Powered by Google 翻訳翻訳

ヨーロッパ各国で特許を取得!多くの人々がわざわざ足を運ぶ「FUJIHARU BUTTER」のスイーツバターサンドとは?【LiLiCoコラボ】

LiLiCo

ヨーロッパ各国で特許を取得!多くの人々がわざわざ足を運ぶ「FUJIHARU BUTTER」のスイーツバターサンドとは?【LiLiCoコラボ】

シェアする

  • X
  • Facebook
  • Line
  • X

「1つのテーブルをみんなで笑顔で囲めるように」という理念のもと、乳アレルギーがあっても食べられるようにと開発された、豆乳から作られた植物性バター「FUJIHARU BUTTER(フジハルバター)」。昨年に続き、この「FUJIHARU BUTTER」とタレントのLiLiCoさんとのクリスマス・コラボレーションが実現しました。 今回のコラボでは、「FUJIHARU BUTTER」を取り扱う量り売り店「ATELIER EPICURE FUJIHARU BUTTER -ŌRA-(アトリエ エピキュール フジハルバター オウラ)」の店内外を、LiLiCoさん自らがスウェーデンのクリスマス仕様に装飾。さらに、スウェーデンを象徴する食材「リンゴンベリー」を使用した新製品も発売されます。

この取り組みについて、「FUJIHARU BUTTER」を開発した藤春幸治シェフと、LiLiCoさんの対談をお届けします。対談では、クリスマス・コラボの詳細だけでなく、お二人がプロフェッショナルとしてお互いにどのように関わり合っているのかといった興味深い話題が展開され、予定時間を大幅に超える熱い対話となりました。

ヨーロッパ各国で特許を取得! さらに進化を続ける「FUJIHARU BUTTER」

──LiLiCoさんとのコラボも昨年に続き2回目ということで、FUJIHARU BUTTERが誕生したきっかけや、コラボが始まった経緯については、昨年の記事(https://avexnet.jp/column/1000692)をご参照いただければと思うのですが、その中で藤春シェフから「FUJIHARU BUTTERはまだ完成してない」という言葉が印象的でした。あれから1年、完成に向けた進展はどのように進んでいますか?

LiLiCo メッチャ進んでるよね。

藤春 いろいろと進展しました。ただ、世界全体を考えると、まだまだブラッシュアップしていく必要があると思っています。そのため、あえて『未完成』と定義付けさせていただいています。

EU批准国17カ国に加え、イギリスやスイスなどでも国際特許の申請が通り、認められたことは非常に大きな成果です。これからは、世界中の方々に知っていただけるような取り組みを進めていく必要があると考えています。

──なるほど。

藤春 また、日本においては、今回もLiLiCoさんにお力添えをいただいております。今回、試作品として、クッキーでバターを挟んだ、いわゆるバターサンドを作ってみました。

当店は、車がないと来店が難しく、駅が近くにあるわけでもなく、わざわざ目的地として選んでいただかないと足を運べないような立地にもかかわらず、多くのお客様にお越しいただき、大変ご好評をいただいております。これも皆様のおかげです。

──この群馬県邑楽(おうら)郡邑楽町という立地は、「あえて選ばれた」ということなのでしょうか?

藤春 「あえて」です。ここに出店を決めた際には反対意見も多くありました。しかし、食の多様性や知見、考え方という点で、日本はまだまだ世界に比べて後進的だと感じています。アレルギーやヴィーガンに対する理念、食事制限に対する寛容度についても、世界と比べると日本は大きく遅れていると常々感じていました。その中でも、地方はさらに遅れている状況です。

だからこそ、東京だけでなく、邑楽のような自然豊かでおいしい野菜がたくさんある場所から発信することが、もともとのコンセプトでした。そこにLiLiCoさんのお力添えもあり、昨年の記事に取り上げていただいたことをきっかけに、群馬県全体に私たちの取り組みを知っていただけるようになりました。

