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【松村優】勝手にセリフを考えてアドリブで入れていこうかな【ACTORS STAND】

2024.03.19
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エイベックスに所属する俳優陣の集い場「ACTORS STAND」の第1弾作品として、4月17日~21日、赤坂レッドシアターで上演される『無垢ども』(大野大輔/脚本・演出)のキャスト連続インタビュー。5人目は、鳩矢谷高校の主幹教諭「松崎」役の松村優さんです。経験豊富な松村さんとしても初となる「嫌われ役」を演じるということで、いろいろ考えるところがあるようで……。
 
 
『無垢ども』のストーリーはすっごいトガってるけど、今の世の中にピッタリな作品!
 
 

──今回の「ACTORS STAND」に参加が決まってどう思いましたか?
 
松村 エイベックスの役者と、役者ではないタレントの子まで含めて一緒にやれるということですごくワクワクしてますし、これが「Vol.1」でスタートなので、これを機に「Vol.2」「Vol.3」と続けていけるように、「また見たいな」と思ってもらえる作品にしていければなと思っています。
 
──今回、共演される方には以前からのお知り合いも?
 
松村 そうですね。砂川脩弥君とは1回共演していて、桑畑亨成は、共演はないんですけど会社で何度か会ってる感じです。
 
──桑畑さんとは同じ「イケ家!」出身だと思いますが、共演はなかったんですね。
 
松村 そうなんですよ! だから余計に今回一緒なのがうれしくて。他で舞台とかやってると、事務所内の人と関わる機会があまりなくて、事務所に友達が少ないので、今回、友達が増えそうだと思って楽しみです(笑)。
 
──では、現場も楽しくなりそうですね。
 
松村 そうですね。他の現場と違って家族みたいに思えるし、言いたいことも言いやすいかなと思います。変に気を使わなくていいというか、みんなでスキルアップしていけたらいいと思うので、いろんな意見交換をして、刺激をもらえたらなと思ってます。
 
──共演者には「演技は初めて」という方もいる中で、ベテ……
 
松村 ベテラン!(笑) というか、「それなりにやってきました」というぐらいです(笑)。
 
──まあベテランというとアレですが(笑)、特に舞台経験は多いですよね。そういう側としては、どう考えていますか?
 


松村 初めてだと絶対分からないだろうなということも多いし、僕も最初の頃は、「どうやって芝居を作っていけばいいのか」とか全く分からなかったので、そういう作り方とかに関しては、自分が学んできたことを伝えたりはしたいなと思います。僕は聞かれないと言わないタイプだし、役者は個性が大事なので、「こうだよ」ってガチガチに固めるんじゃなくて、「こういうやり方もあるんじゃない?」という感じで、うまいこと話し合っていければいいかなと思ってます。先輩風を吹かせるわけじゃないですけど(笑)、「気軽に聞いてくれて全然いいよ」というような心構えで臨もうかなと。
 
──ご自分の最初の頃、先輩の方にそういう風に導いてもらいましたか?
 
松村 僕は最初が『テニスの王子様』だったんですけど、ちょっと特殊で、みんながみんなで作るような感じだったので、先輩とかがいない状況だったんですよ。みんなで「こうじゃない?」「ああじゃない?」って言い合ってケンカしてやっていきました。その後、他の舞台では……でも僕も、あんまり聞く方じゃないんですよ。どうやって作ればいいかは自分で考えるものだし、自分で見つけ出すものだと思っているので。最終的に、本当に分からなかったら聞く程度なんです。どちらかというと演出の方に聞きつつ、「他の人たちはこういう作り方をしてるんだな」というのを見ていって、いろんな作り方があるんだなと学んできました。だからそうやって、自分で気付くことが一番大事なのかなって思ってますね。
 
──今回の作品『無垢ども』のストーリーについてはどういう印象ですか?
 
