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観月ありさ

【祝!30周年】今の観月ありさをいい形でアップデート!!

2022.06.22
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インタビュー
6月15日に、アーティスト活動30周年を記念したアルバム『Ali30』をリリースした観月ありささん。オリジナルアルバムとしては11年ぶりということで、歴史を感じさせる工夫も盛り込みつつ、Novelbright書き下ろしの「サジタリウス」など新たな魅力を見せる楽曲も多数収録されています。そしてボーナストラックにはドラマ『奪い愛~高校教師~』の主題歌としても話題になった「TOO SHY SHY BOY!」の小室哲哉さんによる新ミックスも収録。盛りだくさんのアルバムについて、いろいろとお聞きしました!


「今の自分がみんなに聴いてもらいたいなと思える楽曲」を集めたアルバム




──今回のアルバムはアーティスト活動30周年記念ということですね。
 
観月 はい。30周年ということで取材をしていただいたりとか、ラジオとかバラエティ番組に久しぶりに出演させていただいたりとかしてるんですけど、私のところよりもテレビ局とかラジオ局の方に、私の歴史にまつわるものが残っているんですよね。昔の映像を辿ってくださったりとか、昔の声とかもちゃんと残っていたりとかして、それをあえて今聞くというのは、すごく新鮮でした。「あ、この頃はこんなに頑張ってたんだ!」とか「この頃、こんなしっかりしゃべってたんだな」とか、そういうことを今改めて思うんですよね。
 
──それだけ残っているというのは、ずっと表舞台でしっかりと活動されていたからこそですよね。
 
観月 そうなんですよ。ちゃんと毎年毎年の映像とか声とかが、欠けることなく残ってますからね。そういった意味ではとても貴重だし、当時ちゃんと頑張っていたからこそ、今の観月ありさがここにいられるんだなということをまた改めて感じたりしました。自分を振り返る意味でも、またこれからの自分を考える意味でも、いい機会になりました。
 
──25周年の時はベストアルバムでしたが、今回はオリジナルアルバムです。作品のコンセプトはどう考えられたんでしょうか。
 
観月 いろいろコンセプトを考えたんですよ。一つのテイストで固めようかとか、ジャズっぽくするかとか。でも、私は今までいろんな楽曲を歌ってきているので、一つのジャンルにまとめるというのがとても難しかったんですよね。なので、基本は「今の自分がみんなに聴いてもらいたいなと思える楽曲」にしようと。その中から、歌っているうちに、それこそ私がデビューした頃の音楽のテイストのよさみたいなもの、「平成レトロ」みたいな感じもありながら、サウンドは今の感じで作るというか。ちゃんと今っぽさもありながら、ノスタルジックな匂いもするみたいな、そういう楽曲がいいかなと思って。そういうテイストに合わせていったというのはありましたね。
 
──アルバム制作の作業が、単純に久しぶりだったわけですよね。そこで感じたことは?
 
観月 やっぱり音の作り方がすごく変わったなというのはありました。それこそ、昔ほどすごくいっぱいの機材がなくても音録りができちゃうこともそうですし、レコーディングもそうですけど、仰々しくなく、わりとサラッと録れてしまうみたいなところもあって。逆に言うと、昔のよさ、昔っぽさみたいなものを今の人が取り入れるみたいなところもあったりして、レコードの音質だったりをあえて再現したりというのも、今の若い人たちにはあるんだなということも感じました。それもあって、昔のよさと今のよさというのを融合できたらいいなというのを、アルバムを作りながら感じた部分でもあったんですね。
 
──それは面白いところですね。
 
観月 何にしてもいろいろと便利になってるから、音録りは昔より全然簡単にできるようになってましたね。ただレコーディングでは、歌ったり大声を出したりというのがコロナ禍で減っていたし、舞台とかもできなかったというのもあって、声帯がちょっと弱っていましたね。最初、レコーディングをした時に、ノドが筋肉痛になるというか。久しぶりに声を張ったので、ノドの筋力が弱っているなというのをすごく感じて。「これはちょっとダメだな」と思ってボイトレもしましたし、毎日歌うことでノドを強化したりもしました。
 
