Instagramのフォロワーは30万人を越え、音楽だけでなくそのライフスタイルも多くの共感を得ているBaby Kiyさん。10月30日には待望の1stフルアルバム「All About You」をリリースする彼女に、これまでのこと、インスタでの発信のこと、そして音楽のこととアルバムのこと、いろいろと聞いてみました。ナチュラルな彼女の世界観を感じてください!
「今のSNSにはもう飽きました」?
──メジャーデビューにあたって「avex portal」にも初登場していただくということで、「Baby Kiyとは?」というところも含めてお話をお聞きしたいと思います。全てのきっかけはInstagramだったということですが、始めた頃は「自分をどう見せたい」という気持ちはあったんでしょうか?
Baby Kiy そういうのはあまり考えたことないかなぁ。Instagramが出だしてたまたますぐぐらいに始めたんですよ。だから今みたいなツールになるとも思ってなかったし、ただ遊びの一環で始めたので。でも途中から、「自分を見せる一つのツール」になっていました。「海の近くに住んでる一人の女の子」みたいな、ナチュラルにライフスタイルを上げていました。
──最初はただ自分の写真を上げていただけ?
Baby Kiy 自分の写真と言うより、Pinterestとかで見たかわいい写真を上げていました。その頃はみんなそんな感じで使ってました。LAに住んでた友達に「インスタいいよ」って教えてもらってやり始めたんですけど、早かったんのかなって思います。
──やがてInstagramのあり方とか影響力自体が変わってきましたよね。それによってBaby Kiyさん自身への影響もありましたか?
Baby Kiy やっぱりお仕事になったことが一番ですよね。まだそういうのを誰もやってなかった頃に、ある会社が私のことを見つけてくれて、「新製品をプレゼントするから、ブログを書いてくれませんか」って連絡が来たんですよ。インフルエンサーとかが流行る3年前ぐらいかな。「あ、これって拡散力があるんだなぁ」って気付いたんです。
──そこから気をつけるようになったことは?
Baby Kiy キレイな写真を上げるようにしました。特に気にするのは色かな。
──色ではどういう傾向がいいんですか?
Baby Kiy 色味は時代によって変わる気がします。インスタの初期は彩度バキバキのカラフルな写真が流行ったし、だんだん淡いのが好まれるようになって、今はフィルムみたいな感じになって。
──そういう傾向を知るために、他の人が上げている写真もチェックしてるんですか?
Baby Kiy 海外の人のは見てましたけど、今は全然してないです。今のSNSは正直ちょっと飽きてちゃってます(笑)。10年前からやってたら、そりゃ飽きても当然なのかなって思います。だから今は音楽とかライブとか、リアルなものを追求するようになりました。
──おお、そうなんですね。じゃあフォロワーがたくさん増えた今は、反応とかも以前より増えたと思うんですが、SNSとの接し方は変わってるんですか?
Baby Kiy 反応とかはもともとあんまり気にしないです「こういうのがウケるんだ」とか研究したこともそういえばないかなぁ。写真とかは1秒で撮っちゃいます(笑)。編集も10秒ぐらいでやっちゃいます。インスタだけじゃなくて、以前に出したミニアルバム「Never get enough」のジャケット写真なんかも自分で編集したりもしました。
──そうなんですね!
Baby Kiy ジャケットは何度も打ち合わせしながらも、なかなか自分のイメージが言葉で伝わらなかったので、自分で作って「こんな感じは?」って(笑)。他のジャケットとかもそうなんですけど、頭の中で全部ざっくりとしたイメージがあるので、それをセンスのいいクリエイターのお友達にデザインとして落とし込んでもらってます。イメージが伝わらないときは手書きのイメージを持っていって話したり、「ここ1cm伸ばしたらどうかな?」とか、そういうやりとりも直接やります。
──そうすると、インスタはきっかけに過ぎなかった?