松村 最初に台本を読んだ時には、「すっごいトガってるな」って思いました(笑)。でも、今の世の中にピッタリな作品なんじゃないかなと。今の人たちって、話し合うことをしないで勝手に決めつけて、自分の意見を言うことが多いじゃないですか。SNSだと特に。そうじゃなくて、ちゃんと話し合って相手のことを理解して、その上で納得できないなら全然いいんですけど、話し合いもしないまま納得しないっていうのは違う、っていうメッセージが、この話には込められてますよね。今の世の中では多様性が大事と言われてますけど、人それぞれの考え方があるというのはすごく大事なことで、みんながそれを認め合って生きていかなきゃいけないので、この作品を見て「ああ、いいな」とか「自分もこうしていこう」とか感じてもらえればいいなと思ってます。
 
──そんな中で、「松崎」という教師は……
 


松村 めっちゃイヤなヤツです(笑)。誰の意見も聞かなくて、自分の言いたいことばっかり言うヤツですね。
 
──一見、多様性を大事にしているようで、実は……という人ですよね。
 
松村 はい。生徒のこともホントにナメてるし、「俺が一番偉い」みたいに思ってる嫌われ役なんですよね。僕はこういう嫌われ役をやるのが初めてなんですけど、そういう役でもどこか愛せるところがないと、見ていて苦しいだけだと思うので、「すっごいイヤなヤツだけど、こういうところはかわいいよね」とか、「あの人にはあの人の正義があって言ってるんだな」というところがお客さんに伝わればいいかなと、そうできるようにするのが課題かなと思ってます。
 
──今、お話をお聞きしていて、松村さんとしては「みんなで話し合って現場を作っていきたい」というお話でしたが、演じる「松崎」は、話し合おうとはしない役と。「松崎」には共感できないですよね?
 
松村 できないですね。でも、彼には彼なりの正義があってやってることだと思うので、間違ってるわけではないと思うんですよ。間違ってるわけではないけど、伝え方の問題、やり方の問題なんじゃないかなという気がするので、彼に対しては「やり方を変えればいいのにな」と思ってますね。もっといいやり方があるのに、一つ考えるとそれしか見えなくなるタイプだと思うので。ただ、それも認めていかなきゃいけないかなと。僕が一緒にいたら「じゃあ、松崎の話を聞こう」ってなると思います(笑)。
 
──「松崎」より松村さんがよっぽど大人ということで。
 
松村 いや、僕はけっこう子供っぽいんですけどね(笑)。それか、人に興味がないか、どっちかなんですけど。
 
──いやいや(笑)。これから、役作りとしてどんな「松崎」にしていきたいですか?
 
松村 けっこう難しい言葉とかも使ったり、「オルァ、貴様ら~!」みたいな場面も多いので、迫力を見せてお客さんにインパクトを残したいですね。台本上でも十分インパクトがあるんですけど、それをやるのは僕だし、生の舞台でやるからこそ、台本に書かれてないような部分、笑える部分も作りたいなと思ってます。そのために今、勝手にセリフを考えてアドリブで入れていこうかなと考えてて。それが許可されたらそういうのも足していって、嫌われるだけじゃない男にしていければと思っています。
 
 
「松崎」はホントにイヤなヤツ。ムカついてもらえたら本望!?
 
 

──そういう意味では、今回は幅を広げるチャンスであり、チャレンジでもありそうですね。
 
松村 そうですね。この「ACTORS STAND」自体がチャレンジですし、自分自身も今までやったことのない役に挑戦するので、すごく実になる作品になるんじゃないかって、ワクワクしてますね。
 
──今回のキャストの中ではそこまで年齢が高いわけではないですが、生徒役も多い中で教師を演じるわけですよね。そこはどうですか?
 
松村 いえ、そこは別に。「松崎」は設定的には30代後半と聞いて、僕より10歳以上上なんですけど、僕も役者なので、そこは演技で見せていけたらなと思ってます。それで「あの先生役、実は20代なんだって」って驚いていただけたらうれしいですし。生徒役の人たちはみんなけっこう元気に演じてくれると思うので、芝居で差別化できるんじゃないかと思ってますね。稽古の中でみんなの芝居の仕方を見て、「ここは自分が元気にいった方が、オジサンの変な感じが出るかな」とか、バランスを見てやっていければなと。
 
──稽古から本番まで長丁場ですが、これまでの経験も含めて、この期間を乗り切るために意識していることって何ですか?
 
