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【ライブレポート】『GENIC LIVE 2023 -Flavors- Special Edition』これがGENICの今の現在地

2023.05.03
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ゴールデンウィーク初日の4月29日、LINE CUBE SHIBUYAで開催されたGENICのライブ『GENIC LIVE 2023 -Flavors- Special Edition』。“Special Edition”というだけあって豪華演出やサプライズが盛りだくさんだったこのライブの模様をレポートします!


演出盛りだくさんの中、歌もダンスもしっかりと魅せつける!


いろんな要素に埋もれないうちに、結論から先に書いてしまうと、この日は掛け値なしに素晴らしいライブでした。魅入って、聴き入って、驚いて、楽しんで、そして泣けるライブ。これまでのGENICの全てが詰まっていると同時に、これからのGENICの道に思いを馳せずにはいられない、そんなライブでした。
 
2月15日にリリースされた新曲「Flavor」をひっさげ、全国ライブハウスツアーを敢行したGENIC。その追加公演として組まれたのがこの日のLINE CUBE SHIBUYA公演、『GENIC LIVE 2023 -Flavors- Special Edition』。
 
場内に入ってみると、ステージには中央に階段が設けられ、上った先にはステージの半分程度の幅のフロアが。その奥には巨大ビジョンが設置され、今回の公演のロゴが表示されています。上のフロアの両側には一段高いスペースがあり、高低差を使った演出がありそうな雰囲気。3階席までほぼ満員のお客さんは、ペンライトを片手に、今からこのステージで繰り広げられるライブを心待ちにしている様子。
 
会場BGMの音量が一段上がると、みんな立ち上がってスタンバイします。まだこの時点ではザワザワしていましたが、暗転するといよいよスタート。ビジョンに渋谷の街並みが映し出された後、メンバーの顔に切り替わると大歓声が起きます。7人を紹介すると、彼らがLINE CUBE SHIBUYAに着いたところで曲へ。
 


1曲目は「Supersonic」。スモークが焚かれ、きらびやかなライトの中でメンバーが登場すると、歓声もひときわ高くなる中でまず聞こえてきたのは増子敦貴さんの歌声。メンバーは全員、白を基調とした衣装に身を包んでいます。この曲はライブハウスツアーでも2部の1曲目になっていましたが、GENICの特徴である、7人が次々に立ち位置を変えてのフォーメーションダンスもバッチリ。またこの動きに衣装が映えること!

「行くぜLINE CUBE!」と増子さんが煽ると、2曲目の「UPDATE」へ。小池竜暉さんのシャウトからスタートするこの曲で、会場のテンションはさらに高まります。そして3曲目の「BURNIN’ BURNIN’」に入ると、ステージが歌詞に合わせて真っ赤なライトに包まれただけじゃなく、パイロから火柱まで! オープニングからそうでしたが、今回の演出は本当に気合いが入っています。またこの曲の中では、「止められねえよな!」という西澤呈さんの一節も印象に。メンバーも気合いが入っています!

3曲突っ走ったところで、この日初めてのMCへ。横一列に並んだメンバーは改めて客席を見渡し、多くの観客で埋まった会場に感激し、思わず浸ってしまい言葉が止まる場面も。話は先ほどの炎やLEDを使った演出のことや、宇井優良梨さんが髪色を変え、金谷鞠杏さんが髪を切ってそれぞれイメチェンしたことにも及びます。他のメンバーが口々に「ウチの女子2人、かわいいでしょう?」とアピールするあたりが、男女で仲の良いこのグループならではだったり。

4曲目「FUTURES」に入る時には7人がステージの端に集まり、さらに反対側にも行って、両サイドのお客さんを煽り、会場を盛り上げます暗転から5曲目は、アップテンポな「Shaky Shaky -Remix-」。ビジョンに映し出される映像と一体になった演出で盛り上がり、センターに立った増子さんが指でハートを作ると場内からはもう悲鳴に近い歓声が! 2列に並んだメンバーが背を向けてポーズを決めると暗転するところまで、もう「カッコいい」の言葉しかないです!