Baby Kiy そうなんです。それに、インスタに上げるイメージも、考えてとかるじゃなくて、頭の中で自然とそのときの好みで編集したりします。「今はこういうピンクの世界観が好きだから、次はこういうのを上げよ!」とか。すごく考えるとゆうよりも、その時の好きなイメージであげていきます。
──「Baby Kiyさんみたいにインスタやりたいんですけど、どうしたらいいんですか?」とかって聞かれませんか?
Baby Kiy たまに質問でもらってりします。誰でも出来るんじゃないかぁ。。。でも、誰でも出来るわけじゃないか。。
──というと?
Baby Kiy 自分のインスタをこういう世界観にしたいとか、そういうのがある子は誰でもなれると思います。好きな子はもともと得意だと思うし。私にとっては、いい時代でにちょうどよくタイミングがはまったのかも。自分の世界観を作れるものが、すごくいいタイミングで登場して、ラッキーだったと思うんです。私は頭の中でクリエイトしたりすることが好きだったし、編集したりするのも得意だったから、向いてたのかも。でも、途中から音楽に集中するようになって、インスタとかとの向き合い方も変わりましたね。
──「アーティストとしての自分」「インスタグラム内での自分」「モデルとしての自分」がいるわけではないんですね。
Baby Kiy 全部、「自分」かな。Baby Kiyを表す一つのツールとして音楽にフォーカスをあてているという感じですね。過去には本も出させてもらっているし、インスタで写真を撮って上げることも含めて全部、Baby Kiyのライフスタイルをどう表していくかっていうことなんです。その中で、音楽をメインにフォーカスしてやっています。
乗らない時の気分転換は……
──音楽がメインになったのはいつ頃からなんですか?
Baby Kiy 3年前ぐらいかな。小っちゃい頃からずーっと音楽が身近にあって、小学生の時にはCMの曲を歌ったり、高校生の時には先輩とかとユニットを組んでたりしたりして、活動はしてたんですけど、本当に音楽にフォーカスすることになるとは思ってなかったんです。たまにライブをして……という感じでやっていたら、いつの間にか本気で音楽をやってた、という感じです。
──気付いたらそうなっていた、と。以前は音楽をすることに自信がなかったということですが?
Baby Kiy 学生時代はそうだったかもしれないですね。その頃はやりたいことが見つからなくて、自分のやりたいことを仕事にしている家族と自分を比べて「何をしたらいいんだろう?」って思ってた時期もありました。でも海外に行ったりしていろんなものに触れるうちに、「やっぱり音楽がやりたい」と思うようになりました。
──音楽への欲求みたいなものは、もともとあったわけですよね。
Baby Kiy ですね。ただ10代の頃は遊ぶのが楽しかったから、毎日毎日遊んでました(笑)。でも、その頃に遊んでた子たちと、今一緒にお仕事してるから、やっぱりすごいなって思いますよね。人脈とかもできたし、「いっぱい遊んどいてよかった」と思いました(笑)。
──どうなるか分からないものですね。
Baby Kiy 人脈が全てという気がします。今、こんな風に活動できているのも、全部人脈なので。だから私の周りのスタッフさん達は、ほとんど私の友達だったり、私が「この人がいい」って言った人たちで。クリエイティブな友達がいっぱいいて、影響を受けてきました。
──ということは、気が乗らない時もあったり?
Baby Kiy そういうときは死んでます(笑)。「ヤダヤダ!」って言ってマネージャーさんを困らせたりして。喜怒哀楽がすっごい激しいんですよ。
──それは分かる気もします(笑)。
Baby Kiy でも、乗らない時でもがんばらなくちゃいけないことがあるから。ただあんまりそういうのが重なると、体調に影響したりもして。今年の夏もそうだったんですけど、そういう風になると、周りが「Kiy、そろそろどっか行かせないとヤバいぞ」ってなって、海とか海外に旅立ちます(笑)。周りも全部分かってくれてるから(笑)。
──分かってくれる人たちじゃないと困るわけですね。
Baby Kiy ですよねえ(笑)。でも毎日一緒にいる人たちだから、仲良いことがすごく大切だと思います。乗らない時に無理に動かされる時もありますけど(笑)、でもそれも私のためだから。私はその時の感情で「ムリ!」って言っちゃったりしちゃうけど、「この時期にこうすると、こうなるんだよ」って先を見て言ってくれてるんです。そうやってちゃんと理解させて前向きにさせてくれます(笑)。
──では、一番の気分転換は旅行?
