で、このタイミングで遂にご一緒できることになって。そして歌詞もメロディーもついた状態でこの楽曲を頂けて、最初に聴いたときから大好きになりました。「これ、歌いたい!」って。
 
――楽曲を聞いたときの印象は?
 
AKINA 自分でデモをつくるとピアノがメインになりがちだから、イントロのシンセの音もいつもと違って気に入ったし、あと、ヴァースとサビでコントラストがあるところも好きでした。ヴァースは落ち着いた感じで、フラットというか、あまりメロディックじゃないんだけど、サビになるとアップダウンがあるメロディーになるんです。J-POPの良さがある曲だなと思いました。
 
――サビになるとパッと明るくなるんですよね。オリジナル楽曲としてはソロ活動してきて初めて明るい曲だなって(笑)。
 
AKINA そうですね(笑)。
 
――「Gravity」にせよ、「Stupid, Careless, Dumb」にせよ、うつむいてばかりだったから。初めての前向きな歌になった。

AKINA そう、やっと前を向いた(笑)。良かったです(笑)。
 
――レコーディングはどのように取り組みましたか?
 
AKINA 頂いたデモのKaiさんの仮歌は、全体を通してフラットに歌っている印象でした。でも、自分で歌ってみると、サビのパートがとても気持ちが良くて。歌詞がヴァースより前向きだし、そういうところを歌声で表現したいと思って、サビについては仮歌よりテンションを上げて歌いました。
 
――2ヴァース目にはラップ調のフロウも出てきます。
 
AKINA そこは初挑戦でした。その部分もKaiさんの声で、ああいうフロウで仮歌でデモをもらったんです。ここは音域も低いし、今までラップはしたことがないから、最初は”どうしよう”っていう話になったんですけど、私としてはチャレンジしてみたいし、1つの曲にいろんなテイストが入っているのもカッコ良いと思ったので、ラップパートに挑戦したんです。
 
――歌詞もソロ曲で初めてのオール日本語詞になりましたね。
 
AKINA この曲の主人公は、人生が上手くいってなくて、そのことに自分でも気付いているから、なんとかしなきゃ!と思ってるんです。頑張りたいという気持ちはあるし、下を向いてるわけじゃないんだけど、一歩踏み出せるかどうかは自分次第っていう歌なんです。
 
――自分で自分を励ますような曲ですよね。
 

AKINA そうなんです。レコーディングしているときも自分に向けてメッセージする気持ちで歌いました。迷ったり、落ち込んだりしたときに聴いて欲しいし、そういうときに背中を押してくれる曲になったらいいなって。人ってどれだけ落ち込んでいても、モチベーションがなくても、その場にはとどまっていたくないと思うんです。実際に一歩踏み出せなかったとしても、そうしたいっていう気持ちはあると思うんですよ。この曲はそういうときに寄り添える曲だと思っています。
 
――FAKYでは英語と日本語をミックスして歌うことが多いですが、オール日本語詞の楽曲を歌ってみた感想は?
 
AKINA レコーディングしているときに気付いたんですけど、日本語で歌うと声の印象が変わるなって思いました。日本語になると声が明るくなるんですよね。自然とそうなるから、自分でもおもしろいなと思いました。それがこの曲のテイストにマッチしているし、良かったなって。
 
――「FUTURE」のMVのコンセプトを教えてください。
 
AKINA 人生が上手くいってないという歌なんですけど、MVでは、それを恋愛に置き換えて、彼氏と上手くいってない女性を描いてるんです。たとえば彼氏とドライブして一緒にいるけど、私の方は「はぁ……」って滅入ってるとか。
 
――そういうふうに演技していったと。
 
AKINA そうです。ネタバレなんですけど、彼氏とドライブしてるシーンはマネジャーさんが彼氏役として隣にいるんです。で、彼氏と会話するシーンがあるんですけど、私がすぐ笑っちゃって。監督さんに「本当に笑わないで下さい」って何回も言われちゃって。「もうちょっとしっとり、悲しい顔で」って(笑)。
 
――上手くいかなくて思い悩んでるわけだから。
 
AKINA そうなんですよ。なのに、すぐ笑っちゃって、彼氏と楽しいドライブになっちゃってる(笑)。会話しないシーンはバッチリだったんですけど、喋ると私はすぐ笑っちゃうんで、そこが難しかったですね。

ソロ活動1周年。1人でできるようになりたいこととは?

――今回の2曲の前にThe Burning Deadwoodsの「Everlasting Eternity feat. AKINA」に客演で参加しました。初めてのフィーチャリングワークはどうでしたか?
 