で、ここからは“Special Edition”ならではの演出へ! 6曲目の「My BABY」では金谷さんと宇井さんの女子チーム、7曲目の「U&I」では男子チーム5人のみでのパフォーマンスが見られました。昨年発表された2ndアルバム「Ever Yours」で初めてトライした「女子曲」「男子曲」、その時のツアーでも披露されていましたが、こういう大箱ではいいアクセントになっています。「My BABY」では金谷さんのシャウトからそれぞれがピンスポットを浴びながら踊るパフォーマンスに観客は魅了されました。
 


セクシーな魅力も見せた女子に負けじと、「U&I」では上段フロアに5人が並び、マイクスタンドを使って歌いあげます。歌も冒頭の小池さんの高音から増子さんへのつなぎ、そして後半の「これが僕にできるすべてなんだ」という部分の、雨宮翔さんの力強さなどハッとさせられる部分も多数。終盤、ライトの乱舞を浴びて踊る5人の姿もカッコよすぎでした。

ミラーボールの輝きから始まった「MOONLIGHT」ではまた7人が揃い、スモークも相まって幻想的な雰囲気の中、この日初のバラード曲をしっとりと聴かせます。ここでも終盤の女子2人のパートがいいアクセントに。
 
続いてピアノの音が聞こえてくると、それだけで歓声が。「月夜に馳せる」では全員が階段や上部サイドステージのヘリに座り、歌を繋いでいき、会場全体をこの曲の世界感に惹き込んでいきました。


メンバーも感涙! 最後のMCで語られたメッセージとは?


その余韻に浸りながら、ここでいったんメンバーがはけて、ビジョンで映像が流れ始めます。「キーンコーンカーンコーン」というチャイムとともに、映るのは教室? メンバーが1人1人制服姿で現れると、そのたびにまた場内からは悲鳴のような歓声が!7人が揃ったところで授業は……自習!ということでUNOをやり始めるんですが、これがまた大騒ぎ。細かい内容はこの日見たお客さんの思い出にということにしときますが、それぞれに制服プラスアルファの普段見られない姿で、いつものメンバーたちのワチャワチャ感もよく出ていた映像でした。



その映像が一転してシリアスなトーンになると、ビジョンの下部分のパネルが開き、バックライトの中で7人が再登場! 今回のツアーテーマでもある「Flavor」が開始です。衣装も全員異なるカジュアル&スポーティーなものに着替えているので、ダンスも今までとまた違って見えます。小池さん・西澤さんのコンビで制作されたこの曲はGENICの新しい世界を開く一作でもあり、ステージで見るとさらにパワーアップした感がありますね。金谷さんと宇井さんの女子チームがラップに挑戦していたり、全員が歌いながら(意外と珍しい)ダンスする場面があったりと、展開も多くて飽きさせません。

曲は「SUN COMES UP」~「Aventure」と続き、「Aventure」では雨宮さんがサングラス姿で登場。小池さんのシャウトで暗転すると、2度目のMCに突入します。先ほどのUNO映像の感想や撮影こぼれ話、「誰が陽キャ&陰キャか」と話が進む中、増子さんの言葉に一瞬みんなが止まったり、金谷さんが「翔、サングラスかけて調子に乗ってたよね」と衝撃発言を飛ばしたりと、ここでもワチャワチャするメンバーたち。「どこから来たの?」「部長の人?」などのアンケート(?)を取ったり、「3階席チョー怖い」「(2階、3階左右のせり出し席を指して)絶壁チョー怖いよ!」などの話題から雨宮さんがビジョンにどアップになったりと話題もあっちゃこっちゃ行きましたが、リーダー・西本さんの「まだみんな騒ぎ足りないですよね?」の声で終盤戦に突入!