──ドラマのお仕事などはコンスタントにあったでしょうけど、歌うとなると使うところが違うみたいなところがあるんでしょうね。
 
観月 そうですね。声帯の使う場所が違う感じだと思います。舞台中とかだったらずっと声を張っているので、すんなりいけたと思うんですけど、コロナ禍になってドラマの仕事が多かったので、あんまり声を張ることはないじゃないですか。だから最初の頃はちょっと声帯が弱っていて、戸惑いました。ノドは強い方なので、今まではノドが疲れたり、筋肉痛になったりというようなノドのトラブルって、あまりなかったので。今回はさすがに「久しぶりな感じがするね」みたいな感じで(笑)。
 
 
Novelbrightの提供楽曲「サジタリウス」に感じたこととは?
 
 

──デビューから30年経った今だからこそ表現できると思えた点はありましたか?
 
観月 その時代時代の音楽の作り方だったり、テンポ感とか言葉の発し方だったりというのが、変わってきてるというのはあると思うんですよ。今までいろんな楽曲を歌って経験してきたことというのが、アルバム作りにも生かされていて。今回はわりと若い音楽家の方たちと組ませていただいたんですけど、みんなやっぱり音の作り方が今っぽいというか、そんなに速くは聞こえないんだけど、実際にはメチャクチャ速かったりとかっていうのがあるんですよ。詞の乗せ方の違いだったりもして、徐々に徐々に速くなってきてはいたんですけど、より一層それが進んだと思います。なので、最初に歌った時にちょっと戸惑うというか、昔は譜面通りに歌詞を乗せていくというような歌から始まったけど、今はどんどんラップのように言葉を出していってグルーブ感を出していくという音の作り方が、新鮮だなあと思いました。今回、Novelbrightさんに「サジタリウス」という曲を書いていただいたんですけど、歌ってみると聴いていた時の印象よりもめちゃめちゃ速いんですよ。
 
──そうなんですね。
 
観月 めちゃめちゃアップテンポで、「これ、ちょっとテンポ落とせないかな?」と思ってご本人たちに聞いたんですね。そしたら「いや、落とさずこのままいきたい」と。「なるほど……」と思って歌ったんですけど、こうしてCDの中に収まってみると、やっぱり速くてよかったなと思って。メロディーラインがメロウな分だけ、いわゆるロックの疾走感みたいなものが、少し遅く感じるんですよ。だから「あ、これは落とさず、速いテンポのままでいった方が、もともとのロックの疾走感みたいなものは確かに出てるな」と思いました。今となっては、なんですけどね(笑)。最初は「口が追いついていかない!」って思いましたから。
 
──そうですか(笑)。
 
観月 でもそれって、昔、小室哲哉さんの楽曲を歌った時にもあって、「速っ! これ、どこで息継ぎするの?」って思ってたんです。そこからなお、どんどん速くなっていってるから、「そうだよね、これぐらい速くなってるよね」って、最近の若いアーティストさんたちとお仕事をすると思いますね。
 
──確かに「サジタリウス」は、バックのバンドサウンドの疾走感はありますが、歌メロに関してはものすごく速くは感じないですよね。
 
観月 そうなんですよ! ともすればミディアムテンポでもいいんじゃないの?っていうぐらいのメロディアスさなんですよね。でも歌ってみると、まあ速いんですよ(笑)。私の歌はけっこうそういうのが多くて、聴いてると「うん、歌えそう!」って思ってカラオケとかで歌うと大やけどするっていう(笑)。歌ってみて初めて「こんなに難しかったの?」とか「こんなことになってたの?」と気づく歌がけっこう多いんですよ。だから、カラオケとかでは歌い甲斐のある曲ではあるんです。
 
──その歌い甲斐を、まず最初に体験されているのが……
 
観月 私です(笑)。「よし、頑張ってここをクリアするよ!」という感じで毎回やってます。
 
──「サジタリウス」はNovelbrightという、本当に今バリバリのバンドの曲ですよね。その楽曲を歌うというのは、挑戦でもあったんですか?
 