──そうなんですね。

藤春 はい、群馬県内では「名前は知っている」という方がかなり増えてきました。ただ、一方で「知ってはいるけど、お店にはまだ行けていない」という方も多いのが現状です。群馬といえば、どうしても高崎や水上、伊香保など、いわゆる「西側」が中心になることが多いですね。一方で、邑楽が位置するこちらの東毛地区は、畑が広がる田舎というイメージを持たれる方が多いようです。そのため、「行ってみたいけれど、なかなか足を運びづらい」という声もよく聞きます。

とはいえ、LiLiCoさんとのコラボレーションのおかげで知名度は大きく向上し、多くの方々に名前を知っていただけるようになりました。

LiLiCo この邑楽でこれだけ多くの方にご購入いただけるのであれば、都内で展開すれば確実に成功するのではないかと感じています。こういった現象は日本でも他に例があると思っていて、私はもともと演歌歌手として活動していましたが、その業界では「名古屋で売れたら全国で売れる」という言い伝えがありました。名古屋はちょうど大阪と東京の中間地点にあり、そこで多くの方に支持されれば全国展開が可能だという考え方です。同じように、少し来店が難しい場所にもかかわらず、わざわざ足を運んでくださるお客様がたくさんいらっしゃるという状況を見れば、都内で販売すればさらに大きな反響があるのではないかと思います。

──新製品のテスト販売は、静岡や名古屋といったエリアで行われることが多いですよね。

LiLiCo 私たちは2人ともすごく厳しい環境で育ってきているので社会の現実をよくわかっています。そのため「難しいことから挑戦する」という方針で、甘えが一切ありません。私自身も未完成だと思っているし、藤春さんも「FUJIHARU BUTTERはまだ未完成だ」とおっしゃっています。でも、この1年の成長は本当に凄いと思います。先日、取材先で「私の祖母が群馬に住んでいるのですが、LiLiCoさんが関わっているお店の噂を聞いて……」と話される方がいらっしゃいました。このように、私たちの取り組みが広く知られるようになっていることを実感しています。

──今年のコラボ商品についてはいかがでしたか?

LiLiCo 藤春さんは、今でも「未完成」とおっしゃるほどご自身に非常に厳しい方です。そして、私が何かアイデアを出しても、それを実現し、形にするのは最終的に藤春さんなんですよね。

今回も、私の好きなスウェーデンの食材をいくつかピックアップしてお伝えしたのですが、これまで口にしたことがないような材料を使い、絶妙な味を引き出し、それに近づけていくのは非常に難しい作業だと思います。それでも、正直なところ、私はその点について全く心配していません。

──信頼が厚いということですね。

LiLiCo ヴィーガン向けやアレルギー対応の代用食品については、これまで50年以上にわたり「何か物足りない」と感じるものが多かったのではないでしょうか。しかし、藤春さんのお料理には、そうした不満を全く感じません。

例えば、邑楽のお店で提供されている麺料理を初めていただいた時、「普通においしい麺だ」と驚きました。その麺は米粉で作られており、小麦アレルギーがある方でも安心して食べられるものでした。

また、ホームパーティーの際、グルテンフリーを希望する友人がいて、その時に藤春さんが用意してくれたグルテンフリーのパンをお土産に持って行きました。友人は最初、「これ、本当にパンなの?」と食べることをためらっていましたが、「これは藤春さんのお店のグルテンフリーのパンだから安心して食べて大丈夫」と伝えると、持ち帰って試してくれました。実際に食べてみたら、小麦アレルギーのない方が食べるものと同じように、みんなで一緒に楽しめる「普通のおいしいパン」だったと、とても喜んでくれました。

──「一緒に食べられる」というのは大事なことですよね。

「発信は行われていても、多くの人に『聞く耳』がないのが現状。もっと『聞く耳』を持つことが重要!」(LiLiCo)

LiLiCo ここ最近、さまざまな媒体でアレルギーについて発信すると、いろんな現場で同業の芸能人の方たちから「うちの子供子どももアレルギーなんです。あの記事、すごくよかったです。もっと広めてくださいね」といった反応をいただくことが増えました。私自身もアレルギーがあることを含め、この50年以上にわたって発信を続けています。しかし、テレビではアレルギーに関する内容を隠そうとするケースが少なくありません。「LiLiCoさんのアレルギーの話は、この部分をカットしておきました」と言われることもあります。ただ、私は「ナッツは食べられないので、皆さんで召し上がってください」と発言した方が良いと思っています。そのため、ラジオでは「あー、アーモンド食べられない! 皆さん、どうぞ食べてください!」とあえて言うようにしています。

とはいえ、発信するだけで良いのかという問題もあると感じています。

──というと?

