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茜屋日海夏

【茜屋日海夏ソロデビュー!!】歌とお芝居、両方とも突き詰めていけるソロアーティストになりたい【『頭文字D』後継作『MFゴースト』ED】

2023.11.24
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音楽
インタビュー
アニメ『MFゴースト』のエンディングテーマ「Stereo Sunset (Prod. AmPm)」でソロデビューを果たす茜屋日海夏さん。声優・俳優としてはもちろん、i☆Risのメンバーとしても長く活動してきた中でのソロデビューにあたって、どんな心境なのでしょうか。楽曲のこととともに、11/26にパシフィコ横浜で開催されるi☆Risの11周年ライブ、来年公開のi☆Risの劇場版アニメについてもお聞きしました!


ソロでは「アイドル」ではなく「アーティスト」として立ちたい!
 
 


──今回ソロアーティストデビューということですが、ソロ活動は以前から希望されてたんですか?
 
茜屋 私、実は小学校の頃からエイベックスにデモテープとか送ったりしてたんですよ。
 
──マジですか!
 
茜屋 実は(笑)。だからi☆Risとしてデビューをして以降もいつかソロアーティストしても活躍ができたら…と思ってたんですけど、タイミングもなかなか見つけられず、自分としても「お芝居がやりたい」という気持ちも強かったのですが、今回お声がけいただけて「ぜひ!」という感じでソロアーティストデビューが決まりました。
 
──では、願ったり叶ったりだったわけですね。
 
茜屋 そうですね。ソロアーティストデビューは夢だったので、不思議な気持ちでした。「この年でも、まだ夢叶うんだ!」みたいな(笑)。
 
──ただ、グループの一員として10年以上活動されていて、それを経てのソロだと、また違いますよね?
 
茜屋 違いますね。逆に、「やりたい!」と思ってた10代の頃じゃなくて、今のタイミングでよかったなと思いました。グループでいろんなステージに立たせてもらって、度胸もつきましたし、場数という面でもいろんな経験をさせてもらった上でなので、今だから出せるソロならではの味みたいなものがあるなと。年も重ねてるし、すごくいいタイミングだなと思いました。
 
──なるほど。実際、レコーディングを含む制作過程もお一人で、いつもと感覚が違ったのでは?
 
茜屋 トコトン自由にやれるっていう、プラスの面での違いを感じました。もちろんi☆Risも楽しいんですけど、i☆Risって5人いて、個性が大事にされていて自由ではあるんですけど、でも、「5人の方向性は合わせつつ、その中で自由に」という作り方なんですよね。そこに曲を作った方の意向もありますし。でも今回は確実に1人だし、ソロデビューだったので、みんなも私がソロで歌う時の歌声とかも未知数だったと思うんですよ。だからみんなで探り探りというか。「こうしてください」というディレクションも特になくて、本当に自由に歌わせてくださって、尊重してくださる大人の方ばかりだったので、楽しく、好きなようにやらせてもらえました。
 
──その中で、ご自分としてはどういう風に歌おうと思って臨んだんですか?
 
茜屋 グループの時とは違って、自分一人で立つ時の理想像みたいなものがずっとあったんですよね。i☆Risの時は「アイドル」として活動しているので、ソロでは「アイドル」のイメージは脱却したいなと思って。「アーティスト」として一人で立ちたいなと。それから、最初に曲をいただいていたので、そこから自分の中でイメージを膨らませて作っていってて。最近、海外の曲とかK-POPとかが好きで、よく聴くんですけど、この曲も『MFゴースト』というアニメのエンディングなので海外の方もすごく聴いてくださると思って、そういう方たちのことも意識した歌い方も心がけました。
 
──そこでお手本のアーティストとかはあったんですか?
 
茜屋 まるっきりこの人!みたいなのはないんですけど、例えばBLACKPINKのロゼの歌い方とかは意識してよく聴いたりしてますね。素敵だなと思って、無意識に取り入れた部分はちょっとあるかもしれないです。
 
──そこでソロデビュー曲の「Stereo Sunset」なんですが、そうすると、「こういう方向性の楽曲で」というところから始まったんでしょうか?
 