観月 昔からいろんなアーティストの楽曲を歌わせてもらっている中で、自分がこの30周年を迎えた中で、若いアーティストが「観月ありさ」というものをどういう風に切り取るのかな、、そしてどういう楽曲を作ってくれるのかなということにすごく興味があって。Novelbrightさんの曲は割と前から聴いていて、いい曲を書かれる人たちだなと思ってたんです。それで、曲を書いてもらえないかなあという感じで依頼したら、快諾してくださって。それこそ、私が芸能活動を始めた時にはまだ生まれてなかったりするわけじゃないですか。そんな彼らが、「観月ありさ」をどう切り取って、どういうアプローチで曲を書くのかなというのはすごく興味があったんです。後で沖(聡次郎)さんに、「私が射手座だから『サジタリウス』にしたの?」って聞いたら、曲を書き終わるまでそのことは知らなかったらしいんです。
 
──えっ、そうなんですか!
 
観月 私が射手座だということは知らなかったらしいんですけど、最初にパッと会った時に、私がまっすぐ彼の目を見て、「いい曲を書いてね!」って、ド直球で言ったらしいんですよ(笑)。だから彼は「これは書かないとダメでしょ!と思って、裏設定まですごく考えて書いたんです」と。私が歌うということも考えて、なおかつ彼ら自身も歌うということを考えた時に、今の自分が、過去の自分に向けて背中を押すみたいな、そういう曲を書こうと思ったそうなんですね。なおかつ、Novelbrightさんはラブソングが多いんですけど、その要素もちゃんとありながら、今の自分が過去の自分を思い返すというイメージを、聴く方が持ってくれるような楽曲になればいいなという感じで書いたそうなんです。
 
──なるほど。
 
観月 もともとNovelbrightさんの曲を聴いてた時に、すごくメロディアスなので、これを女性が歌ってもいいだろうなって思ってたんですよ。それで曲を依頼させてもらったというのもあって。今回、私は男性目線の歌詞で歌ってるんですけど、Novelbrightさん自体は女性目線の歌詞もあるし、女の人が歌うということも意識して書くこともあるのかなと思って、聞いてみたんですね。そしたら、実際に女性が歌ってもいいということをテーマに置いて楽曲を書くことがわりと多いらしいんですよ。ボーカルもすごく透明感のあるハイトーンボイスだし、そういうことを考えた時に、「女性が歌ってもおかしくないメロディーラインを意識して曲を作ってます」ということだったんです。だからNovelbrightさんの曲を聴いた時に、「これ、女子が歌っても男臭くないロックになりそうだなあ」という印象を受けたんだなあと思って。そんなことをいろいろディスカッションしながら、曲を作ってもらいました。
 
──最初の依頼の時点でディスカッションしたんですか?
 
観月 いえ、今の話は全部曲ができてからのことなんです。今回は、最初は「アップテンポで」というぐらいで、あとはイメージもお任せしました。普段だと、イメージを伝えたり、「今度の曲はピンク紫な感じで!」みたいに色発注をしたりすることもあるんですけど、今回は若い方たちが何をどう切り取るかを知りたかったので、あえて何も言わずに書いてもらいました。だから相当いろいろ考えて作ってくださったと思うんですけど。
 
──30周年ということは前提としてあったんですよね。
 
観月 それはお伝えしていました。Novelbrightさんも他の人に楽曲を提供するのはこれが初めてらしいので、逆にこういう機会に書いていただいたので私の思い出にも残るし、Novelbrightさんの思い出にも残ってくれるんじゃないかと思って。やっぱり若い世代の方とお仕事するのはすごく楽しいですね。自分で楽曲を書いてる人って、どうしても全部自分でやらないといけないという風になりますけど、私みたいにいろんな方から提供していただいた楽曲を歌ってる場合は、その時代その時代のいい楽曲や流行りみたいなものも取り入れられて、いろんな人のテイストも取り入れていけるので、いいなと思いますね。
 
 
「サジタリウス」のMVでは14歳の自分と共演?
 
