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CHANSUNG(2PM)

【CHANSUNG(2PM)】日本でソロ活動を再開。「長く活動できるのはファンのみなさんの愛のおかげ。僕もその想いに愛で恩返ししたい」

2024.05.10
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インタビュー
2PMのCHANSUNG(チャンソン)が盟友である2AMのチャンミン、そして日本のヒップホップ界の重鎮AK-69とコラボした楽曲「Into the Fire」を4月24日リリースした。日本でのソロシングルリリースはおよそ6年ぶりということで本人も「すごく緊張しています」とかしこまっていたけれど、いざインタビューが始まったら流暢な日本語で、ユーモアセンスもまじえながら語ってくれた姿が印象的。日本での活動再開に賭ける想いやファンへの愛、さらにはアーティストと俳優を両立しながら活動することで得られるインスピレーションについてなど、今まであまり語ることがなかった深いところまでたっぷりと解き明かしてくれた。
 

テンション高く、ロックサウンドとラップがマッチした「Into the Fire」!



──昨年、2PMとしては7年ぶりに日本公演「2PM 15th Anniversary Concert <It's 2PM> in JAPAN」を行いましたが、ソロとしては本当に久しぶりに日本での活動となります。今のお気持ちは?
 
CHANSUNG 以前、ソロとして日本に来たのは6年近く前になるので緊張しますし、すごくドキドキしています。ずっと日本のファンのみなさんに会いたいと願っていたんですが、今までなかなか機会がなかったんですよね。2016年に2PMとして東京ドームでコンサートをして、2018年にはソロでミニアルバム『Complex』をリリースしてコンサートもしました。その後に兵役があって、コロナ禍もあったので、本当に久しぶりです。実は除隊後すぐ日本でツアーの予定があったんですが、コロナでできなくなってしまったんですよ。でも、日本でファンのみなさんが待ってくれているので、早く活動をしたいと考えていたところ、こうして日本でソロ活動をする機会に恵まれて、本当にうれしいです。

──朝からテレビに生出演もされていましたが、いかがでした?
 
CHANSUNG 面白かったです! でも緊張しました。生放送で2時間も出演するということで、はたして大丈夫かなと思って不安だったんですが、とにかくやってみようって。ファンの方にもたくさん観ていただいたみたいで、SNSでいろんな反応を拝見しました。
 


──4月24日、「Into the Fire」がリリースされました。この曲を初めて聴いた時の印象はどうでしたか?
 
CHANSUNG テンションが高い曲だし、ロックなサウンドとラップがとてもよくマッチしていると思いました。AK-69さんがとてもいい曲を作ってくださって、歌詞も含めて完成度の高い曲になったと思います。
 
──「Into the Fire」はスピーディでロックな楽曲ですが、レコーディングで苦労されたことなどはありますか?
 
CHANSUNG 普段とは発声を変えたので、それに慣れるまでは少し大変だったかなというくらいですね。ロックな曲なので、それに合わせてボーカルにも力を入れないといけないと思って、それに慣れなくてちょっと大変でした。こういう雰囲気の曲を歌うのは初めてだったので、いい経験でした。
 
──AK-69さん、CHANGMIN(2AM)さんとのコラボ曲ということですが、お二人とのコラボはいかがでしたか?



CHANSUNG AK-69さんとは初対面だったんですけど、本当にいい方です。レコーディングの時に初めてお会いして、最初はちょっと近寄りがたいオーラを感じたんですが、いざレコーディングが始まって、サングラスを外したお顔を見たらとてもやさしくて、中身もとてもいい人で。会って10分も経たないうちに緊張が解けて、レコーディングに集中できました。チャンミンさんはよく知っている仲ですし、とにかく歌が上手なのはわかっていたので、「さすが」という感じでしたね(笑)。チャンミンさんは日本語も上手です。

──「Into the Fire」はクラブリミックスもありますが、こちらの楽曲とオリジナルの違いはどう感じましたか?
 
CHANSUNG クラブリミックスだからか、クラブにいるようなサウンドとリズムになっているんじゃないかなと思います。そのせいか、原曲がテンション高くしっかりと走り切るイメージの曲だとしたら、リミックスはワーッとテンション高く楽しむのではなく、自分の内側でひっそりと楽しむような感覚になる曲ですね。だからリミックスはひとりで聴きながら楽しめる曲だと思います。
 
──アニメ「Re:Monster」の主題歌に抜擢されたということで楽しみにしていることはありますか?日本のアニメや他のカルチャーなどで興味のあることはありますか?
 