「ガッツリ騒げるパートを用意しました」の言葉通り、「READY GO」~「We Gotta Move」~「ジリジリSUMMER」のメドレーではメンバーも観客もホントにガッツリ大騒ぎ! 「ジリジリSUMMER」の前には金谷さんのCA風アナウンスが入り、みんなタオルを振ってノリノリ。増子さんの「みんな大好きだよー!」でメドレーが終わっても、「タオルまだまだ使うよ」の言葉で「夏の聲」に突入し、全員でタオル振りまくり。

そして本編最後の曲、「TALK」へ。この曲は今までで一番というぐらい躍動感に満ちた中盤のダンスが圧巻! ここまででも完全燃焼というぐらいに暴れ尽くして、メンバーはステージを後にしました。

でもまあ、これで終わるわけはないですよね(笑)。アンコールの拍手に応えてビジョン下のパネルが開くと、今度は黒のグッズTシャツに着替えたメンバーが再登場。「夏恋」では小池さんが金谷さんの肩に手を回して「キャーッ!」という声が上がったりする中、ビジョンに「まもなくです!」の文字が。「3」「2」「1」「掲げてください!」の合図に従い、お客さんが手に持った紙を一斉にステージに向けて掲げます。入場時に配られていたその紙には「We want to be with GENIC」のメッセージが。これはスタッフがメンバーに内緒で用意したサプライズ演出。ステージから見たらさぞ壮観な眺めだったことでしょう。そうそう、曲の終盤に今度は西澤さんと宇井さんが指でハートを作ると、また「キャーッ!」。アンコール1曲目、何かと忙しいです(笑)。

「まわりみち」ではサビで「せーの!」の声に合わせて両腕を前に立てて振る振りをファンと一緒に楽しみ、その後は最後のMCへ。ここまであっという間だったライブを振り返りつつ盛り上がっていましたが、ひと息置いて西本茉生さんが「代表して僕から少しだけ話をさせてください」と言うと、場内の空気は一変。メンバーも観客も聴き入ります。

西本さんは、GENICが活動開始してすぐにコロナ禍に見舞われたこと、そこから頑張って、今回のライブではいろんなことに挑みつつ、しっかりと手応えを感じられたことで改めて観客に感謝。そして、「でもね」と続けます。この公演があと一歩というところでソールドアウトにできなかったのが、悔しいと。そしてこの場に大きな発表を持ってくることができなかったと。西本さんは本当に悔しそうな表情を見せて、何度もお詫びの言葉を口にしますが、その場で聞いていた人たちは誰一人として、彼らが悪いとは思っていなかったことでしょう。むしろこの日のパフォーマンスにこれからさらなる飛躍を果たす可能性を感じて、ワクワクしていたはずです。
 
そんな観客に、西本さんは「まだまだ未熟な僕たち」がこれからもっと大きくなることを約束し、そのためにGENICrew(スタッフ)、GENImin(ファン)の力が必要だということを訴えました。会場の反応を確認することはできませんでしたが、この言葉に涙したファンも多かったのでは?

アンコール最後の曲に突入すると、涙していたのがファンだけではなかったことが分かります。「TOGETHER」ではまたステージの両端にメンバーが走り、会場中のファンに手を振ります。歌が始まると、雨宮さんは泣いてしまって自分のパートが歌えず。横にいた増子さんがすかさず励まします。歌ってはいるものの、宇井さんの目からも大粒の涙が。階段を移動する際には、西澤さんも雨宮さんに駆け寄って軽く背中を叩きます。最後の歌詞は観客全員で合唱し、金テープが舞う中でエンディングを迎えましたが、MCからのこの曲での一連の出来事は、メンバー同士の深い絆を改めて感じさせてもらえました。



