翻訳デビューEP「Pre:inc.」をリリースした5人組ガールズ・コレクティブRe:inc.。Da-iCEの工藤大輝さんがトータルプロデュースを務める彼女たちは、オリジナル楽曲だけでなく幅広いジャンルのカバー曲も特徴となっています。そんな彼女たちに、EPの内容、そしてこれからのことなどについて伺いました!
今深掘りしている課題は……「パン」!?
──まずは自己紹介としてお名前と、グループの中での役割的なもの、そして音楽的なルーツを教えていただけますか?
LIKO LIKOです。私自身、面倒を見ることが好きなタイプなので、「みんなのお姉さん」みたいなポジションです。歌は、ずっとバラードが好きだったんですけど、HIPHOPもよく聴くので、一番好きなアーティストはeillさんです。

SAKI SAKIです。Re:inc.の中では……人見知りなんですけど、メンバーとは仲良くなったので、よく喋ります。J-POPも好きなんですけど、中学時代に歌の練習をするのに洋楽をたくさん聴いて練習していたのもあって、洋楽やK-POPのいろんな曲を雑多に聴きます。ちっちゃい時からダンスもいろんなジャンルをやってたので、ジャネット・ジャクソンとかデスティニーズ・チャイルドだったり、ディスコだったり、ちょっと昔の洋楽だったりとかも合わせて、いろんなジャンルを聴いています。
NENE NENEです。ムードメーカーで人懐っこくて、ゲラです。人なつっこいゲラです。音楽のルーツ、NewJeansさんとかY2Kみたいな聴きやすい音楽が自分の中で好きで、洋楽とかもけっこう聴くことが多くて。R&Bとか、落ち着いた感じの曲が好きですね。
VALE VALEです。私は、5人の中で一番パワフルな歌声を持っていて、サビ前の盛り上げる部分を担当したり、出だしをもっと力強くしたいところとかを担当しています。Re:inc.の中では、あまり動じず冷静なキャラです。音楽のルーツは、J-POPよりは洋楽、ラテン、K-POPとかを幅広く聴いていて、よく洋楽の曲で自分の中で課題曲を作って、それを練習したりしています。
──最近の課題曲というと?
VALE SZAっていうR&Bシンガーの歌い方やグルーブ感を学びたいと思って練習しています。
RANA RANAです。他のみんなよりちょっと年齢は上なんですけど、そんなに大人っぽい感じでも多分なくて、ムードメーカーみたいな感じで、みんなを笑わせたり楽しませたりしちゃってます。音楽のルーツはみんな同様、J-POPとか洋楽とかもちろん聴きますし、もちろんK-POPも聴くんですけど、あとラップの曲とか、それこそエミネムとかも全然聴きますし、幅広く取り入れてます。
──そんな5人が集まったグループですが、自分たちで言うとどんなグループですか?

RANA いい意味で型にはまらず、自分たちの聴いていただきたい音楽を届けられるグループというか。それこそカバーとかもやってる分、いろんな年代の方に刺さっていただけるようなグループかなと思います。
VALE ダンスにもしなやかさがあったり、女性らしい曲を出してたりもするし、「LITM」みたいにちょっとニュージャックスイングとかが入ってる曲もあったり、HIPHOPカルチャーをずっと見てた人たちにも刺さる曲があったり。「絶対このジャンルのグループです!」っていうよりは、いろんなジャンルの曲があるので飽きないかなと思いますし、そういう面もRe:inc.ならではかなと思います。
──プロデューサーの工藤大輝さんからは、どんなことを言われていますか?

LIKO それぞれの好きなことだったり、課題だったりが違う中で、「自分の課題があるとすれば、それをもっと深掘って自分のものにしてほしい」ということはよく言われてますね。
──例えば今、LIKOさんが深掘っている課題というと?
LIKO 私はまず、もしこのRe:inc.の活動以外をするとなったら、「将来これをしたい!」というものが今はまだないんですね。だから課題を見つける段階にいるので、いろんなことに興味がある中で、まずそれを絞ることが課題です。私の母もそうなんですけど、いろんなことをしたがるタイプなので、まだ見つける段階にいますね。
──逆に私はもう見つかっているという方は?
VALE 私はパンが好きですね。(一同・爆笑)
──パンって、あの食べ物のパンですよね?