CHANSUNG アニメのオープニングの映像を見せていただいたんですが思ってた以上によくマッチしていて、日本のアニメならではの感じがあって、すごく気に入りました。以前2PMの日本デビュー曲「Take off」がアニメ『青の祓魔師(エクソシスト)』のエンディング曲になったことがあり、当時のことも思い出したりして、すごくうれしかったです。僕はもともと日本のアニメが好きで、最近Netflixで配信された『寄生獣―ザ・グレイ―』を観て原作のマンガも読んで、アニメも観ました。『寄生獣―ザ・グレイ―』は原作の物語の舞台を韓国に移して、もし謎の寄生生物=パラサイトが韓国に襲来していたらという設定のストーリーなんです。最後には原作の主人公・新一とミギーも登場するんですよ!


日本でのソロ活動を頑張って、ソロでアリーナ公演をしたい!




──思っていたより詳しくてびっくりしました(笑)。そしてCHANSUNGさんといえばドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」をはじめ俳優としても活躍されています。俳優として演技をしている時と、アーティストとして歌う時で感じる違いはありますか? 
 
CHANSUNG 大きな違いのひとつは、観ている方の反応が早いか遅いかの差がありますね。ステージに立っている時はみなさんの反応は見ていてすぐにわかるし、僕が口にする言葉に対してもファンのみなさんが反応してくださるので、そうやってリアクションを受け取りながら進行するのがアーティストとしてステージに立っている時だとすれば、俳優として演技をする時はみなさんの反応を受け取るのはとても遅くなります。最近の韓国は基本的に撮影から3か月から半年くらい待たないと作品が放送されなくて、撮影する期間も含めるとほぼ1年後に放送されるような感覚なんです。そのおかげでクオリティが高くなったという面もありますが、俳優の立場としてはちょっともどかしさもありますね(苦笑)。
 
──どちらも表現を主する職業でもありますが、表現においての違いはありますか?
 


CHANSUNG アーティスト活動は詩的表現で、俳優は小説のような散文的な表現ではないか、と考えています。音楽は、短いものでは3分、長くても5分くらいの間で世界観を表現するので、時間的な尺で言ったらほぼCMみたいなものなんです。それに比べると尺が長いテレビや映画は小説ですね。音楽は尺が短い分、表現できる時間にも限りがあるので、エッセンスだけをぎゅっと絞って見せる感じだとすれば、ドラマや映画はそのキャラクターが持つ背景や内面まで丁寧に紐解いてくれるじゃないですか。だから、それぞれの楽しみ方がありますよね。
 
──俳優としての経験がアーティスト活動に影響を及ぼしたり、またその逆はあったりしますか?
 
CHANSUNG ステージに立つという活動や経験が日常生活にも何らかの形で影響を及ぼしていると思いますし、また逆に日常生活がアーティスト活動や俳優として活動する時の自分に影響を及ぼしていると思います。それと同じく、アーティストとしての活動が俳優の活動に影響を及ぼしたり、俳優の活動がアーティスト活動に影響を及ぼしたり、相互作用というんですかね、どちらかの活動をしながら、もう一方の分野にインスピレーションを受けることは多々あります。そういったひらめきというものはすごく自由で、アーティスト活動をしている時はアーティスト活動だけに専念するといって切り離せるものではなくて、例えば日常生活においてもいろんなアイディアはひらひらと頭に浮び上がって、「このアイディアは次のソロ活動に活かせるな」とか、「今の感情は演技をする時に参考になりそう」とか、そういったことが大事なんだと思います。だから僕は仕事に集中するためにどこかに一週間閉じこもったりするよりは、集中する時は集中して、それでダメなら諦めて一休みします(笑)。アーティストとしての自分と俳優としての自分をそれぞれ別として完全に遮断するのではなく、どちらも自分なんですよ。それで、なにげない日常でもインスピレーションを感じる何かがあったら記憶しておいて、それに合う仕事の時に取り出すような感じです。

──2PMとしては昨年15周年を迎えられ、長く活動するグループとして日本でも愛され続けています。それだけ長く活動できるグループはそんなに多くはありませんが、長く愛される理由と長く活動する秘訣は何だと思いますか?
 
CHANSUNG 今までがんばって活動してきましたが、それはファンのみなさんがいらっしゃるから可能なことなんです。もちろん、ファンのみなさんが僕たちを変わらず好きでいてくれるということもあるだろうけど、長く築いてきた関係性のおかげでもあると思うし。デビュー15周年を迎えても、今も変わらず僕たちを愛してくださって、僕たちもそんなみなさんにたくさんの愛を届けたいですし、今よりもっといい姿をお見せするための努力で恩返しをしたい気持ちもあります。そういう、おたがいを愛して思いやる心があるから、長く続いてきたのかなと思います。

──昨年のコンサート以来だとすれば半年ぶりの日本ですが、日本にはよくいらっしゃいますか? 日本で好きな場所や、日本に来る時に楽しみにしていることはなんですか?
 


