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おそ松さん

【超絶大人気!!】おそ松さんの祭典「フェス松さん'16」を特撮マニアがレポートしてみた。

2016.05.18
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おそ松さん
「伝説の6つ子が帰ってきた!しかも、大人になって・・・!!」
 
そんな触れ込みで放送開始が告知されたのは昨年夏のことだっただろうか。もちろん赤塚不二夫先生の漫画「おそ松くん」は読んだことはあって、エスパーニャンコの回が好きだった。
 
昔から特撮マニアで、アニメにはさほどハマることはなかったのだが「おそ松さん」は私の心を掴んで離さない。個人的な感覚でいえば、「同じような見た目ながら、それぞれに無二の特徴と個性がある」というのは、「ウルトラマン」におけるウルトラ6兄弟、「仮面ライダー」における栄光の7人ライダー、そして“色分け”の元祖である戦隊シリーズ・秘密戦隊ゴレンジャーと同じだ。外見が似ているからこそ、それぞれの個性が際立つし「推し」が生まれる。
コンビニのタイアップグッズも早起きしてしっかり6種類集めたし、最終回を見た後は、“あの内容”もあって当然「おそ松ロス」になった。半年後に発売されるフィギュアも、6人全員分予約しちゃったし。

そんな中で今回このおそ松さんの祭典「フェス松さん’16」を取材するにあたり、今一度全話を見返し、ファンブックを隅まで読み込み、「緑の松パーカーを買うべきか?いや、でも仕事だしジャケット着ないと」などと愛ゆえに(無駄な)苦悩を重ねながら当日を迎えた。ちなみに私は音楽活動をする際のパーソナルカラーがグリーンであり、緑への思い入れは強いこともあって、箱推しから一周回ってチョロ松推しである。


【松パーカー vol.2:チョロ松】
http://osomatsusan.com/goods/detail.php?id=1004146



会場内は当然のように6,500人フルキャパシティで、ライブビューイングも全国各地の劇場で実施された。重ね重ね恐るべし、6つ子旋風。
 
そして私は恐れ多くも、こういった声優さんが出演するイベントに参戦したのは初だ。例えば特撮ヒーローのイベントなら、スーツアクターによるヒーローショーで複数の怪獣と戦い、役者による変身シーンや、照明などを利用した必殺光線の演出で30~40分は盛り上げられることができる。だがアニメともなれば新作上映などもないだろうし、どうやってファンを満足させるのだろうか。
 
…そんな疑問を抱きつつ始まったオープニングは、ビジョンに映るキャラの顔に合わせておそ松とチョロ松がやり取りをする下りからスタート。もちろん、おそ松役の櫻井孝宏さんとチョロ松役の神谷浩史さんが生で声を当てているのだ。照明が落とされた客席からは、声援と共に6色のペンライトが輝く。

話の流れは次第に「誰がタイトルコールをするか」という『おそ松さん』ではおなじみの不毛な争いに。
そしてひとしきりしゃべり終わると、櫻井さんが「旗」を、カラ松役の中村悠一さんは「マシンガン」を手に取り、神谷さんは全身にティッシュ箱を鎧のように装備し紙を撒き散らしながら登場!!
福山潤さんは一松さながらの暗いトーンでダイナマイトを胴に巻きつけた危険人物、十四松役の小野大輔さんは最終回でコスプレしたボールの被り物をした「野球マン」というとんでもない格好。トド松役の入野自由さんは日傘をさして現れた。…そう、あの6つ子が、今、そこにいる!!



第一部は「全話ふりかえり松」コーナー

6つ子に加え、トト子役の遠藤綾さん、イヤミ役の鈴村健一さん、チビ太役の國立幸さん、ダヨーン役の飛田展男さん、デカパン役の上田燿司さん、ハタ坊役の斎藤桃子さんが登場。

それぞれが思い入れのある回や、「これはひどい」と思った回を語る…という企画だが、話題はやはり“あの最終回”に。最終回直前の第24話「手紙」からの急展開について神谷さん曰く「(みんなキャリアが豊富すぎて)次週の展開が気にならない」と爆笑発言。
新人声優だったらあまりの内容に動揺するであろうが、歴戦の戦士である6人はどんなブっ飛んだ台本が来ようと余裕の対応ができる、とのことだ。さすがである。

キャリアが豊富な凄さ、という点では上田さんによるゲストキャラの演じ分けや、國立さんが語った第19話「時代劇おそ松さん」内の「忍者シコ松」は『台本を読んでも全く意味不明だったが、神谷さんの演技によってすべてを理解できた』というベテラン声優ならではの逸話が飛び出す。

また「おそ松さん」がただのギャグ作品で終わらなかった重要なポイントとして、第5話「エスパーニャンコ」、第9話「恋する十四松」といった感動エピソードシリーズ(演者の間では「うっかりいい話」と言われているらしい)があると思うのだが、この中でも第23話「ダヨーン族」は『これは「おそ松さん」でないと出来ない話』と演者の中でも評価が高いそうだ。
 
そして、第20話「イヤミの学校」は事前に脚本担当の松原さんから『(危ない話を書いてしまったのですが)鈴村さん、学校の講師ってやってますか…?』と確認されるほどのエグさで、放送後は業界内からの反応が凄まじかったと鈴村さんが自ら明かした。


第二部は「スペシャル朗読劇 シャッフルこぼしエピソード」

シリーズの脚本担当である松原秀さん書き下ろしの新エピソードをその場で朗読して演じるという、まさに本編のスピンオフ。
ドラマCDさながらの迫力が目の前で繰り広げられた