LiLiCo SDGsと同様に、発信そのものは非常に重要です。しかし、SDGsやアレルギーに関する発信を長年続けてきて感じたのは、発信が行われていても、多くの人が「聞く耳」を持たないことです。

SDGsの根本には「声を上げよう」という考え方がありますが、私はそれに加えて「聞く耳を持とう」という姿勢も必要だと思っています。例えば、ブログなどで「アレルギーで何も食べられない!」と悩んでいる方々の声をよく目にします。しかし実際には、食べられるものは必ず存在します。お店や商品をまだ知らないだけで、選択肢はあるし、邑楽まで足を運ばなくても、通販で購入できるものもたくさんあります。

こんなにも情報が溢れている世の中で、その情報に気づけないのは、探す力と「聞く耳」を持つ意識がもう少し必要なのではないかと思っています。

──出会うことが大事なわけですからね。

LiLiCo ところで話は変わるんですが、FUJIHARU BUTTERって、少しだけ普通のバターよりも溶けにくいんですよね。だからずーっと出しっぱなしにできちゃうんですよ。

藤春 その特性は、特許製法に由来しています。最先端のヨーロッパ、EUで特許が認められた理由の一つは、この製法による「保形性」が、従来のマーガリンなどとは大きく異なる点です。これが特許取得の大きな要因となりました。

ただ、「特許を取得してすごいだろう」と誇示するつもりは全くありません。それどころか、特許を取得したことで、「製法を公開するから、多くの人にこのバターを広め、世の中に役立ててほしい」という使命を託されたように感じています。これを受け、責任を持って取り組んでいく必要があると強く感じています。

現在もLiLiCoさんのご協力をいただいていますが、来年以降はさらに多くの方の力をお借りしながら、取り組みを広げていかなければならないと考えています。特許とは、世の中に貢献するために得られるものであると理解しています。

LiLiCo そうですよね。

──大変ですよね。

LiLiCo 実際、多くの人が「おいしい」と言って食べてくれています。バター単体でもそのまま食べられるほどおいしく、パンに塗るだけでなく、おつまみとしてそのままお酒と一緒に楽しむこともできるし、胃にもたれることも少ないです。

ちなみに、ハーブ&ガーリック味のFUJIHARU BUTTERを使った、エビを炒めた料理をいただきました。「焼くのにも使えるんだ」という新たな発見がありました。牛乳が入っていないので分離するのではないかと思っていましたが、その心配は全くありませんでした。おそらく、他の方も同じように「焼くのは難しいのでは」と思っている方が多いのではないでしょうか。

FUJIHARU BUTTERがこんなにも多用途に使えることを広く知ってもらうことが、次の私の課題だと感じています。もちろん、これを作り上げたのは藤春さんですが(笑)。

「『自分の地元にこうしたお店がある』と誇りに思えることが、地元へのプライドにつながっていく」(藤春)

LiLiCo 今回のコラボ商品の試作を食べたとき、最初は、単にバターそのものの味しかしなかったのですが、それではリンゴンベリーを使う意味がありません。ただピンク色で「ちょっとかわいい」というだけになってしまいます(笑)。

藤春さんが作ってくれた2種類のクッキー生地は、どちらも完成度が非常に高く、とてもおいしかったです。ただ、もう少し酸味が欲しいと感じました。ただし、酸味を強くしすぎると、日本人が好む甘みが不足してしまう可能性があったので、そういったバランスはしっかりと意見を交わしながら進めました。なぜなら、日本人の好みに合えば売上にもつながり、多くの方に喜んでいただけるからです。それでも、今回のバター&クッキーサンドはスウェーデンでも十分通用するクオリティだと思います。