茜屋 今回は『MFゴースト』ありきのタイアップ曲だったので、先に曲をいただいて、「あ、こういう曲なんだ」と思って合わせに行くという感じでしたね。
 
──その最初の印象はどんな感じだったんですか?
 
茜屋 まず、「自分がやったことないジャンルだな」と思って。けっこうバラードとかが得意で、よく歌うんですけど、この曲はバラードとも違うし、ちょっと今流行りのシティポップっぽさもあって、「自分が歌ったらどうなるんだろう?」っていうワクワクがすごくありましたね。
 
──i☆Risの曲とも、タイプからして全然違いますよね。
 
茜屋 そうですね。i☆Risはもちろんアニソンも多いので、サビでけっこうガツンと声のボリュームとかテンションを上げることが多いんですけど、この曲は音域もすごく広いわけでもないし、緩やかに入っていくところとか、新鮮な感じがしました。
 
──レコーディングして出来上がった楽曲を聴いた時には、どう思いましたか?
 
茜屋 普段、i☆Risでは自分の歌ってあまり聴かないんですよ。でも、「Stereo Sunset」はレコーディングが終わってラフミックスをもらった段階で、ずーっと聴いてました。普通に曲としてメチャクチャいいものができたなと思って、自信を持って届けられるなとも思ったので。
 
 
TVから流れてくる曲は、自分の歌じゃないような感覚!?
 
 


──MVも見させていただいたんですが、YouTubeの「ひみちゃんねる」ではその裏話を公開されてましたよね。撮影中にころんだとか?
 
茜屋 そうなんです(笑)。忘れてたんですけど、あの動画を見て思い出しました(笑)。スタジオの壁が垂直じゃなくて、床のところが緩やかなカーブを描いてたんですね。そこで遊んでいて、ツルッとコケて(笑)。撮影内容は全くそんな雰囲気じゃないんですけど、裏で1人で遊んで、1人でコケました(笑)。
 
──(笑)。完成したMVは、茜屋さんのスタジオで撮影された姿と、湘南の風景が組み合わされてますよね。完成版を見た時の印象は?
 
茜屋 もともとコンテみたいなので「こうなります」というイメージはいただいてたんですけど、私じゃないどなたかがドライブしてる様子とかが映るじゃないですか。自分がその人たちの背中を押してるような気持ちになりました。すごくいい立ち位置で使っていただいたなと(笑)。
 
──ちなみに湘南には?
 
茜屋 あんまり縁がないかもしれないですね。もともと「イケてる場所」とか「湘南ボーイ」とか、フワッとしたイメージを持っていました(笑)。ただ、MVの中では映像の質感も相まって、すごくいい感じで、私も「行ってみたいな」と思いました。
 
──ご自分ではドライブとかはされるんですか?
 
茜屋 運転免許を、去年やっと取ったんですよ。ペーパードライバーにはなりたくないので、たまーにちょっと遠くのスーパーに行って買い物をしたりはしてます。運転は好きだし、教習所の最後の試験も100点満点でパスしてるので、安全運転ではあると思うんですけど……田舎出身なので、東京の道はちょっと怖くて。車がいっぱいだし、流れに乗らないといけないと思うと、ちょっとドキドキします。
 
──海についての思い出というと?
 
茜屋 私は日本海側の秋田の出身なんですけど、おばあちゃんのところに行く時とかも海のすぐ近くの道路を通って行ってたので、海はすごく思い出がありますね。小っちゃい頃は弟と海で遊んだりもしてましたし、私の名前の「日海夏」は日本海から取ったということをチラッと聞いたことがありますね。
 
──ああ、そうなんですね!
 
茜屋 「日海夏」で「海」が入ってるし、夏生まれだし、海にはすごくご縁を感じてます(笑)。
 
──そして先ほども出たように、この曲はアニメ『MFゴースト』のエンディング曲ですよね。『MFゴースト』とその前作『頭文字D』についての認識は?
 