AKINA 「Everlasting Eternity」は、まずトラックが送られてきて、そこから私が歌詞を書いたんです。楽曲制作は、歌詞の打ち合わせから始まったんですけど、どういう風にして欲しいですか?とか、私からいろいろ質問して、相手のリクエストを聞いていったんです。お互いにアイデアを出してフィードバックさせていくのが、いつものソロ活動と大きく違うところだし、おもしろかったです。相手と話しながら、私のアイデアもどんどん変わっていくし、いろいろ学ぶことができる作業でした。
 
――The Burning Deadwoodsの「Everlasting Eternity feat. AKINA」は、ジャジーなしっとりR&Bでしたし、今回の2曲もざっくり言えば、前作「Gravity」と地続きにある、チルでゆっくりした曲調です。今、ソロ活動の音楽性はどのように考えていますか?
 
AKINA いろんな音楽にトライしていきたいので、チルな感じ1本に絞っているわけではないんです。ただ、自分が好きなサウンドを選んでいくと自然とこうなるっていう(笑)。ジャンルというより、自分のフィーリングを大事にしていくのがソロ活動だと思っているので、自分が本当に気持ちよく歌えるんだったらアッパーな曲も歌っていくと思います。自分が気持ちよく歌える曲とか、自分で聴いていて心が落ち着くような曲とか、そういうところにポイントを置きながら、いろんな曲に挑戦していきたいです。
 
――基本、ソロ活動は自分で作詞作曲をしていきたいと考えていますか?
 

AKINA はい。私は音楽を聴くときに、サウンドも大事なんですけど、どちらかというと歌詞が気になっちゃうタイプなので、歌詞は大事にしていきたいんです。私はそのアーティストの気持ちが素直に出てる歌詞が好きなんですね。だから自分でも本当にそのときに思っていることを飾らずに歌っていきたいし、ソロ活動している意味はそこにあると思うんです。

――ソロ活動がスタートして1年経ちますが、最後に、プライベートで一人でもできるようになりたいことはありますか?
 
AKINA え? あるかな? なんだろう……。
 
――というのも、AKINAには一人で動いているイメージがあまりないんです。たとえば一人ランチできますか?
 
AKINA ほぼ無いですね。そういうことになりそうだったら、おうちで食べちゃう。確かに1人行動があまりない(笑)。
 
――なので、一人でもできるようになりたいことを訊いてみたんです。
 
AKINA 一人で買い物には行けるんです。だけど、自分で見つけられないものがあったらすぐ諦めちゃうんです。店員さんとかに聞いた方がいいとわかってるけど、聞くことができないタイプで。
 
――たとえば洋服屋さんで欲しいサイズが無かったら……。
 
AKINA すぐ諦めて出てきちゃうんです。もしくは、本当に何時間もかけて店内をぐるぐるまわって自分で探したり。店員さんに声を掛けられないんですよ。
 
――「サイズが無いや」「店員さん、忙しそうだなぁ」「聞くタイミングが難しいな」……それで諦めて出てきちゃうんだ。
 
AKINA そう。店員さんを遠くから見て「はぁ…(ため息)」って、店から出てきちゃう。
 
――で、店から出たあと、自分に向かって「stupid, dumb」ってつぶやいたり?(笑)
 
AKINA あはは。そんな感じです。だから声を掛けられるようになりたい。助けが必要なときは一人でいても聞くっていうのが目標です!(笑)

 

撮影 長谷 英史


「Stupid, Careless, Dumb」 2021.10.15 ON SALE

 
▼リリックビデオはこちら
https://youtu.be/Ixb-QsHVlNE
 
▼Dance Videoはこちら
https://youtu.be/lhqCTrf0EhE
 

「FUTURE」 2021.10.27 ON SALE

 
▼MVはこちら!
https://youtu.be/wY7qZhVKTIQ
 

【AKINA OFFICIAL WEBSITE】
https://avex.jp/akina/
 
【FAKY YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCB0bl5q4gqVxwiygBwi-HKQ
 
【AKINA Instagram】
https://www.instagram.com/akina_faky/?hl=ja
 
【AKINA Twitter】
https://twitter.com/AKINA_faky

 

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記事情報

猪又 孝

ライター

猪又 孝

1970年生まれ。音楽ライターとして国産のR&B/HIPHOP/歌モノを中心に執筆。日本の著名ラッパーが作詞術を語る単行本「ラップのことば」「同2」を企画・編集・執筆。安室奈美恵、三浦大知、東方神起、ナオト・インティライミなどのオフィシャルプロダクツにも関わる。HIPHOP専門ラジオ局「WREP」に放送作家/ディレクターとして参加した他、ラジオ/TV/配信コンテンツの構成も多数手掛ける。