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加古隆『映像の世紀コンサート』を広島で開催する想い

2019.08.08
加古 隆



テレビ番組、NHKスペシャル『映像の世紀』『新・映像の世紀』では、約100年前に発明されたムービーカメラに収められている世界中の歴史的記録映像を放送し世の中に感動を与えた。そのテーマ曲『パリは燃えているか』を作曲したのが、数々の映画音楽などを手掛ける作曲家、加古隆。
この『映像の世紀』の圧倒的な貴重映像と加古隆、そして広島交響楽団の圧巻の生演奏が融合したコンサート『映像の世紀コンサート』が広島でまもなく開催される。
 
 今回、加古隆氏は広島を訪れ、被爆地広島でこの『映像の世紀コンサート』を開催する想いについて語った。
 
 「広島平和記念公園に来て思うことは、やっぱり慰霊碑に書いてあったように『過ちは繰り返しません』と、そのことが僕らに残された最も大切なことの1つかなと思いました。
 このコンサートでは世界中の色んな映像が流れます。でも残念ながら20世紀の映像の大半は戦争に関わることだったんですね。
その中で広島の映像は必ずどんな番組でも今世紀の戦争を語っていくのに欠かすことのできない大きな事件だった。今度のコンサートでも、広島の被爆した直後の町の状態など映りますが、そういうことが実際起こった場所で演奏するということは、大きな意義があると思います。これは広島でしか出来ないことなんです。
僕自身が長く海外に生活していたので、日本の中に住んでる方が思っている以上に広島のこと、広島で起こった出来事は人類の記憶に残っているんです。だから繰り返さない。戦争を繰り返すことは愚かだといいながら繰り返している訳です。いつまでも。それを強く思いましたし、それを止めることが出来るはずなんだと思っています。
 
今回のコンサートというのは決して、反戦、反戦キャンペーンとしてのコンサートではないんです。あくまでもこの100数年間の素晴らしい映像と僕の作曲した音楽がコラボレーションするというのが目的なんです。でも、その歴史の中で一番主役になっているのが実は戦争だった。でも、このコンサートは単に戦争の悲惨さだけで終わるんじゃないんです。そういうものをたくさん見せられながら、最後に感じるのは『平和の尊さ』、こんなに愚かな戦争を繰り返す愚かな人間なのに『人間の素晴らしさ』も同時に感じられる。広島で開催するというのは『平和の尊さ』『人間の素晴らしさ』もう一度再認識し、また追悼の心、祈りというものがどうしても出てきますからそれを感じていただければと思ってます。」
 
新たな時代を迎え、大きく変わろうとしている。圧巻の生演奏と圧倒的な映像がぶつかり合う、心が震える感動を広島でぜひ体感してほしい。
 
■プロフィール
加古 隆 かこ たかし
東京藝術大学・大学院作曲研究室修了後、パリ国立高等音楽院へ。73年にパリでフリージャズ・ピアニストとしてデビューし、76年に最高位の成績で音楽院を卒業。帰国後は、オーケストラや映画音楽、ドキュメント映像の作曲も多数手掛ける。“ピアノの詩人”とも評されている。
 
■コンサート情報
映像の世紀コンサート2019 広島公演
日時:9/1(日)開演15:00
会場:上野学園ホール
料金:S席9,500円 A席7,500円 B席5,500円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
http://rcc.jp/event/2019/1909eizonoseiki.php
 
お問い合わせ:RCC事業部 TEL:082-222-1133(平日10:00~17:00)
RCCオンラインチケットhttp://www.cnplayguide.com/rcc/  
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