Baby Kiy そうですね。海のある場所に行きます。1日しか休みがない時とかは、ずっと家に引きこもってます。超インドア(笑)。UberEATSして、ずーっとNetflix見てます。
──いいですね(笑)。
Baby Kiy ラルっていう名前の、すごい大きいワンちゃんを飼ってるんですよ。ラルと一緒にいたいから、家にいて、一緒に寝てます(笑)。冬はオーストラリアとかハワイとか、暖かいところに行ってます。あ、でも寒くてもニューヨークは好きです。
──冬のニューヨークは寒いですよね?
Baby Kiy 寒いんですけど、でも学生時代にいたところなので。思い出がいっぱいあるから好きなんです。
──でも東京の夏もキツくないですか?
Baby Kiy うーん、今年は夏してないんですよね……。いつもは「夏が来た!」って言って、BBQも花火大会も海もプールも川遊びも、夏の行事は全部やります!みたいなタイプなんですけど、今年はあまり休みがとれなくて何にもできなかったので、辛かった。。。(笑)。宮古島に3日間だけ行けたのはよかったです!見てくれますか?(と、スマホを取り出す)
──動画ですか? おおっ! すごいですね!
Baby Kiy スキンダイビングをやった時の動画です。ボンベなしで、これは10メートルちょい潜ったんですけど、これで生き返りました(笑)。海に行かないと干からびちゃうので、水分チャージ(笑)。イルカもいたんですよ。
──イルカと泳いでるじゃないですか!
Baby Kiy でも野生なので、すごく速くて。時速60キロとかなんですよ。群れもいて、すごくよかったです。
──こうやって海に行ったりすることで、バランスを取っているわけですね。そんな中で、曲を作るのはどんな時なんですか?
Baby Kiy 毎日書いてますよ。歌詞はノートにいっぱい書き溜めていて、楽曲制作の時はそのノートを見て、「ここにこういう曲がほしい」とか、今回のアルバムだと「秋のリリースだから秋の曲がほしいよね」とか、バランスを考えながら作っていくんです。いつも冬の間にいろんなところに行って、日常生活とは離れるからいろんな気分になるじゃないですか。その中で感じたことを書き留めておいて、日本に帰ってから曲にまとめて、レコーディングするという感じです。
──曲にまとめる時は、「こういう曲にしよう」と決めて臨むんですか?
Baby Kiy 両方あります。そういう時もあるし、「おうちに帰ってこういう曲が書きたい」ってパッと思い浮かんで、バババッと弾き語りして書く時もあります。作り方は、あんまりとらわれてないかも。昔は弾き語りで書くのが一番楽で、それじゃないと書けなかったんですけど、今は歌詞先行もあるしトラック先行もあるし、アコギで作ることもあるし、いろんな書き方ができるようになりました。
──曲を作る時は基本的にギターですか?
Baby Kiy はい。ピアノもやってたんですけど、私はギターの方が楽ですね。
細かい部分までこだわった1stアルバム!
──というところで今回の1stフルアルバム「All About You」ですが、先行リリースされていた楽曲も多数収録されている中、アルバムとしてはどう作ろうと?
Baby Kiy 曲順が朝から夜までっていう時系列に沿って並んでいるんです。朝日っぽいインストの曲から始まって、夜は星空が想像できるようなインストの曲で。その中で登場人物がいっぱいいて、友達だったり大切な人だったり、それを聴いてくれる人に共感してもらえるように「All About You」というタイトルにしました。
──アルバム1枚の中にいろんな「You」がいるということ?