 

──この曲のMVは、ストーリー的なところもさることながら、最初は「あれ? 観月さんの過去の映像を使ってるのかな?」と思ったんです。そしたらエンドクレジットに3人のお名前が入っていることに気づいて、そこで必死に止めたんですが(笑)。
 
観月 (笑)。そこは今のMVのいいところですよね。スタッフロールが出るっていう。
 
──止めてみたら、「Raira Yamaguchi」というお名前があって、山口らいらさんという存在を知ったんですが……かなり観月さんに寄せてありますよね?
 
観月 そうなんです。彼女は今高校生なので、普段はもっと今っぽいファッションなんでしょうけど、平成風な衣装を着てもらって、髪型も当時の私に似せてもらって。お顔もかわいいから、当然そのまま出ていただきたかったんですけど、今回はお体だけお借りして。だから、不思議でしたよ。14歳の時の自分が実際に着てた衣装を取り寄せもらったりもしてたので、「あ! 私、これ着てたことある!」みたいな(笑)。昔の自分と並んでるみたいな不思議な感覚で。
 
──そうでしょうね(笑)。
 
観月 で、私の14歳の時の顔をAIに取り込んで山口さんのお体にくっつけるみたいな感じにしたんですけど、映像になった時にはそれがちゃんと動いてるし、余計に不思議な感じじゃないですか。「今の技術ってすごい!」と思いましたね。そういう、今の技術にも触れていけるというのは、長くやってる醍醐味でもありますよね(笑)。どんどん進化、進歩していくから、そういうものを使わない手はないというか。
 
──しかし、映像の上とは言え、単なる過去の映像ではない14歳の自分に会えるというのも、なかなかできる体験ではないですよね。
 
観月 そうそう! 14歳の自分と並ぶとか、まずないですからね。だから、すごく面白いMVになったなと思って。一般的には、AIでここまでできるということもそんなに知られてないと思うし、なかなか斬新なMVになったなと思ってます。
 
──「ありきたりなキセキ」という曲は、BEGINの島袋優さんが作曲で、多和田えみさんが作詞という沖縄コンビの作品ですね。
 
観月 最初に島袋さんに曲をお願いしたら、島袋さんの方から、詞は多和田さんがいいということで。お二人とも沖縄ということで、やりやすいということもあると思うんですよね。ご本人がやりやすい方法で作っていただいた方がいいということで、あちらでわりかし進められてできた楽曲です。聴いた時には、沖縄っぽさというかBEGINらしさもありながら、何ていい歌詞なんでしょうと思いました。ちょうどコロナ禍の期間に作っていたので、普段当たり前にあったことが当たり前じゃなくなって、当たり前だったことに幸せを感じることがキセキなんだっていう、そういう歌詞がとてもタイムリーで、私自身もとても心に沁みて。ラブソングなんですけど、大きいところではそういうテーマがあって、とてもいい歌詞になったなあと思いました。ちょっとお手紙風な感じというのも、ほっこりする感じがして。実は歌番組とかでも歌いたいんですよね(笑)。
 
──それはよさそうです。
 
観月 ライブなんかでも歌ったらよさそうだなあと考える1曲ですね。サウンドもうっすら沖縄の色があって、海を見ながら聴きたい感じもあるし。逆に午後のひとときに、お部屋でまったりしながら聴いてもいいかなという曲になったと思います。みんな思いを込めて書いてくださった楽曲で、「ああ、よかった。いい曲に仕上がって」としみじみ思いましたね。
 
──その他、アルバム本編で観月さんの推しの曲はありますか?