VALE はい。もう本当にコンビニでもスーパーでも、どこ行っても真っ先にパンのコーナーに行っちゃうんですよ。ほぼ毎日買っちゃうんですけどね。パンを追求したいです。
──Re:inc.の「幅広さ」って、そういうところだったんですか(笑)。
VALE 幅広いですかね。パン屋さんとコラボしたいですね、待ってます。
SAKI 私は大阪の大学に通っていて、勉強も両立しながら何かに活かせたらいいなと思っています。スケジュール的にもけっこうキツくなってくると思いますが、やり遂げたいなと思ってます。
──では、Re:inc.の仕事の時には上京して合流しているんですね。移動の時は何をしてるんですか?
SAKI 学校がある時は基本、課題をやってます。理系なので大学のレポートや課題の量がすごく多くて、新幹線の移動時はずっと勉強しています。

NENE 私はダンスを長年やっていて、得意としているものもダンスなんですけど、その魅力をもっと深掘りたいなと思っていて。アーティストの方々にダンスの審査をしてもらうイベントとかにも参加していきたいなと思いますし、Da-iCEさんのメンバーがやられているワークショップに参加したりして、そういうものも今後取り入れていきたいなと考えています。
RANA 私はファッションが好きで、ファッションを日々探求しているんですけど、将来的にはRe:inc.のグッズのプロデュースとか、みんなの衣装のスタイリングとかにも携わったりとかできたらいいなと思っています。
──で、3月27日にデビューEP「Pre:inc.」がリリースされました。まずEP全体としては、どういう作品になっていますか?
VALE いろんなジャンルの楽曲が聴けるんですけど、そこに共通しているのは、全部聴きやすいというか、聴いていても疲れないというか。聴きやすいトラックとメロディになっているので、どんな時でも心地よく聴けるんじゃないかなと思っています。またその中で、「NENEって、この曲とこの曲でまた違う歌い方をしてていいな」とか、いろんな曲でメンバーの魅力を見つけられるんじゃないかなと思います。
──確かに、全体に音作りがすごくオシャレだし、心地良さはすごくキーになっているなと感じました。その中で、先ほども出たカバーというのは、グループとして重要な要素になっているんですね。
RANA そうですね。今回もカバー3曲、オリジナル曲3曲という構成になってるんですけど、カバーした曲は、私たちの世代にはあまり聞きなじみのない曲なんですね。それこそ40代とか50代の方々、80年代、90年代の楽曲を聴いてきた方々が、私たち5人がその楽曲を歌うことによって、「あの懐かしい名曲を、誰が歌ってるんだろう?」という感じで、私たちの音楽に関心を持っていただくきっかけにもなるんじゃないかなと思っています。
オリジナルもカバーも、幅広い曲が詰まった「Pre:inc.」!
──では収録曲について1曲ずつ、お話しいただけますか? まず、1曲目「LITM」ですね。
LIKO この曲はニュージャックスイングがベースになっているんですけど、私たち今までこのジャンルに全然触れてきてなくて。ちっちゃい時からダンスをやってる子は、少しなじみがあったりするんですけど、この曲のダンスに関しては、一からみんなで始めて、けっこう苦戦しました(笑)。この曲の歌詞は「今を楽しむ」という内容で、今、ダンス動画をアップしていまして、本当にみんなが楽しんでいる映像になっているので、ダンスにも注目して見ていただけると、すごくうれしいです。
──2曲目がEARTHのカバーで「Time After Time」ですね。
SAKI みんな知らない曲だったんですけど、この曲をやることになって聴いてみたら、すごく耳馴染みがいいというか、聴いたことのないはずの世代なのにけっこう刺さって、すごくいい曲だなと思いました。これを自分たちでカバーして歌うからこそ、当時の原曲とはまたちょっと雰囲気も変わって、そこにけっこう激しめのダンスもつくので、Re:inc.らしさを表現できてるのではないかなと思います。
──やっぱり、そこはすごく意識したんですね。
SAKI そうですね。原曲のライヴパフォーマンスだったり、テレビのパフォーマンスもしっかり観て聴いた上で、Re:inc.をよく見せるためにどういう風に踊ったらいいかを、みんなで話し合いました。
──3曲目は、また4文字シリーズの「TCIY」。
NENE この曲はオーディションの課題だった曲で、もともとはサビが日本語だったんですけど、サビが英語に変更になりました。元の歌詞の「誰にも選ばせない 最後は自分次第」というフレーズにすごくグッときて、その思いをRe:inc.として伝えられたらいいなと思いますし、誰かの背中を押してあげられるような音楽をみんなで作れたらいいなって思っています。
──この曲は昨年9月に配信されているんですよね。
NENE はい。でも実は、今回のEPに収録されるバージョンはサビ以外の部分を全部新しく録り直したものなんです。配信されていたバージョンは初めてのレコーディングの時のものだったので、ちょっと初々しさもあったりしたと思うんですけど、EPのバージョンでどう変化したかにも注目してもらえればと思います。