2016/5/25発売 「おそ松さん 6つ子のお仕事体験ドラ松CDシリーズ カラ松&一松『弁護士』」
http://osomatsusan.com/discography/detail.php?id=1011238



・慎重すぎて中々お好み焼きをひっくり返さないチョロ松におそ松がイライラする「お好み焼き」。
 
・酔ったトト子、デカパンにトド松がツッコみ、一松が衝撃のオチをつけた「トト子とデカパン」。
 
・チョロ松とハタ坊の面接コント「面接パート2」(パート1は本編第15話「面接」だと思われる)
 
・囚人役の十四松に看守役のカラ松が散々振り回されるコント、カラ松×十四松「脱走」。
 
・ネガティブ一松の回答にトド松が困る「なぞなぞ」。
 
・カラ松のカラ松ワールドが炸裂するカラ松のひとり「デリバリーコント」。
 
・ダヨーンと会話ができる十四松に一松が絶句する、本編にありそうでなかったストーリー「だよ~~~ん」。
 
そして最後はおそ松シリーズ名物、イヤミとチビ太の悪巧み!「イヤミとチビ太のオレオレ詐欺」では、デカパン博士の発明で声が入れ替わり、最終的にキャスト全員の声が入れ替わってしまうという朗読劇ならではの至高の演出がされた。


第三部は「デリバリーコントin幕張」

デリバリーコントといえば「おそ松さん」本編を象徴するワードの一つであるが、なぜか突然テンションが激落ちするキャスト陣。
実はこのコーナー、先に行われた昼の部で、ほぼ全員がスベるという大事故を起こしたとのこと。

くじ引きで「ペア(相方)」「条件(方向性)」「場面(シチュエーション)」「オチの一言」を決め、それに沿って即興コントを演じるという、プロの芸人であっても困難を極めるような過酷なコーナー。
 
最初は神谷×中村ペア。中村さんが『神谷とは絶対にやりたくない!』と言った直後の的中で、まさに神のイタズラ発動!
「野菜のカブ」を使い、病院で、オチは「結婚しよう」。コント開始と同時に女キャラのなすりつけ合いがスタート。男役をやりたがっていた神谷さんがパニックになりなぜか『チョロ子よ』と発してしまい、中村さんが『結婚しよう』とチョロ子を抱きしめ、両者大ダメージの(笑)ドタバタコントとなった。

次のペアは櫻井×ハタ坊・斎藤による無人島コント。櫻井さんがベテランの貫禄を見せつけ斎藤さんをうまくリード、丁寧にボケを重ねるも、途中で心が折れたか強引なオチを叩き込みキャストからはツッコミの嵐!
 
続いては入野×ダヨーン・飛田ペア。「火山」で「ちょっといい話」を演じるという謎のシチュエーションの中、最年長の大ベテランである飛田さんが病気の父とそれを助ける息子という設定を編み出し、最年少の入野さんをリード。オチと同時にガッツポーズの見事なコントを魅せた。

最後は残された福山×小野ペア。「テンションMAX」で「ダヨーンの体内」という、十四松にとっては最適、逆に一松には絶体絶命の状況。開始と同時に二人でステージを飛び跳ね転げまわっていた(一松どこいった)。



ここまでですでに2時間が経過し、完全にやりきった表情の6人と共にイベントはエンディングへ。キャスト、そして松野家を代表として櫻井さんが挨拶のマイクを取る。作品と、応援してくれるファンへの深い感謝、そして『どこかでまた会えるかも』と名残を惜しむ。寂しい…なんだこの感情は…さっきまで「実写版おそ松兄さん」だったのに、今は「大ヒット作の主役としての櫻井孝宏」だ。カッコイイ…
 
 そして最後に『みんなであの歌いましょう!』と告げる司会者…あの歌?OPもEDも簡単には歌えないよな…まさか…。多くのファンが瞬時に予想したであろうそのまさかで、あの最終回で流れた「第四銀河大付属高校 校歌」の斉唱!!
 
 ただでさえひどい歌詞(笑)でおなじみだが、なんと書き下ろしの「幕張ver.」の二番まで!
 最後の最後まで「おそ松さん」らしい、「おそ松さん」ならではの、「おそ松さん」でしかありえないイベントであった。


松パーカーを着ていくか悩んだ私にさらなる誘惑が待ち受けていた。

春の松の市リターンズ開催決定!

「おそ松さん」のグッズだけを一堂に集めた大好評の物販イベント「春の松の市」。第2弾として「春の松の市リターンズ」が2016年6月上旬に大阪にて開催することが決定だ!
当然、新作グッズもあるらしいから悩ましい…。

詳細は「春の松の市」公式ツイッターにて
「春の松の市」Twitter:@OSO_matsunoichi


そして、「おそ松さん 第五松」は2016/5/27発売!

http://osomatsusan.com/discography/detail.php?id=1011183



TVアニメ「おそ松さん」公式サイト
http://osomatsusan.com/



 
大内 雷電(オオウチ ライディーン)
WRITTEN BY大内 雷電(オオウチ ライディーン)
エンタメユニット「夏の魔物」のダンス&スクリーム担当。本業は一応ミュージシャンだが、特撮オタクとしてコラム連載やトークイベントなども行う。2016/6/22にヒャダイン作曲のメジャー3rdシングルをリリース!!
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