観月 個人的には、「mint leaf」ですね。あれはなにげにいい感じになったなあと思っていて。ちょっと懐かしい感じもするんだけど、サウンドは今っぽくて、昔私たちがクラブイベントに行ってた時に、こういうテイストの楽曲を回すDJが多かったなと思うサウンド感で。でも若い方たちは、逆に今っぽいなと感じてくれるのかもしれないなという世界観の曲で、最初にパッと聴いた時よりもよく仕上がったなと思ってます。歌詞の内容も、別に難しいことを歌ってるわけでもないから、夏とかにパッとライトに聴けるし、DJがいるようなイベントでかけてくれたらよさそうですよね。
 
──確かにそうですね。こうして伺うと、この3曲だけでもかなりバラエティに富んでますよね。
 
観月 そうなんですよ。どうしてもバラエティに富んじゃうというか、「観月ありさ」って、一つにまとめるのは難しいなというか(笑)。ジャンルを一つに決めると、大人しくなっちゃう気もするし、フルアルバムでそれをやるのはもったいないかなと。
 
──アーティストとしての観月ありさを表現するには、いろんな要素があった方がいいと。
 
観月 はい。観月ありさが、ポップスを歌ってもロックを歌っても、ダンスミュージックを歌っても、ともすれば演歌を歌っても、それはもう観月ありさだからいいんじゃないかという感じで(笑)。また、バラエティに富んだ作品って、聴いてる側からすると面白いだろうなとも思いますし。統一感というのももちろん大事ですけど、聴いてて「え、次はこんな曲?」「今度はこんな?」という風にテイストが変わっていく面白さみたいなものも大事かなと。
 
──その楽しさは確かにありますね。
 
観月 特に私はソロですからね。バンドだとまとまってた方がいいのかもしれないですけど、ソロアーティストだから、そんなにジャンルにこだわらない方がいいような気もして、本当に選りすぐりのいい楽曲を歌った、というのがこのアルバムです。
 
 
観月ありさにとって「TOO SHY SHY BOY!」の存在とは?
 
 

──その極めつけが、ボーナストラックの「TOO SHY SHY BOY!」ですよ。今回は小室哲哉さんがリアレンジした「TK SONG MAFIA MIX」ということですが。
 
観月 この曲はやっぱりインパクトがあって。「TOO SHY SHY BOY!」って、私が15歳の時に初めて歌った曲で、いろんなバージョンがあるんですよね。●年版、●年版みたいな感じで。でも今回、『奪い愛~高校教師~』というドラマの主題歌にさせていただいた時に、小室さんにリアレンジしていただいて、また今のサウンドで小室さんが表現する「TOO SHY SHY BOY!」になっていて。私の声も、当然入れ直してはいるんですけど、「ああ、でもやっぱり『TOO SHY』だよね」っていう(笑)。私の代表曲の一つでもあるし、みんなが知っているという楽曲でもあるので、そういうヒットソングの強みみたいなものは、もう圧倒的ですね。
 
──その強さはこのミックスを聴いてもすごく伝わってきます。
 
観月 昔、この曲を最初に聴いた時に、「これはヒットするよ!」って言ったぐらいのインパクトがある曲だったんですよ。15歳の私は大のお気に入りで、この楽曲を歌ったんですけど、案の定自分の代表作にもなって。代表作と巡り会うのが、とても早かったですね。当時は、歌詞の世界観も大人びているし、アレンジも今よりちょっと夜っぽい感じだったから、より大人びていて。曲も難しいし、それこそどこで息継ぎするんだという、小室さん特有の楽曲の作り方だったから、当時はとても戸惑う1曲ではあったんですけど、今改めて聴くと、リアレンジされていても「いい曲なんだな」っていうのを改めて感じる1曲になってますね。
 

──これも、今回のミックスのMVが制作されていますね。
 
観月 「TOO SHY SHY BOY!」は、今までMVがなかったんですよ。
 
──ああ、そうなんですね! そう聞くと、すごく意外ですよね。
 
観月 そうなの! 昔はMVを流す場所がそんなになかったこともあって、作ってなかったんですよね。近年になるにつれ、「『TOO SHY SHY BOY!』のMVはないんですか?」って周りから言われることがすごく多くて、じゃあ今回、新しくリミックスしていただいたことでもあるし、MVも撮ろうか!ということで、満を持して制作することになったんです。
 