松村 特にはないんですけど、甘いものはとるようにしてますね。楽屋にもいつもグミを置いてるんです。それでストレスを発散したり、あとは稽古後に何人かでお酒を飲みに行って、芝居以外の話をしたりおいしいものを食べたりしてメンタル面をケアしつつ、また稽古に挑めるような状態を作ってます。そういう場で、初めての子たちにもしっかり……学んでほしいって言ったら偉そうですけど、その子たちにも実になるような作品になればいいかなって思ってます。
 
──ではこれまでの舞台でも、「じゃあ飲みに行くか」みたいなこともけっこうあったんですね。
 
松村 ありますね。でも僕からは「飲みに行こう」ってあんまり言わないんですよ。仲良くなったら「今日、行きません?」とか声かけたりはするんですけど。そんな感じで飲みに行ったり、帰り道、歩いてる時にフラッと飯に寄ったり、そういうのも仲良くなるきっかけなので。とりあえず最初の段階でみんなと仲良くなって、言いたいことも言い合えるような関係になっていけたらなと思っています。
 
──今のお話をお聞きすると、「サシ」がいい派ですか?
 
松村 サシはしんどいけど大人数もイヤっていう、ちょっと面倒くさいタイプで(笑)、3人から4人ぐらいが一番いいですね。「中人数」というか。
 
──この作品は松村さんにとっても一つのきっかけになりそうですが、その先はどうしていきたいですか?
 
松村 自分もそうですけど、エイベックスの俳優チーム全体が、この作品、「ACTORS STAND」っていう企画を通して力をつけていって、みんなもっと上のステージに行けたらいいですよね。ゆくゆくはもっと会場のキャパを広げてハコを大きくしていって、みんな幸せに楽しく仕事できるようになればいいなと。自分自身は、今までやってきた役がけっこう似てて、何をやっても「松村優」になっちゃうんですよ。僕はそれはいいことだと思ってるんですけど、でももうちょっといろんな面、個性を出していけるような役者になっていきたいなって考えてます。
 
──将来的にやってみたい役とか、こういう作品に出てみたいという希望は?
 


松村 福田雄一監督のコメディ作品とかを見るのが好きなんですよ。あんな感じで、ふざけ倒してるけどお芝居は真面目にやってるみたいなのが好きで、ああいう作品に出ていきたいというのもありますし、逆にめちゃくちゃシリアスな、ガチゴチに芝居力を試される作品にも出て、両方こなせるような振り幅があるような活動をしていけたらと思います。
 
──そういう意味で理想の俳優さんというと?
 
松村 松田翔太さんが好きですね。『アフロ田中』とかではけっこうふざけてるけど、『LIAR GAME』ではあんなカッコいい役で、そういう二面性があって独自の世界観を持ってるような方を目指してますね。
 
──見に来るお客さんには、この作品をどう楽しんでほしいですか?
 
松村 けっこうテンポもいい作品になると思うんですけど、その中でけっこう難しい言葉が出てきたり、話してる内容がややこしくなったりするところもあるんですよね。そこは集中して見ていただきたいですし、こちらもワードがしっかり届くように演じていきたいと思います。この作品を見て、「何回も見たいな」「見てよかったな」と思ってもらえるように、楽しく素敵な作品に作り上げていきたいと思っているので、楽しみにしていただきたいですね。
 
──その中で、「松崎」のここを見てくれというポイントは?
 
松村 ホントにイヤなヤツになると思うので、僕を見てムカついてくれたら本望ですね。最後は「ムカつくけど、憎めないよね」で終わってくれたら最高です。出番がけっこうあるので、「松崎しか見えなかった」って言ってもらえたら……作品としてはダメなんですけど(笑)、役者としてはそれがいいので。「松村にしか目が行かなかった」って思ってもらえるように頑張ります(笑)。
 
──ありがとうございました!

 
撮影 沼田 学



ACTORS STAND Vol.1 『無垢ども』
 


日程:2024年4月17日(水)~21日(日)
場所:赤坂RED/THEATER

脚本・演出:大野大輔(AOI biotope)

出演
平美乃理
花音、福山絢水/中山優貴
松村優、桑畑亨成、佐藤颯人
瀬尾タクヤ(ゲスト出演)
高柳明音/砂川脩弥

制作:AOI Pro.
主催:エイベックス・マネジメント・エージェンシー株式会社


【ACTORS STAND WEBSITE】
https://actors-stand.com/

【ACTORS STAND X】
https://twitter.com/ACTORSSTAND



【松村優 WEBSITE】
https://avex-management.jp/artists/actor/YUMTMR 

【松村優 Instagram】
https://www.instagram.com/yumatsumura16/

【松村優 X】
https://twitter.com/yu_matsumura24

高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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