茜屋 『頭文字D』って、すごく昔からある作品じゃないですか。小っちゃい頃から知ってはいたんですけど、大人すぎるイメージで、正直「自分が通ることはない道なんだろうな」と思ってて。まさか大人になってタイアップの歌を歌わせてもらうことになるとは思ってなかったですね(笑)。改めて見ると、車は全然詳しくないですけど、見入っちゃいますよね。映像も音もすごくリアルです。
 
──アニメ『MFゴースト』は10月からオンエアされていますが、ファンの方や視聴者の方からの反響などはいかがですか?
 
茜屋 「本編がすごく疾走感のある内容だから、エンディングで心を落ち着けられる」というようなことはすごく言っていただけてますね。私はけっこう、昔から声がコンプレックスだった部分があったんですけど、「歌声がいい」ってたくさん言っていただけて、「やってよかったな」って思いました。
 
──ご自分のソロの曲がTVから流れてくるという感覚はいかがでしたか?
 
茜屋 不思議と、自分が歌ってる曲じゃないみたいという感じで聴いてました。初めての感覚なんですけど、本当に第三者の感覚として「ああ、いい歌だな……」と思って聴いて、チルってます(笑)。
 
──それはいいですね(笑)。
 
茜屋 どうしても仕事目線で見ちゃうことがほとんどなんですけど、「Stereo Sunset(Prod.AmPm)」に関してはイチ視聴者というか、イチリスナーとして聴けますね。ソロデビューの曲がそういう曲で、本当によかったと思ってます。
 
 
自分のルーツを振り返って、3ヵ国語を歌詞に取り入れたカップリング曲「SARANG」
 
 


──カップリングの「SARANG」という曲はご自身の作詞ということですが、作詞のきっかけやモチーフというのは?
 
茜屋 今までも作詞はしたことあったんですけど、作品ありきで作っていたんです。ただ今回は本当に自分の好きなように作っていいということで。以前から「いつか恋愛ソングを書いてみたいな」と思ってたんです。しかも失恋ソングが自分は好きなんですけど、普通の失恋ソングは世に溢れているので、ちょっと違う視点のものを書いてみたい、ちょっとこじらせた愛みたいなものを書きたいなと思っていて。普段から、詞が浮かんだら書き溜めるようにしているので、その中から使えそうなワードを引っ張り出して並べて、そこから派生させたりして、という感じで作りました。
 
──そこから1曲の詞にまとめるという作業は、スムーズにいきましたか?
 
茜屋 意外とスッといきましたね。ちょっと悩むタイミングもあるけど、書き出したらけっこうスラスラといけるので、楽しいです。
 
──歌詞の中の「미친 사랑(ミッチンサラン)」という韓国語は「狂った愛」という意味のようですが、このフレーズを入れた意味合いというのは?
 
茜屋 作曲のARAKIさんと何度か打ち合わせさせていただいた時に、自分は父が韓国人で、高校は英語科だったりして、いろんな言語のルーツがあるから、できるならちょっとずつ取り入れてみたらという風に言ってもらったんですね。全部それでやっちゃうと刺さる層が狭くなっちゃうし、1曲目だからちょっとずつやってみたら、と。それで自己紹介じゃないですけど、自分のルーツを全部出してみたいなと思って。ただ韓国語ってそこまで馴染みがないので、一部だけちょうどよく入る場所がないかなと思って、バックの音が静かになるところに何かハマるのを入れようと思って、こうなりました。
 
──3ヵ国語が入ってる歌詞って、珍しいですよね。
 
茜屋 そうですよね。オリジナリティーを出すのにもちょうどいいなと思って。いつも韓国語や英語を入れたいというわけでもないんですけど、今回はソロの最初ということもあって、「これもできます」という意味合いも込めて入れたという感じですね。
 
──「SARANG」の曲については?
 
茜屋 「Stereo Sunset(Prod.AmPm)」のチルな感じともまた方向性が違うんですけど、楽器的にはこれもシティポップっぽくて今どきっぽい感じですよね。歌詞はちょっと重い内容なんですけど、メロディーはそんなにそこに引きずられることなく、テンポのいいグルーブ感のある曲にしてもらいました。
 
──ソロではこういう感じの曲も多くやっていきたいという感じですか?
 