曲が終わると、観客を入れて記念撮影。「階段上がりたくなさすぎる!」と言いつつ上段フロアに並ぶと、マイクなしで「GENICでした!ありがとうございました!」と挨拶して締め。約2時間のライブはメンバー全員、全力で駆け抜けて、本当にあっという間に終了しました。
 
ビジョンでエンドロールが流れて、GENIminに「Special Thanks」が捧げられると、また歓声が。そして全て終わったと思ったら、全員の手書きメッセージとサインが映され、最後の歓声が上がります。これにてライブは全部終了。

大箱での“Special Edition”ならではの演出も数多くあったこの日のライブですが、やはり際立ったのは、7人のメンバー全員が歌えて踊れて、それがどこを取っても高レベルであること。そして、全編を通じて「歌だけ聴いていればいい」「ダンスだけ見ていればいい」という時間がほとんどないのも驚異的です。誰かが歌っている間は常に残りのメンバーが踊っているし、踊っている中で常に誰かが、あるいは誰かと誰かが(しかも刻々と組み合わせを変えたりしながら)歌い上げている。さらにこの日は女子ユニット、男子ユニットの可能性も改めて見せ、7人が持つ可能性が無限大だと感じさせられました。
 
ライブ前には「この後の予定がない(それだけこの公演に懸けている)」とメンバーが言っていましたが、この日ソールドアウトにほんの少しだけ届かなかった観客の全てが、「また観たい!」「すぐ観たい!」と思ったはずです。だからその日もきっとすぐ訪れるでしょう。最初に書いた通り、掛け値なしに素晴らしかったライブ。これからまた大きくなって、もっと大きな会場で彼らのパフォーマンスが観られる日を楽しみに待ちたくなる、そんなライブでした。


セットリスト

01. Supersonic
02. UPDATE
03. BURNIN' BURNIN'
04. FUTURES
05. Shaky Shaky - Remix-
06. My BABY
07. U&I
08. MOONLIGHT
09. 月夜に馳せる
10. Flavor
11. SUN COMES UP
12. Aventure
13. READY GO / We Gotta Move / ジリジリSUMMER
14. 夏の聲
15. TALK
<アンコール>
16. 夏恋
17. まわりみち
18. TOGETHER

【LIVE PLAYLIST】
https://genic.lnk.to/LIVE2023_Flavors
 
カメラマンクレジット:川島 伸一


<PROFILE>
男女7人組ダンス&ボーカルグループ。
avexのDNAを継承する新グループ育成プロジェクト=a-genic PROJECTを経て2020年5月にメジャーデビュー。
コロナ渦でのデビューでありながらも着実にリリースとツアーを重ね、2022年夏に2ndアルバムリリースと3度目の全国ツアーを開催し、9月11日のファイナルではZepp DiverCity公演完走。
2月からは16会場32公演の全国ツアー「GENIC LIVE HOUSE TOUR 2023 -Flavors-」もスタート。4月29日にはスペシャル・エディションとして、LINE CUBE SHIBUYAにて追加公演を完走。
5月7日には「SAPPORO COLLECTION 2023 SPRING/SUMMER」の出演も決定している。
増子敦貴は、俳優としても活動しており、これまでミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、テレビ朝日系『機界戦隊ゼンカイジャー』ツーカイザー/ゾックス・ゴールドツイカー役、ミュージカル『東京ラブストーリー』などに出演。DMM TVオリジナルドラマ「ナナシ-第七特別死因処理課-」では初主演を務めた。
また金谷鞠杏は、「ミス・ワールド2020」の日本代表に選出されたりと、各方面で活躍の場を広げている。


【GENIC OFFICIAL WEBSITE】
https://avex.jp/genic/

【GENIC OFFICIAL Twitter】
https://twitter.com/genic_staff

【GENIC OFFICIAL Instagram】
https://www.instagram.com/genic_staff/

【GENIC OFFICIAL TikTok】
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【GENIC from a-genic PROJECT YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCvCtSa1pWNTC0GnnkhbJw-w


高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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