Baby Kiy そういうとらえ方もあるし、聴いてくれた人にとっての「You」でもいいし。いろんな形があっていいと思うし、あまり限定したくないんです。聴いてくれた人が「あ、これは彼との懐かしい気持ちだな」って思ってくれてもいいし、一つ一つの曲で単発の登場人物と考えてくれてもいいし、自由に聴いてほしいですね。
──全曲を並べてみた時には、どう感じましたか?
Baby Kiy いい流れにできたと思います。曲間とかも全部自分で指定したので、すごく聴き心地もいいと思います。今までに配信していた曲もSEを変えたりとか、マスタリングの時に細かく調整しているし、新曲も含めて曲順は最後に決めたんですよ。それでインストも入れて、心地よい流れにできました。
──新曲については?
Baby Kiy 2曲とも、切ない曲です。「Hummingbird~キセツハズレノハナビ~」は「あんなこともあったなあ」って過去のことを思い出して、切ないんだけど、でもそれで苦しくなるんじゃなくて、あったかい気持ちになるみたいな。大人の人が「学生の時、あんな恋愛したなあ」って思い出してほしい感じですね。「GIRL FRIEND」は……ここでは話さないでおきます(笑)。
──ではそれは、実際に聴いて感じてもらうということで。
Baby Kiy 曲や音ももちろんなんですけど、歌詞カードとかも全部、世界観を感じてもらえるように作りました。1ページ1ページ、色とか文字の場所とかまで細かく指定しているので、そういうところも見てほしいですね。
──それはCDならではの楽しみ方ですね。DVDの方は?
Baby Kiy オフショットが見どころだと思います。普通は見られない姿が入ってて、けっこう“おチョケさん”なのが分かると思うので(笑)。自分で見て、「この動き、ヤバ!」って思いましたもん(笑)。
──MVもたくさん入っていて、いろんなところで撮影されてますよね。
Baby Kiy 特にハワイで撮ったものが印象深いですね。ハワイって、どこで撮ってもキレイじゃないですか。ハワイとか宮古島とかの透明度の高い海が好きで、それが表現できてうれしかったんです。でも撮影の時は海の目の前にいるのに海には入れなくて、怒ってたんです(笑)。スタッフさんの隙を突いて、ちょっと入りましたけどね(笑)。
──そしてすでにツアーが始まっていますが、22日には日本橋三井ホールでファイナルを迎えますね。ここではどんな風に?
Baby Kiy ハチャメチャに、やり散らかそうと思ってます(笑)。ライブでは聴き入ってくれてる子も多いんですけど、今回のツアーではみんなで騒げるライブにしたいなということで。今年の夏に作った4曲は、ライブとかでみんなが手拍子したり体を動かしたくなったりするような曲を意識したんです。それを聴いてライブに来てくれて、楽しんでくれたらいいなと思ってます。ステージセットとかもこだわって作っているので、会場に入った瞬間にその世界に入ってもらえたらいいなと思いますね。バンドも超カッコいいし、絶対楽しめると思います!
──では最後にメッセージを。
Baby Kiy 今回、初めてのフルアルバムだし、アルバムもライブも通して私の世界観を感じてもらえるものになってるものになってると思うので、ぜひ聴いて楽しんでください!
1st Full Album
『All About You』
2019.10.30(Wed) on sale
[CD ONLY] RZCD-86944
[CD+DVD]RZCD-86943/B
Baby Kiy TOUR 2019“All About You”
10月22日 (火・祝) 日本橋三井ホール
開場/開演 17:00/18:00
◆official site
https://babykiy.com/
◆Twitter
https://twitter.com/_babykiy_
◆Instagram
https://www.instagram.com/babykiy/
◆YouTube channel
https://www.youtube.com/channel/UCW2TJei1mgg4sSSfJGjcJpw
ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。