藤春 LiLiCoさんがおっしゃったことは、一瞬で理解できました。最初に「おいしいけれど、メリハリがない」と指摘をいただきました。その時点で、自分でも「平均的な味にまとまってしまったな。もう少し思い切って攻めても良かったかもしれない」と感じていました。

そこで、酸味を少し強調し、甘みが後から追いかけてくるようなバランスを意識しました。その方がスウェーデンのリンゴンベリーの特長がしっかり表現されるだけでなく、日本人が好む「ふんわりした甘さ」も感じられる仕上がりになると思い、すぐに作り直しました。

結果として、商品が売れていることをとても嬉しく思います。少しでも貢献できたと感じられたことが、何よりの喜びです。

LiLiCo 実は、藤春さんと知り合う前に、乳製品アレルギーのある子どもたちが藤春さんの作ったケーキを笑顔で食べている姿をテレビで見たことがありました。そのケーキにはクリームが乗っていたのですが、それが牛乳由来ではないと知り、感動して涙を流しながらその番組を見た記憶があります。

そこから藤春さんと出会って、「私もアレルギーがあるんです」とか「担々麺が食べられない」といった話をしていたところ、ナッツが入っていない担々麺を作っていただけるようになりました。ただ、最初はやはり、私も食べるのが少し怖かったのを覚えています。

──いくら安心だと言われても。

LiLiCo 多くの人が「ナッツの風味が良い」とおっしゃいますが、私の場合はずっと「食べてはいけない」と言われてきたため、その風味がどんなものなのか、実際には全くわからない状態でした。

ただ、考えてみれば、人は誰でも何かしらの問題をいるものなので、今の世の中で「100%健康な人」がどれほどいるのかっていう話ですよね。すべての食べ物を問題なく食べられる方でも、アルコールにアレルギーがあってお酒が飲めない場合もあります。ですから、もし本当に100%健康でいられる方がいれば、それはとても素晴らしいことですし、毎日「ありがとうございます」と神様に感謝してもいいくらいだと思います。それほど、誰しも何かしら抱えているものがあると思うので。

藤春 ホントにそうですよね。

LiLiCo 好き嫌いという点でも構わないと思います。「私はこういうものが食べられない」といったことでも良いと思いますし、そうしたハンディキャップがあるからこそ、それを乗り越えよう、何とかしようという決断力が生まれ、結果的にみんなが協力し合い、仲良くなるきっかけになるのではないかと思っています。

私自身も、アレルギーがあり、病弱だった弟を助けたいという思いから、お金を稼ぐために芸能界に入りました。しかし、その後、自分自身がホームレスになるなど、どうしようもない状況に陥った時期もあり、「他人のために何かをする余裕なんてない」と思っていた時期がありました(笑)。

それでも、現在は1日も休まず仕事を続け、この23年間は、ほぼ休みを取っていないと思います(笑)。芸能界での活動も35年になり、ようやくこうした支援活動に携われるようになりました。現在では、ネパールに学校を建設するなど、自分が本当にやりたかったことを少しずつ実現できていると感じています。

藤春 すごい!

ところで最近、お店の横にハラールの幼稚園ができたんですよ。

LiLiCo あ、聞きました!

藤春 ハラール対応のメニューについてご相談をいただいたので、当社の「FUJIHARU BUTTER」を使用したアイスクリームを提供させていただきました。

大々的にはお知らせしていませんが、実は「FUJIHARU BUTTER」はハラール対応製品です。この取り組みは静かに進めているものの、実際に子どもたちがアイスを喜んで食べてくれる姿を見ると、とても嬉しく思います。

LiLiCo よかった!