茜屋 そうですね。とことん闇深いところまで出していきたなと思ってます。まだまだあるので(笑)。
 
──さて、このリリースから1週間弱で、パシフィコ横浜でi☆Risの11周年ライブがありますね。こちらはどんな感じになりそうですか?
 
茜屋 絶賛リハーサル中なんですが、絶対楽しいと思います。グループは11周年ですけど、みんな大人になったなあと思うんですよね。ちゃんと年を重ねてて、それがしっかり味になっているなと感じるし、コロナも明けて声出しが解禁になっているのがより生かされて、みんなと距離が近いi☆Risならではのライブができるんじゃないかなという感じです。
 
──そのライブでもソロ曲が聴けたりはするんですか?
 
茜屋 いえ、ここではソロパートはないんですよ。ただ、ちょうど情報解禁になったんですが、来年1月14日に代官山でソロライブが決定しまして。
 
──おお!
 
茜屋 まだ内容の話は少ししかできてないんですけど、せっかくの機会なのでアコースティックパートとかも入れようというようなことも含めて、ちょっとずつ見えてきてる感じです。「Stereo Sunset(Prod.AmPm)」もそこで初めて歌う予定ですし、年明け、1月のライブなので、おめでたい雰囲気にできればと思います(笑)。
 
──来年と言えば、i☆Risの劇場版アニメ「i☆Ris the Movie - Full Energy!! -」も公開とのことですが、こちらについては?
 
茜屋 アフレコがもう終わったところなんですけど、面白かったです!制作を頂いている皆さんもi☆Risのことをすごく理解してくださっていて、本当に愛のある脚本とキャラクターを作ってくださったので、ファンの方はには喜んで頂けるんじゃないかなと思います。
 
──その公開も楽しみですね。
 
茜屋 私たちも完成がとても楽しみです!
 
──一方でソロとしては、どういうことをやっていきたいですか?
 
茜屋 ソロといえば歌なんですけど、私の軸としてはお芝居がしたいとずっと思っていて。一時期はお芝居に集中していた時期もあったのですが、やっぱり歌も表現の一つだし、表現することが好きだなと思って……と言いつつ、やっぱり軸は変えたくないので、お芝居の部分を充実させつつ、そこから歌の方にも生かしてお互いにいい循環ができるようにして、歌とお芝居、両方とも突き詰めていけるソロアーティストになれたらいいなと思ってます。
 
──ソロライブもありi☆Risの劇場版アニメもある2024年はどういう年にしたいですか?
 
茜屋 基本的に「楽しい」「幸せ」という気持ちが軸になるような活動の仕方をしていきたいなと思ってて。自分が楽しんで生んだものって、受け取ってくださる方にももちろん伝わると思うので、そういう気持ちをみんなに共有していけるような感じの年にしていけたらいいなと思いますね。
 
──YouTubeを見る限りでは、ソロの制作も相当楽しそうでしたしね。
 
茜屋 それが伝わってるならよかったです(笑)。何をやるにしても、そういう年にしていきたいですね。
 
──そうなることを期待してます。ありがとうございました!
 



ソロデビューシングル
「Stereo Sunset (Prod. AmPm)」
2023.11.22 ON SALE

 
 

Himika Akaneya Live -SOLO-

2024年1月14日(日) 代官山SPACE ODD 
昼公演 : 開場 14:30 / 開演 15:00
夜公演 : 開場 18:00 / 開演 18:30
スタンディング 7,200円(税込)

https://iris.dive2ent.com/news/detail.php?id=1112722


【i☆Ris WEBSITE】
https://iris.dive2ent.com/

【茜屋日海夏 X】
https://twitter.com/iRis_a_himi

【茜屋日海夏 YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCwCfG7UHT9jubtG1M5dH4Bw

【茜屋日海夏 Instagram】
https://www.instagram.com/himika_akaneya_official/






  【TVアニメ『MFゴースト』】
TOKYO MX、BS11、アニマックスほかにて放送中!
Lemino、Prime Videoにて先行配信!アニメタイムズ、dアニメストアほかサービスでも順次配信中!

 
高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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