CHANSUNG 実はコンサート以来、毎月日本に来ています(笑)。日本に来るたびに、何を食べようか悩むんですけど、5月になったら食事管理を始めるので悩むことはなくなりますね。でも日本に来たら絶対に生ビールは欠かせないので、1日に1杯ならなんとか許されるのではないかと(笑)。好きな場所は、表参道とか原宿あたりが好きです。ショッピングが好きというより、ただブラブラするのが好きなんです。コンディションがいい時はホテルの周りをランニングしたりもします。

──日本で活動するならやってみたいことや行きたい場所はありますか?
 
CHANSUNG 僕がカメラマンとしてどこかに写真を撮りに行きたいです。沖縄とか北海道とか行って、そこの景色を収めたいです。沖縄は昔から仕事で何度か行ってますし、個人的に旅行でも行って、それで大好きになりました。沖縄って冬でもあったかいですよね。そういう南国の雰囲気が好きです。

──アニメの主題歌に抜擢されたことで、2PMやソロ歌手、もしくは俳優としてのCHANSUNGさんを知らずにこの曲で興味を持つ方もいらっしゃると思います。そういった方に向けて、CHANSUNGさんがどういったアーティストであるかを簡単にご紹介したいのですが、今までのすべての活動でCHANSUNGが個人的に気に入っている作品を教えてください。
 
CHANSUNG 僕は2008年に2PMのメンバーとして韓国でデビューして、「Heartbeat」という曲がヒットしてたくさんの方に知っていただくようになりました。2011年に日本デビューして、それからいろんな活動をさせていただきました。デビュー当初から東京ドームのステージに立ちたいと言っていたんですが、2016年に念願かなって東京ドームでコンサートをしました。
2017年には『2PM CONCERT "6Nights"』いう6日連続のコンサートをして、その公演を最後にメンバーの兵役にともなって2PMが活動休止に入り、僕は2021年に除隊して活動を再開しました。去年10月に『2PM 15th Anniversary Concert <It’s 2PM> in JAPAN』で久しぶりに日本で公演をして、本格的な活動再開となりました。俳優としては、最新作はドラマ『純喫茶イニョン』(2024年3月30日よりフジテレビTWO・ひかりTVチャンネルで配信)があります。韓国ではシットコムというジャンルのほぼコントのようなドラマがあって、『思いっきりハイキック!』(2006年)というシットコムは韓国で当時本当に人気があったんですよ。毎日放送されていたのに平均視聴率が20%くらいあって1年続いたんですが、その作品が僕の俳優デビューですね。その他にも『怪盗ロワイヤル』(2011年)や『7級公務員』(2013年)、『七日の王妃』(2017年)、『キム秘書はいったい、なぜ?』(2018年)、『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』(2023年)などなどたくさんあります。日本の映画『忘れ雪』(2015年)にも出演しました。真面目な役よりちょっと笑える明るいキャラクターが多くて、そういう役を演じた時のほうが作品がヒットします(笑)。

──アーティストとしてやっていきたい活動や夢はありますか?
 
CHANSUNG 今のところの目標は、日本で活動をがんばってソロでアリーナ公演をしたいという思いがあります。俳優として、今まで以上にいろんな役を演じてみたいです。アクションにも挑戦してみたいですし、悪役も演じてみたいです。
 
──日本のファンのみなさんにメッセージをお願いします。
 
CHANSUNG みなさん、いつも応援してくださってありがとうございます。日本に来るたびにいろんな活動をお見せしたいですし、より成長した姿をお見せするために努力しています。僕のことを変わらず待っていてくださって、そして愛してくださって感謝しています。またお会いしましょう!
 

 
撮影 長谷英史



CHANSUNG(2PM) & AK-69 feat. CHANGMIN(2AM)
「Into the Fire」

4月4日MX TV他スタート、アニメ「Re:Monster」オープニングテーマ曲
2024.04.24 ON SALE
 



【CHANSUNG JAPAN OFFICIAL WEBSITE】
https://www.chansung.jp/

【CHANSUNG Instagram】
https://www.instagram.com/hwang_chan222/

【CHANSUNG X】
https://twitter.com/2PMagreement211


尹秀姫(ゆんすひ)
WRITTEN BY尹秀姫(ゆんすひ)
出版社勤務を経て、現在はフリーの編集・ライター。たまに韓国語の通訳・翻訳も。K-POPを中心にさまざまなアーティスト・俳優にインタビューしています。
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