藤春 そのように、多くの方々に笑顔を届けていければと考えています。

LiLiCo この地域で暮らす子どもたちが、大人になった時にどこかへ移り住むことがあるかもしれません。それでも、「あの場所で、自分たちが食べられるアイスを楽しんだ」という思い出を覚えていてくれたら嬉しいですね。

また、日本の子どもたちは今、知らない大人と会話をする機会が少ないと感じています。「かわいいね!」と話しかけても、すぐにお母さんの後ろに隠れてしまうことが多いんですよ。そうではなく、子どもたちがここで働くスタッフに「こんにちは!」と挨拶できたり、外で偶然すれ違った時にも同じように「こんにちは!」と自然に言えるような、そんな場にしたいと思っています。

その思いから、お店の外にクリスマスの飾り付けを置きました。変な話かもしれませんが、何も買わなくても構いません。そこでクリスマスの記念写真を撮っていただければ、それだけでも嬉しいのです。

──フォトスポットというわけですね。

LiLiCo 最初はそれだけでも十分だと思います。ただ、そうなると、だんだん気になってくるじゃないですか。「ここは何のお店?」って。そして、そこから「私にも食べられるんだ」ということが広まっていけば良いと思っています。

また、先ほどのお話では、アレルギーがない方々もバターを買いに来てくださっているとのことでしたが、それはとても素晴らしいことだと思います。

──単に「おいしいから買う」というだけでもよいということですよね。

LiLiCo そう、そういうことなんです。

藤春 まずは商品を知っていただき、その後で「牛乳も小麦も使っていないんだ」と気づいてもらえれば十分だと思います。日々の生活の中で、例えば友人のお子さんがアレルギーを持っているとか、「学校でアレルギーのある方がいる」といった話題が出た際に、ふとうちの商品を思い出していただければ、それだけで大変ありがたいことです。

──「そういや、あそこの店にあったな」と。

藤春 地元にそのような場所があることで、大人になった時に「自分が育った場所には、しっかりとしたケアがあった」とか、「素晴らしいお店があった」と誇らしく思ってもらえたら嬉しいですね。そういったことは簡単に実現できるものではありませんが、もし現在の子どもたちが将来そのように語れるようになれば、また、この邑楽でそれを実現できれば、地元への誇りを持つきっかけになると思います。

「田舎だから……」ではなく、「素晴らしい環境で育った」と感じられる場所になることで、成長した子どもたちがいずれ戻り、地域がさらに発展していく。そんな笑顔を作り出すマインドが広がり、影響を与えながら伝染していくことを願っています。

今年のコラボ・テーマはリンゴンベリー!「甘いも酸っぱいもある、人生の味です」(LiLiCo)

──今年のコラボのテーマは何なんでしょう?

LiLiCo 今年のコラボ商品は「リリリンゴンベリーバター&クッキー」!テーマはリンゴンベリーで、「人生の味」を表現しています。甘さもあれば酸味もある、まさに人生そのものを象徴するような味わいです(笑)。

今後は、必ずしもスウェーデンに関連した要素を無理に取り入れる必要はなくてもよいかなとは思うんですが、スウェーデンには「フィーカ」と呼ばれるお茶の時間があり、スイーツ文化が非常に発展しているため、このテーマとも非常に相性が良いと感じています。

藤春 東京でも、リンゴンベリーを知っている方は少なく、実際に食べる機会もほとんどありません。そんな全く馴染みのない素材を、自分たちが親しみやすいクッキーやバタークッキーに組み合わせて楽しむことで、「舌の経験値」を広げることが、当社のバターが目指す一つの目的でもあります。

乳製品のバターしか食べたことがない方にとって、「植物性のバター」という言葉は少し疑問を抱かせるかもしれません。「どうせおいしくないんでしょう」と思われることもあるかもしれません。しかし、その先入観を変え、舌の経験値を増やすことは、日本人の食文化の多様性を広げるためにも重要だと考えています。

また、スウェーデンについても知っていただき、LiLiCoさんがスウェーデンから発信しているリンゴンベリーを体験していただければ、より豊かな食の楽しみを感じていただけるのではないかと思います。