──4曲目がまたカバーで、竹内まりやさんの「Plastic Love」ですね。
VALE この曲は、私はけっこう苦戦した曲です。他の曲とは違ってすごくゆったりしていて、ちょっと遊び人っぽい感じの女性の話で、最初、メンバーの間でも「難しいよね」みたいな話になったんですよ。感情を入れて、共感しながら歌うことができないので。でも世界観は統一したいよねということで5人で話し合っていきました。ちょっと色気のある歌い方をしているメンバーもいたりするので、面白いんじゃないかなと思います。個人的には、RANAさんの歌い方が色気があって好きですね。そこもぜひ聴いてほしいですし、ダンスもしなやかさとか女性らしさがあるものになっていると思います。私たちの振り付けを担当してくださっている方の世界観が入っていて、しなやかで女性らしさだけじゃ絶対にできないグルーヴ感が本当に最高で。そこの魅力も是非感じていただけたらと思います。
──5曲目もカバーで、「FLY-DAY CHINATOWN」ですね。
RANA この曲は今、けっこうTikTokで話題になっていたりすると思うんですけど、本家とはまた違って、5人で1曲を歌い上げているところが特徴になっていると思います。「Plastic Love」もそうですけど、私たちがカバーする時にけっこう大事にしているのが、世界観を統一することなんです。歌詞の内容からそれぞれが思い浮かべる女性像みたいなものが、たぶん5人それぞれで違ってくると思うんですけど、その情景、例えば「FLY-DAY CHINATOWN」だったら、中華街で女性が歩いているシチュエーションみたいなところをみんなで統一して、その統一したイメージの中でそれぞれが思い描く女性像をみんなが体現していて、そこが注目ポイントになっていると思います。
──そして最後が「LOVE」ですね。
SAKI 私はこの曲が本当に好きなんですけど、オリジナル曲が「TCIY」「LITM」と来て、「ああ、今回のテーマは『LOVE』なんだ」と思って、今までとちょっと違うかも、というのが最初の印象だったんですね。でも曲を聴いて歌詞を見たら、「LOVE」が愛の「LOVE」じゃなくて、「Let Our Voices Echo」の頭文字だって気づいた時に、すごく驚いたんです。ちゃんと4文字シリーズだったんだ!って(笑)。
──では、もしかして読みは「エル・オー・ヴイ・イー」なんですか?
SAKI いえ、読みは「ラヴ」で大丈夫です(笑)。で、この曲はバラード調でBPMもちょっと下がって、みんなでサビを歌うユニゾンの部分があったり、今までとは雰囲気の違う曲だなという印象があって。歌詞もメロディーも含めて刺さるので、個人的にはメッチャ好きな曲です。今までの曲との違いというか、この曲特有のよさを、何度何度も聴いていろんな人に味わってもらいたいなと思います。
──そんなEPから皆さんの活動が本格的にスタートするわけですが、この先の目標を教えていただけますか?
LIKO 私たちの初ライヴが4月18日の大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)の「JAL SAPPORO MUSIC EXPERIENCE 2026」のオープニングアクトに決まったんですね。今後もフェスやイベントに出たりする機会が多くなっていく中で、いつかRe:inc.だけのステージでドームツアーを回れたらいいなと思ってます。
SAKI 具体的な大きな目標というよりは、今出でいるRe:inc.の楽曲は全部いい曲だと思っているので、多くの人に聴いていただきたいというのが一番の目標ですね。本当にいろんな人に知ってもらって、音楽を聴いてもらって、ダンスを見てもらって、Re:inc.のよさを知ってくれてる人が増えて、それでその上でいろんな場所でライヴできたらいいなと思っています。
NENE 私もRe:inc.単独でドームでライヴをしたり、それぞれ個々で活躍していけるようになって、「Re:inc.って一人一人すごいね!」みたいな感じで個人としてもみんな認知してもらって、5人揃ったらもっとすごい、みたいな感じになれたらと思います。
VALE 私はちょっとみんなと違う話なんですけど、今後、春から様々なフェスやイベントに出演して、いろんなところで私たちを見て気になってくださった人たちを増やすというのも目標です。そして、そうやって場数をたくさん踏むことによって、ちょっとしたトラブルにも臨機応変に対応できるアーティスト、グループになりたいですね。
RANA 今出てる楽曲とかダンス動画だけでは、まだまだ私たちの魅力は見せ切れていないと思うんですよね。みんなそれぞれいろんな色を持った5人が集まっていると思うので、本当にカメレオンみたいにいろんな色に化けられるようなアーティストになっていきたいなと思いますし、何よりいろんな楽曲もカバーしていることもあるので、老若男女いろんな方々に聴いていただいて、それぞれ5人のよさをありのまま、皆さんに愛していただけるようなグループになっていきたいなと思います。カバーのリクエストもお待ちしています。
撮影 沼田 学

ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。