──約30年の時を経て(笑)。
 
観月 「満を持して」だったので、やっぱり華やかさもほしいし、バーッと変わっていく画変わりの面白さもほしいなというところから始まったんですけど……自分で「画変わりもほしいな」と言いだしておいて、相当な画変わりで衣装替えも相当大変で(笑)。
 
──それは見ていて「撮影は大変そうだな」と思いました(笑)。
 
観月 途中で、自分も「しまった!」と思ったんですけど(笑)、出来上がったものをみたら、やっぱりあれだけ画変わりしているので、とても楽しいですよね。グループだと、メンバーそれぞれの画があって、みんなで踊ったりすれば華やかに見せられますけど、一人で華やかに見せるのって、とても大変なんですよね(笑)。一人で何人分も頑張りました(笑)。
 
──衣装は全部で何着ですか? 見ながら数えたんですけど、ランダムに出てくるので正確な数が掴めなくて(笑)。
 
観月 14着ですね。しかもロケーションもたくさんあったから、「ハイ次!」「ハイ次!」「ハイ次!」っていう感じで(笑)。撮影は2日間あったんですけど、2日目のスタジオでもいろいろシチュエーションを変えるからやっぱり忙しくて。とにかく衣装とシチュエーションを次々と変えるのにこだわった1本になりました。
 
──こだわっただけあって、見ていて楽しいですね。
 
観月 楽しいですよね! バーッと変わっていく感じが、飽きないで見られると思います。「TOO SHY SHY BOY!」だし、スピード感も感じてもらえたらいいなと思って。若干チカチカしますけど(笑)。
 
──改めて、俳優も続けながらアーティスト活動も30年間続けてこれた理由は、今振り返れば何だと思いますか?
 


観月 本当に作品に恵まれて、周りのスタッフに恵まれて、ファンの方に恵まれてきたからだと思います。やっぱり、支持してくださる方たちがいるからということですよね。お芝居だって、自分一人で頑張ったからって、しょせん一人の力は微々たるもので。やっぱりみんなで盛り立ててくれて、いいストーリーを考えてくれて、いい脚本にしてくれて、いい俳優さんが周りで固めてくれて、それでこそ活きるというのがあるじゃないですか。音楽もそうで、詞と曲を書いてくださる優秀なアーティストの方たちがいてくれて、それをライブとかでもいい形で披露させてもらえて、逆にファンの方たちが盛り上げてくれて(笑)。やっぱりそういう、人に恵まれてるということに尽きると思いますね。
 
──それはこれからも同じですよね。
 
観月 そうですね、だから新しい出会いをしたいんですよ。どんどん、どんどん(笑)。今回は30周年記念アルバムということですけど、今までの観月ありさの歴史もありながら、これも通過点の一つなんですよね。だから今の観月ありさをいい形でアップデートして、今後につなげていくための一つのよい作品になればいいなと思って作ったので、当然これで終わりでもないですし、歴史の一つに刻まれたという感じですね。
 
──これからの歴史も楽しみです。ありがとうございました!
 
撮影 長谷英史
 
 
『Ali30』
2022.6.15 ON SALE

 
 
 
【観月ありさホームページ(ライジングプロダクション)】
https://www.rising-pro.jp/artist/alisa/
 
【観月ありさホームページ(avex)】
https://avex.jp/alisa
 
【観月ありさオフィシャルブログ】
https://ameblo.jp/alisa-mizuki
 
【観月ありさInstagram】
https://www.instagram.com/alisa_mizuki/
 
【観月ありさYouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCPh-Jae4w7ubThlNFDE8Usw/featured
 
 

衣装協力:
ディウカ(ドレスアンレーヴ)
問い合わせ先:ドレスアンレーヴ 03-5468-2118

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問い合わせ先:グロッセ・ジャパン 03-6741-7156

フリーランス(ストックマン)
問い合わせ先:株式会社ストックマン 03-5426-2251


高崎計三
WRITTEN BY高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。

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