「祖母から教わった『苦労は買ってでもしなさい』という言葉を胸に、常に困難に立ち向かっています。」(藤春)

LiLiCo 藤春さんは、ただ食べ物のことを理解しているだけでなく、人の心も深く理解しているシェフです。「俺がこれを作ったんだから、お前ら食べてみろ!」といった押しつけではなく、根底には「みんなに楽しんでほしい」という思いがあります。

ただ、1度だけ「自分は、難しければ難しいほど燃えるタイプなんです」とおっしゃったことがありました。その時は、「ああ、それは言わなければよかったのでは……墓穴を掘ってしまったな」と感じました(笑)。

藤春 詳細は覚えていませんが、その時は「いいことを言ったな」と自分でも思ったのだと思います。それから2~3年が経過しましたが、今となっては少しだけ言ったことを後悔しています(笑)。

LiLiCo 「ね、困難の方がいいんでしょ?」って(笑)。でも、現代では多くの人が「楽をしたい」と考える時代の中で、困難に挑む姿勢を貫くのは本当に素晴らしいことだと思います。

実は今年、「淀川長治賞」を受賞しました。この賞はこれまでジャッキー・チェンさん、戸田奈津子さん、真田広之さんなどが受賞されており、17年ぶりに復活した際に私がその栄誉にあずかることができました。表彰楯をいただいたのですが、そこには「苦労よ来い」という言葉が刻まれていました。淀川さんの名言がいくつか書かれていたのですが、その一つを見て「ああ、これが本質なんだな」と深く感じました。

やはり、このような考え方を持たなければ、大きな成功や物事の成就には繋がらないのだと思います。

藤春 僕の祖母は、12人いる孫の中で、私だけに「苦労は買ってでもしなさい」と教えてくれました。他の孫たちには甘く接していたのに、なぜか私だけにはその言葉をかけていたんです。後になって、その理由が少し分かるようになりました。

LiLiCo たぶん、おばあさんは分かっていたんでしょうね。見る目がある。

藤春 そのように教えられてきたこともあり、現在でもお金を払ってでも苦労を経験しに行くようにしています。会社として持ち出しが発生する場合でも、それが後に自分や組織の糧になると判断すれば、積極的に取り組む姿勢を貫いています。

LiLiCo 全く同じです。みんな「忙しいから、さぞかし収入も多いでしょう」って言うんですけど、実際にはどれだけ支出が発生しているかを知っていただきたいですね(笑)。苦労というより、知恵を買っているのだと考えています。

藤春 それを苦労だと感じなくなることが、自分にとってプロフェッショナルとしての最終的な理想形なのではないかと考えています。そう自分に言い聞かせながら日々取り組んでいます。

LiLiCo 「明日やろうは馬鹿野郎」という言葉があります。これはデニー友利さんから教わったものです(笑)。

藤春 そうですね、まさにその通りです。ただ、私に付いてくる周囲の人達にとっては大変なことも多いかと思います。そのため、周囲に過度な負担をかけないように、できるだけ自分で対応するよう心がけています。

LiLiCo ただ、それを「ありがたい」と素直に受け止められる人こそが、成長し、成功をつかむものだと思います。

──その意味では、お二人は本当に共通点が多いのですね。

LiLiCo はい、本当に偶然とはいえ、よく出会えたなと思います。

藤春 LiLiCoさんと同じ方向性で取り組んでいくことはとてもやりやすいです。

温度感はまだ低い部分があるかもしれませんが、自分なりのプロフェッショナルとしての姿勢で臨むと、LiLiCoさんがしっかりと応えてくださるので、失礼のないようにしなければならないと感じますし、「負けていられないな」という気持ちにもなります。

こうした姿勢や取り組みが、より多くの方々に伝われば良いと考えています。

LiLiCo 日本文化の特有な遠慮や気遣いが、時に物事の進行を妨げることがあると感じています。たとえば、何かに誘うと「え、よろしいのですか? 私なんかが伺って……」と言われることがよくあります。そのような反応をされると、「こちらが招待しているのだから、いいに決まってるじゃない」と思うのですが、過度な遠慮を感じると「それなら、無理に来なくても良いのでは」と思ってしまうこともあります。

藤春 とてもよくわかります。

LiLiCo すごく親しくしている方の中にも、そのような反応をされる方がいて、「それならもう結構です」と思ってしまうことがあります。また、藤春さんにも、「スウェーデン人はこうで、ああで……」と10分ほどかけて細かく説明してしまうと、その分藤春さんが研究に充てる時間が短くなってしまいます。

そのため、「酸味が足りないです」と一言で伝えた方が効率的ですし、結果的に進行がスムーズになると思っています。

藤春 お互いに率直に、全力で意見をぶつけ合い、「はい、OK!」というスムーズなやり取りができるので、非常に仕事がしやすいと感じています。私自身、オブラートに包んで話すのがあまり得意ではありません。そのため、失礼のない範囲で自分の考えをはっきり伝え、相手と率直に意見のキャッチボールができる方が、クリーンで建設的だと思っています。

日本人特有の「何を考えているのか分からない」ような気遣いが感じられる場面では、時として難しさを感じることもあります。

LiLiCo 特に病気が関わる場合、そのような遠慮が命に関わる事態を招くことがあります。たとえば、アレルギーを持っているにもかかわらず、相手に気を遣って「少しだけならアーモンドも食べられます」などと言ってしまうと、それが重大な問題を引き起こす可能性があります。

──命に関わることですからね。

LiLiCo その通り。なのでこのような場合は、はっきりさせることが大切だと思います。もしお互いに違和感を感じるのであれば、潔く諦める勇気も必要です。その点、藤春さんとは考え方がしっかり一致したからこそ、良い関係を築くことができたのだと思います。

まずは、今年のクリスマスが成功し、邑楽からたくさんの笑顔が広がることを願っています。メリークリスマス!

藤春 突然の締めくくりですね!驚きました(笑)。

LiLiCo 「メリークリスマス」という言葉は、必ず笑顔で言いますよね。「メリー」の「リ」で口角が自然に上がるんです。それが、LiLiCoの由来でもあるんですよ。

──「Merry」の「R」と「LiLiCo」の「L」が異なるような……いえ、失礼しました(笑)。

LiLiCo 細かいことは気にしません(笑)。ちなみに、今年は「オウララ~!」という言葉を流行らせようと思っていますので、ぜひ広めてくださいね!



■コラボメニュー

リリリンゴンベリーバター&クッキー(イートイン430円/テイクアウト420円・税込)

サクサクした生地が美味しいヴィーガンクッキーに、スウェーデン人が大好きな”リンゴンベリー”のフレーバーバターをはさんだ、LiLiCoさん監修の甘酸っぱいスイーツです。

クッキーは、たんぱく質たっぷりの高野豆腐と、香ばしさが美味しいとうもろこしの2種類から、お好きな生地をお選びいただけます。

お子さまでも食べやすい酸味におさえているので、可愛らしいハート形のバター&クッキーと一緒に、愛情たっぷりなクリスマスをおくってください。

28品目アレルゲン:大豆

・期間:2024年11月26日(火)~12月25日(水)

・場所:ATELIER EPICURE FUJIHARU BUTTER -ŌRA-

※営業時間: 10:00~18:00

※定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は営業/火曜日臨時休業)

店名: ATELIER EPICURE FUJIHARU BUTTER -ŌRA-

住所: 〒370-0614  群馬県邑楽郡邑楽町赤堀3795-2

電話番号:0276-60-5673

交通: 最寄駅/東武小泉線/成島駅から車で6分、東武伊勢崎線/館林駅から車で9分 ※時刻表をご確認頂きお越し下さい

営業時間: 10:00~18:00

カフェスペース:12席

定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は営業/火曜日臨時休業)

HP:https://www.atelierepicure.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/fujiharu_butter/

オンラインショップ:https://fujiharubutter-onlinestore.com/

撮影 長谷英史

記事情報

高崎計三

ライター

高崎計三

1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。